『当事者主権』(中西正司・上野千鶴子、岩波新書、2003年)
を読み終える。
以下、自分用のメモ。
「当事者とは、『問題をかかえた人々』と同義では
ない。問題を生み出す社会に適応してしまっては、
ニーズは発生しない。ニーズ(必要)とは、欠乏や
不足という意味から来ている。私の現在の状態を、
こうあってほしい状態に対する不足ととらえて、
そうではない新しい現実をつくりだそうとする構想
力を持ったときに、はじめて自分のニーズとは何か
がわかり、人は当事者になる。ニーズはあるのでは
なく、つくられる。ニーズをつくるというのは、も
うひとつの社会を構想することである」(2~3P)
「何を達成するかという理念は、いかに達成するか
という手段やプロセスと切り離せない」(96P)
「当事者とは、周囲から押しつけられるものではな
い。自己定義によって、自分の問題が何かを見きわ
め、自分のニーズをはっきり自覚することによって、
人は当事者になる。したがって当事者になる、とい
うのは、エンパワーメントである」(196~197P)