長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

反核運動の歴史と被爆者のたたかい

28日(金)夜は、オンライン学習会
「反核運動の歴史と被爆者のたたかい」でした。
リアルタイムで35名の参加でした。

受講動機交流や感想交流がとてもよくて、
学びあいがあったと思います。
被爆者のたたかいに焦点をあてての学習会で、
みなさん新鮮に受けとめていただいたようです。

講義のおもな内容は以下。
・唯一の戦争被爆国である日本
・被爆体験の「記憶」と、被爆証言について
・被爆体験を語れなかった「空白の10年」
・真実を隠し続けたアメリカ、核戦争の危機
・1954年3月1日―ビキニ事件
・反核運動の世論の高まり、第1回原水爆禁止世界大会
・日本原水爆被害者団体協議会の結成―結成宣言を読む
・反核運動のなかで、被爆者が果たした役割~山口仙二さんの歩みからみる~
・日本被団協のあゆみ―ふたたび被爆者をつくらないために
・核兵器禁止条約への道―空気を変えた被爆者の証言
・人間を取りもどす―被爆者の苦悩と生き方
・1人ひとりが「第2走者」として

3人の感想をご紹介します。

■今回のお話で、被爆者の方々が人間としての尊厳を
取り戻していった道筋が分かりました。戦争、原爆の被害の
悲惨さに焦点を当てた学びはこれまでもしてきましたが、
このような角度での学びは新鮮でした。言葉の持つ意味を
考えさせられました。「原爆は嫌だ」これほどシンプルな
言葉に被爆者がたどり着くまでに10年を要したということ。
ひとり胸の内では思っていても、この言葉のもとに集まる、
つながることができて、「私たちは急に元気づいてまいりました」
「『復活』ともいうべき気持ちを感じています」となる。
怖がっている人から怒る人になる。今の私たちにまっすぐ
つながっていると感じました。奴隷解放や障害者の運動、
労働者の闘いなど、それだけでなくいじめやDVといった問題も、
人間をとりもどす道筋は同じなのだと思いました。

■今回の講座も大変勉強になりました。また、混沌とした
世界の情勢の今だからこそ、核の非人道性について一人でも
多くの人が、自分事として考えなければならないのだと
あらためて実感しました。被団協結成宣言の言葉にとても
感動しました。昨年のノーベル平和賞受賞の際の田中さんの
スピーチもこころうたれました。サイレントマジョリティーに
ついて考えさせられた瞬間でもありました。〈さいごに〉の、
「常に人間を否定する力としてのみ働く原爆と、それに抗って
生きていこうとする人間と、その二つの力のつばぜり合いとして
被爆者をとらえなくてはならない」この視点を忘れず、すこし
気を引き締めて、今後も被団協の活動に微力ながらもかかわって
行きたいと思います。貴重な学習会を企画実施いただきまして
ありがとうございました。

■夫が転勤族だったため、広島に住んでいたことがあります。
8月6日を迎える前の1か月ほどは広島全体が何ともいえない
独特の雰囲気にそまります。もちろん当日も。80年前に
被爆された方の、思い出すだけで体調が悪くなるほどの体験。
だけど語ってくれている。それがどれほどのことなのか、
考えてしまいました。そして、被爆者は最初から高齢者だった
わけではなく、少年、青年、乙女だった。そんな市井の人々が、
立ち上がった。世界大会での衝撃はどれほどのものだったでしょうか。
自らを救い、人類を救う。本当に人間の精神を超えているとも思われ、
人間ってすごいと思いました。公民館職員として何ができるのか。
伝えることができるのか。今年、そしてこれから何ができるかを、
一緒に参加した同僚と話ながら帰りました。とりとめもないですが、
ありがとうございました。