長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「オールトラリア介護労働者組織化調査報告集」(全労連)

きのう、全労連の
「オーストラリア介護労働者組織化調査報告集」
なるものを読んだ。2013年に行われた調査である。

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だいぶん前に、ある人から資料を
送っていただいてたのだけれど、
なんとなくそのままにしていて。

で、きのう突如、読むのは今だ!と。

まず、
けっこう知っている人がこの調査に参加していたんだなと。
読むのが遅くなりすみませんでした(涙)。

いろいろ刺激的な内容なのですが、
労働者教育に関わるぼくにとっては、
4項目目の
「ナショナルセンターが組合員とオルグをどう育てるか」
がやはり興味深い。というか、日本の労働者教育とかなり違う。

以下、自分用のメモとして記しておく。

「ACTU(オールトラリア労働組合評議会)組織化
センターはACTUの教育と組織化を担当して、加盟
組合が組合員を教育する力をつけること、産別指導
部が職場委員やオルグ教育をする力をつけることを
目的としている。そのために、①社会変革のための
教育、②加盟組合のキャンペーンへの協力、そして
③組合の能力を高める の3つの方法でアプローチし
ている。
 『社会変革のための教育』とは、組合で何らかの
活動をしたい、キャンペーンを支持したいと思って
いる組合活動家をはじめ、職場委員やオルグ、組合
指導部等組合の各級向けの教育プログラムの事で、
オルグ教育が最も重要な中心プログラムになってい
ます。具体的には、組織化のためのスキル、キャン
ペーンのためのスキル、リーダシップ開発を教育し
ています。
 『キャンペーンへの協力』とは、ACTU組織化セ
ンターが各単産のキャンペーンに対して企画・立案
から、キャンペーングッズの作成、キャンペーン同
士の連携や調整などで単産を援助しています。また、
キャンペーンのための活動家教育をする場合もあり
ます。キャンペーンの企画の段階から関わり、総括
も手伝うこともあります。特定のキャンペーンに関
するトレーニングコースを作り、職場委員、オルグ、
キャンペーン責任者を教育しています。
 『組合の能力を高める』とは組織化の能力を高め
るということで、訓練全体が組織化のスキルをどう
つけるかに直結しています。具体的には、組織拡大・
強化の仕方、組織化方針の作成を手伝っています。
知識、スキル、資源を産別の枠を超えて共有するこ
とが必要だと強調しています」


もちろんこれは、労働組合自身における
学習教育の実践である。

科学的社会主義の基礎理論を普及することを目的の
柱にしている労働者教育協会や各県学習協の運動との
相違はあると思う(その目的自体の再構築も必要だと思う)。

だけれど、いまの学習運動に決定的に欠けている、
いやそういうスキル自体持ち合わせていないのが、
この報告書にあるような「オルグ教育」
「活動家をトレーニングするプログラム」だと思う。

学習運動の中でこうした問題意識を共有できる人が
少ないのも現実だし、
今はぼく自身、そこに投入する時間がとりづらい。

でも、
そういう問題意識だけはとりあえず発信しておきたい。