長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

組織化こそすべて

夜(4日)は60分de名著の第5講座
「組織化こそすべて―アリシア・ガーザ『世界を動かす変革の力』」でした。
引き続きコロナ拡大で集団視聴が厳しいなか、
リアルタイムで約170人の方が参加。すごいと思います。
講義は盛り込みすぎで後半きつくなってしまいました。反省。次に生かします。

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全体写真撮り忘れ、有志参加のゆる交流タイムの写真です。
この時間もめっちゃ楽しい。
福岡の法律事務所で働くみなさんが、いつもゆる交流残ってくれて、
おもしろい展開にしてくれます(笑)。
あと神奈川土建の相模原支部の人が、
「本を5回読んで今日の講義にのぞんだ」と言われて一同ビックリ仰天。
「神奈川土建は予習するのは当然」と言われてました。すごいぞ。

以下、3人の方の感想をご紹介します。

■アメリカの黒人差別を告発し、人権を回復しようとするブラック・ライブズ・マター運動はすごいなと感じていました。その運動を組織化したガーザさんの物語は、刺激的でした。特に、「一軒一軒訪ねてドアを叩くたびに自分がむくむくと成長しているように感じた」のところは、ちょっと興奮しました。会話するたびに自分自身と社会に対する理解が進んだということは、実践するたびにスキルを上げていったのだと思います。署名運動や仲間増やしで個別訪問をするときのドキドキが、後にパワーとなることだと思います。組織内の仲間と一緒に行動を起こし運動を作り上げているのだと実感できるように、目的を共有してつながることが必要だと思いました。最後に、「変革とは、突然起こるのではなく継続的に献身的に打ち込んでいるから起きるものなのだ。」から、核兵器禁止条約の発効は、ヒバクシャの地道な運動から実現したものだと思いました。
■アメリカの運動がそんなに進んでいるとは知りませんでした。なぜ組織が必要なのか、パワーとは…「コミュニティ・オーガナイジング」の回に続き、言葉の意味を改めて捉えなおすことができた気がします。講義の中でも話されていましたが、組織化の意味の中に、外に向けた「仲間づくり」と内に向けた「育成」の要素があり、この「育成」の中に実践が多く含まれていることが特徴なのかなと思いました。また、お互いにケアし合うことが大事とのこと、本当にそうだと思います!頑張りすぎてしまったり、相手のことを思いやる余裕がなくなって孤立してしまっては、自分自身が組織にいることを継続できなくなるかもしれません。組織を維持することが目的とならないよう、運動の目的を今一度共有し、「なんのために」自分はここにいて行動するのか、それぞれの原点をみんなと共有したいと思いました。
■印象に残ったのは、今、アメリカでの労組結成の動きについて。研修を積んだオーガナイザー達が一定の層いるという話でした。日本では労働組合運動は下火の一方ですが、アメリカでは、新しく労組を結成する、しかも大掛かりな労働組合です。否決されたりもしていました。しかし、多発的に労組結成運動がされているようにも思えました。一部の報道の範囲ですが……。やはり、労組結成のその裏に何があるのかをしっかり見ていかないといけないと思いました。あと、長久さんも言っていましたが、その研修の中身がロールプレイングを用いているところに注目すべきだと思います。座学でいくら手順を学んでも、実際にできるようにはならないと言うことです。水泳で息継ぎを体得するように、自転車に乗るときのバランスを体得するように、1000人以上と話をしていろんなパターンの対話を積み重ね、聞き入ってみたり、よくある話題やレアな話題、それらに対応する話し方や内容について、実践していくことで、オーガナイザーとしての力を身につけていくことが不可欠だと思いました。