長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

美術館へ、知の逆転、生活保護とあたし

最近読み終えた本。


 

『美術館へ行こう』(草薙奈津子、岩波ジュニア新書、2013年3月)

 

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平塚市美術館の館長であり学芸員の著者が、

美術館のあれこれの仕事、

展覧会を企画するプロセスなどを解説。

 

そんな苦労があるんですねえ、の1冊。

美術館行くの好きです。さらに視点が深まります。

 

 

 

『知の逆転』(吉成真由美インタビュー・編、NHK出版新書、2012年)

 

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サイエンスライターの吉成氏が、

その道の知識人・学者にインタビューしたものを1冊に。

 

*ジャレド・ダイアモンド

*ノーム・チョムスキー

*オリバー・サックス

*マービン・ミンスキー

*トム・レイトン

*ジェームズ・ワトソン

 

の、6人。

 

全体的にはイマイチだったような・・・。

でもおもしろいところもたくさんありました。

以下、メモです。

 

「垂れ流しの情報があってもそれは情報がないのと

変わりません。何を探すべきかを知っている必要が

ある。そのためには、理解あるいは解釈の枠組み

というものをしっかり持っていなければならない」

(ノーム・チョムスキー)

 

「ポジティブな平和な時間というものは芸術や科学の

基盤」              (オリバー・サックス)

 

「最も生徒を生き生きと興奮させるのは、先生の情熱

です。たとえば私の生物の先生から何よりもよくわれ

われ生徒に伝わってきたのは、その先生がいかに

自然や動物が好きか、どんなにそのことを話すのが

楽しくて仕方がないかという、情熱でした。これは大

きな問題です。教育は消極的であってはならない。

もっと積極的に好奇心や想像力、心の自立という

ことを刺激するべきだと思います」(オリバー・サックス)

 

「『ゆっくりさ』というのが重要で、よく考えますし、考

えを洗練させることができる」 (オリバー・サックス)

 

「自分のアイディアというものを他の人と議論して

批判してもらうことが大切です」(ジェームズ・ワトソン)

 

「自分の領域の外に出ていって時間を使って学ぶ」

 (ジェームズ・ワトソン)

 

 

  

『生活保護とあたし』(和久井みちる、あけび書房、2012年)

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生活保護受給者としての体験をもとに、

その日常と、バッシングへの危惧を語った1冊。

 

こうして本にすることは、あらたなバッシングを

受けることも覚悟したうえでのこと。

「当事者の声」を知ってほしいという強い思いを感じた。

 

著者の、ひじょうにこまやかな他者への気配りを感じる。

この想像力は、読書好きからきているのだろうか。

 

当事者の声として貴重な内容。知ってほしい。

生活保護の制度のあらましも学べる。