28日(水)の夜は、
91期岡山労働学校「時間を考える教室」の最終講義でした。
テーマは「ゆとりある私的時間の創造―時短革命の時代」。
参加は10名。
数字だけみると少ないですけど、
初めて参加の学生さんとか、
ほんとに必死に時間をつくって参加してくださった人とか、
いろんな人の思いがつまった学びの場です。うれしい。
講義は、
ゆとりある私的時間がつくられれば何が変わるのか。
まず変わるのは、私たちの生活ということで、
「生活」についての考察から講義ははじまり・・・。
まとめ的なお話でした。
以下概要です。
一。人間の生活とは何か
1。上田耕一郎「現代の生活における貧困の克服」(1963年)より
◇根源的な価値基準としての人間生活―資本主義社会での2つの転倒
2。生活の「小宇宙」を図に表してみる試み
◇自分らしい生活の配分を「選べる」こと―ゆとりが条件
◇生活のあり方は社会のあり方に規定される(積極面と否定面)
二。ゆとりある私的時間の確立―労働時間短縮の社会的効果
1。文化的生活の条件拡大
◇生活時間、私的時間の拡大によってつくられる文化的享受、文化的創造
◇人間関係の広がりと深まり
2。寛容精神の社会的水準があがる
◇心のゆとり。待てること。ゆるすこと。話しあうこと。想像できること。
3。子育てのしやすさ。高齢化社会における尊厳の確立。
◇17時に仕事が終わる社会。正規の仕事との両立。
子育てによる離職なし。
◇「働くこと」=価値が高い、という考え方の転換。高齢者の尊厳。
4。社会変革の条件としての時間短縮
◇集まれる自由な時間、体力、気力。議論ができる。
民主主義に不可欠なゆとり時間。
5。人間の浪費を終わらせる
◇働きすぎての健康リスクを減らす。時短で人間の可能性拡大。
6。自然の時間との調和―24時間型社会からの転換
◇夜は寝る。ゆっくりする。それができる時間のゆとり。
◇24時間「売り買い」型社会からの脱皮は、消費至上主義からの
脱皮にも。
7。企業のあり方にも変化
◇私的時間を大事にするということは、職場での時間を大事に
することにもつながる。
8。知的批判・精神の育ち。
◇学ぶことのできる時間。「おかしい」と思える力。新しい発想。
三。「おかしい」「ノー」を言える私に。そのためには。
1。人権感覚をみがく
◇人権とは―私が私でいられること(の自由や権利)
◇人間は1人ひとり違うからこそ、「同じ価値」を確認することが大事
―それが人権。
◇「個人の尊重」「個人の尊厳」というときの「個人」とはなんだろうか
2。民主主義のトレーニングを
◇育ちあう場の前提条件は、民主主義(表現の自由が前提。参画と尊重)
◇自分の言葉をもって、議論や意思決定に参画すること。
1人ひとりが尊重されること。
◇しかし、組織のなかにはさまざまな「力」が働いている
(そしてそれはなくせない)
◇「~しあう」関係性(積み重ねにより培われる)
◇民主主義の危機だからこそ、草の根から民主主義的空間・
人間関係の構築を。
3。生活は人権!余暇は人権!
―自分らしい人生を、時間の主人公になろう。その1歩を。
感想文を紹介します。
■2か月におよぶ労働学校、ありがとうございました。
学習することの大切さ、労働組合専従になってしみじみ
感じます。自分のことだけじゃない、すべての人が
平和で幸せな生活が遅れるようにこれからも学習して
それを活かす活動をしていきます!
■ゆとりのある生活、素敵です。ゆとりがあれば、考え
ること、学ぶこと、行動することができ、自分とゆっ
くり向き合えることができる。そして生活も、心も豊
かになれる。まずは“ゆとりある生活”を意識してみる
ことを心掛けたいです。今回、労働学校楽しかったです。
ありがとうございました。
■心のゆとりをつくるには、時間とお金のゆとりも必要。
お金のゆとりができても、心のゆとりが無ければ人間
らしい生活もできない。生活するにはお金が必要ですが、
自分で自分の人間らしさを殺したくはないです。
■今、効率が優先される社会のなかで、人がすりへらさ
れているのを感じます。今日の長久さんのお話を聞いて、
この世の中で大切なのは、すべて「ゆとり」から始まる
のだと気づけました。人と集まって、人との違いを共有
して一致点をみつける。民主主義を実現するための
エネルギーをためるためにゆとりをもつことが良いこと
なのだと思える社会をつくたいなと思いました。
■ゆとりのある時間をつくることで生活が変わる。生活
が変わることで心にゆとりが生まれる。心にゆとりが
できると人に対しても思いやれる気持ちがうまれる。
そうなれたことで幸せになれる。いろんな意味でゆとり
は必要。時間を考える教室、全部受けてみたかった。
ありがとうございました。
■最終回、聞けなかったのがとても残念でしたが、みん
なの感想からも、いろいろ学ばされました。初めての
労働学校、“時間”というテーマでしたが、ほんと、最高
でした! ちょっと成長したかな? いっぱいいっぱい
考えました。1人で考えると疲れるけど、仲間がいると
楽しいですね。ありがとうございました。
■最後のまとめ、本当に良かったです。普段、時間を
意識して生きているつもりはないけど、時間に動か
されて生きていると感じるようになった。ゆとりを
もって活動します、生きていきます。