長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

『官製ワーキングプアの女性たち』

『官製ワーキングプアの女性たち~あなたを支える人たちのリアル』
(竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編、岩波ブックレット、2020年9月)
を読み終える。

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暗澹たる気持ちになる現場からの報告。
会計年度任用職員制度そのものが、働くひとの尊厳を奪うもの。
官製ワーキングプアをジェンダー視点から分析。

「現在ハローワークの非正規相談員は全体の4~8割に増加し、
窓口に座っている相談員のほとんどは非正規です」
「私たちには…労働法もほとんど適用外です」
「どうして日本では声を上げる人が退職しなければいけないのでしょうか」

「最後に、提案します。ストライキをしましょう。
非正規図書館員が仕事を止めると図書館はもう開きません。
働いている人たちは自分たちで自分たちの身を守るしかありません」

「窓口やケアなどの部署は、住民たちの悩みを受け止める
最前線でもあります。ところが、『ジェンダー秩序』や
『短期雇用』によってモノを言いにくい構造に置かれた
女性たちがそこに配置され、住民の苦情は意思決定部門まで
上がっていきません」

「女性非正規公務員が現場から声を上げられるよう
彼女たちを支える労働組合の強化が必要です」


読んで痛感したけど、
構造的に声を上げづらくさせられている人たちのエンパワーメントには、
まさに戦略性が必要だなと。
一筋縄ではいかないからこそ、緻密な運動論が大事になってくる。