きょう(12日)は、さきほどまで玉島。
倉敷医療生協労組の
お昼休み!ろうどうくみあい入門講座の3回目でした。
玉島協同病院にて。
テーマは「パート労働者の尊厳と現状」。
写真なしです。レジュメの前半部分を以下に紹介します。
一。パート労働者は「下」ではない!
1。増え続ける非正規労働者
◇パート、派遣、契約社員・・・
*現在は約2000万人。雇われて働く人の約4割に。
うち女性が7割で約1400万人。
*20年前は非正規労働者は約1000万人だったので、倍になっている。
*初職が非正規雇用だった人の割合は男性35%、女性53%(総務省
調査)。
◇賃金差別・待遇差別
*年間収入は、100万~199万円が30.8%でもっとも多い。ついで
100万円未満が26.6%。女性の非正規雇用は100万円未満が45.0%
ともっとも多い(総務省調査)。
*日本には、「同一労働同一賃金」を強制する法律がないことが
背景にある。企業にとっては「極端に安上がり」の労働者。
*各種制度についても適用されていない実態。雇用保険67.7%、
健康保険54.7%、厚生年金52.0%、退職金制度9.6%、
賞与支給制度31.0%(厚生労働省調査)。
◇日本では、非正規労働者は、正規とくらべて「下」という
間違った「感覚」がある
*どんな立場の労働者でも、人間の尊厳がある。モノや道具では
ない。人間としてふさわしい扱いをされる権利がある。生活や
労働条件も、人間らしさの基準を下回ることは許されない。労
働基準法第1条「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を
営むための必要を充たすべきものでなければならない」。
*しかも、非正規労働者がいないと、職場はまわらない。
これ、おかしいです!!
2。「時間か、お金か」の選択をさせている日本の「働き方」自体を
問題にしよう
◇第1子出産時点で、女性労働者の過半数が職場をやめている
(育児に注力する)。
*家事・育児・介護・・・。加重に背負わされる女性労働者。日本
の男性の家事労働時間の極端な少なさ(ジェンダーバイアスの
強さ。長時間労働も背景)。
*仕事との両立をはかるためには、自分の切り売りする時間(労
働時間)を調整でき、かつまともな賃金額が保障される必要が
ある。「時間か、お金か」の選択は間違い。どちらも人間らし
い・自分らしい生活には欠かせないもの。
◇ヨーロッパなどでは、「パート」は労働時間が短いという意味
だけで、待遇は同じ。
「日本ではパートタイム労働者が有期契約の対象となってい
るのに対し、オランダではほとんどの場合、雇用期限が定ま
っていない。さらに、均等待遇原則に基づき、最低賃金、時
間外手当、賞与、年次有給休暇、研修や失業保険、老齢年金
など雇用のあらゆる側面において、時間比例の形でフルタイ
ム就労者と同じ権利が保障されている。いいかえれば、オラ
ンダのパートタイム就労者の多くは、正社員の身分のまま勤
務時間を減らすという働き方をしている」
「勤務時間の定めが柔軟であるがゆえに、個々人を取り巻く
家族の状況や望ましいライフスタイルに合わせて選択するこ
とができる働き方となっている」
(中谷文美『オランダ流 ワーク・ライフ・バランス』世界思想社)