長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

心がポカポカした本。

『「大丈夫?」より「ごはん食べよう!」~言葉はなくても伝わるものがある』
(寺内順子、日本機関紙出版センター、2020年11月)を読み終える。

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シングルマザーを応援・支援する「シンママ大阪応援団」では、
過去を問わない、なにも聞かない、意見を言わない。
大事にしているのは、一緒に手づくりご飯を食べること。

琉球大学教員の上間陽子さんは、
「その苦労やその元凶を探しだすことよりも先に、今日1日を
しのごうとしているそのひとのいまを肯定することの方が、
はるかに重要です。スペシャルボックスを送り続け、美味し
いご飯を一緒に食べることは、私はあなたを見続けていると
いうメッセージであり、幾重にもわたるそのひとの存在の承
認なのです」とコメントを寄せている(16P)

シンママ大阪応援団には、2018年4月にオープンした、
誰でも里帰りできる「Zikka」(実家)という居場所がある。
大きなテーブルにどーんと料理が並ぶ。みんなが笑顔になる。
自然にそれぞれが語りだす。美味しいものの力、居場所の力
である。

その「Zikka」で作られた手料理レシピの数々を、本書では
おしげもなく披露。食べた料理の思い出を語るママさんや
子どもさんのコメントもたくさん。ケーキの特別な力は、
シンママさんに教えられたそう。
読んでいると、心がポカポカしてくる。

寺内さんの料理力はもちろんすごいのだけれど、シンプルで、
基本を大事にしているので誰でも真似できそう
(なのに、なかなか同じ味にはならないそう笑)。

ぼくも年に1回程度だけれど、図書カードを寄付させて
いただいている、シンママ大阪応援団。
その活動の真髄を知る上でも、手にとっていただきたい1冊。
ぜんぶカラーで料理写真多数。すてきだ。