長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「何もしない権利を行使していたんだな」

昨夜(1日)は、
91期岡山労働学校「時間を考える教室」の
第4講義「労働時間を考える(2)―休日・有給休暇・余暇」でした。
参加は先週とおなじ11名。なかなか厳しい。

おもしろい内容になっているんですけどね・・・。
(写真は取り忘れてしまいました・・・)


講義の概要です。


一。年間何日の「休み」があるか。
 1。「休み」とは、「有償労働がない日」といちおう定義
 2。「仕事を休む日」の歴史
 3。休みは人権としての地位を獲得
 4。日本における法律上の「休み」はどうなっているか
  ◇休日
  ◇祝日
  ◇有給休暇
  ◇その他休暇制度
  ◇リフレッシュ休暇

二。有給休暇について考える
 
1。日本における有給休暇制度の権利行使-現状と課題
  ◇日本の年次有給休暇制度は、労働者に取得の裁量がある
  ◇使用者の都合が優先。消化前提の人員配置をする義務を怠っている
  ◇労働組合による団体交渉が不可欠―権利行使しやすい環境づくり
  ◇しかし労働組合の組織率も低く、全体で取得率50%をきっている。
 2。有給休暇制度は勝ち取られてきた制度
  ◇たたかい取ってきた歴史―フランスの場合
  ◇ILO(世界労働期間)の年休条約(1970年)
  ◇人間らしい生活の中核的権利―有給休暇制度(年休権)

三.余暇の意味についてあらためて考える
 
1.余暇とはなにか―「豊かさ」の考え方の発展が求められる
  ◇働くこと(有償&無償労働)から離れた時間
  ◇なにものでない「私」を生きる時間
  ◇自然のなかで生きる。受けとめる時間。
  ◇余暇は「新しいつながり」を紡ぐ時間
  ◇文化。学問や芸術を生み出す時間。または享受する時間。
  ◇スポーツ、映画、娯楽。
  ◇社会参画の土台―社会運動・労働運動・ボランティアなども
 2.余暇の種類
 3.余暇の過ごし方も「訓練」が必要
  ◇「余暇を楽しむ能力」を育てる必要性
  ◇増山均「ゆとりが醸し出す想像力―子どもの余暇の権利保障の視点から」
  ◇「連続休暇を取る」という実践・練習をしてみよう

さいごに:ヒマの復権を


以上。


みなさんとくに、「連続休暇をとる」ということが
難しいので、討論でも話題になっていました。


感想文をいくつか紹介します。

■日本人はみんな貧困ですね。みんなが休みを
取れるのがフツーにならんと、休みくださいっ
て言った人が嫌われる。やはり制度化して強制
的にしないとむずかしいか・・・。なんでも政治
につながりますね。「ヒマに備える」by M・H
さんの名言が印象的でした。

■いやー、連続して休みを取ってないなー。5日
はやすめそうだ! がんばって取るぞ。ってがん
ばらなくても取れるようになりたい。

■自分が自由に使える時間がないと人間的に成長
する機会も失われるのかもしれません。余暇が
あるおかげで人類が発展してきたのだと思いました。

■現場は休めない、人がいなくて有給も取れない
と言うが、経営者は人員は足りていると言う。
この売り上げでは、この人員で充分との考えから
だ。労働者に有給100%取らせようなんて気は
サラサラ無い。労働者も、定時で帰る仲間や有給
を100%取る仲間をバカにしたり、困り者だと
思う。自分を含め権利意識が低い日本をなんとか
したいと切に思う。

■休日にのんびりごろごろして時間を無駄にして
しまったと思うことが多かったけれど、何もしな
い権利を行使していたんだなと思って有意義な
時間を過ごせたんだと思えた。ヒマの時間を大切
にしようと思った。

■ヒマに関する日本人の価値観を少しずつでも
変えるのは、やっぱり少しでも多くの人が世界を
知り、“日本が異常”だと気づくことだなと思いま
した。