長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

ストライキについてのメモ(2)

唐鎌直義「どうしたら貧困をなくせるか」
『前衛』2011年12月号 212Pより


【労働者にとって伝家の宝刀、ストライキ権がある】
 労働者にはたった1つ、伝家の宝刀があります。労働のボイ
コットです。「働かないぞ」というのが大事です。最近、日本
の労働組合はぜんぜんストをしませんね。時々、中小の私鉄が
ストライキをやっていて、中小私鉄ってがんばっているなと
思いますが、だいたい大きいところはやりませんね。
 労働者が労働力を売らないと生産がストップします。生産が
ストップしたら、例えばトヨタが1日生産しなかったら、いっ
たいいくら損をするか。これは企業にとっては大打撃でしょう。
ストライキは国が労働基本権として認めています。これも労使
対等に近づけるための方法です。労働力を売らないことを資本
家に宣言できる、たった1つの道なのです。サポタージュとか、
ピケを張るとかいろいろありますが、一番はストライキです。
フランスの労働者が年中やっていることです。最近ではギリシャ
でゼネラル・ストライキ(全産業いっせい同時ストライキ)が
起きました。EU諸国の労働者階級は資本主義というシステム
を十分に知り尽くしていると思います。資本主義をよく知る
ことが大事です。自分だけなんとかうまく生きていこうという
抜け駆けはダメで、資本主義のシステムと資本主義のもとで
認められている法律、自分に与えられている権利を集団的に、
最大限に行使しながら賢く生きていくということが重要です。
社会政策論も社会保障論も、そのことを教えるための学問に
ならなければいけないでしょう。