長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

読書記録

練習が足りないだけ

『ヘルシンキ 生活の練習』(朴沙羅、筑摩書房、2021年11月)を読了。 日本で生活していた社会学者が、フィンランドのヘルシンキに移住してからの生活記録と考察。読みやすいタッチで、お子さんとのやりとりも関西弁で面白い。タイトルの「生活の練習」の意…

『問いかける技術』メモ

『問いかける技術~確かな人間関係と優れた組織をつくる』(エドガー・H・シャイン、原賀真紀子訳、金井壽宏監訳、英治出版、2014年)を読み終える。 関係構築・チーム構築における「謙虚に問いかける」姿勢の価値と役割、という視点で読む。これも、これま…

心理的安全性について。メモ。

最近、心理的安全性に関する本を2冊読みました。心理的安全性の重要性は認識して語ったりもしていましたが、より具体的にイメージと整理ができそうな学びでした。『恐れのない組織~「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(エイミー・C…

8月に読んだ本

8月に読んだ本です。といっても、曽根が亡くなってからはまだ1冊も読めてません…。新聞や雑誌は読んでますけど。以下、すべてTwitterからそのまま転用です(横着ですみません)。『フェミニズムの政治学』(岡野八代、みすず書房、2012年)副題は「ケアの…

広島平和記念資料館は問いかける

『広島平和記念資料館は問いかける』(志賀賢治、岩波新書、2020年)を読み終える。資料館前館長が、原爆資料館の波乱の歴史と、2019年に全面更新された展示のコンセプトを綴る良書。とくに、初代館長・長岡省吾氏の執念の資料収集は初めて知った。また、機…

老いて何が悪い!

『NHK 100分de名著 ボーヴォワール 老い 年齢に抗わない』(上野千鶴子、NHK出版、2021年7月)を読み終える。 現代社会において老人は人間として扱われていない。この怒りがボーヴォワールの執筆動機だそう。上野さんが日本のこととも噛み合わせながら、上手…

今年は151冊でした。

最近読んだ本(写真)。今年は151冊で終了です。コロナ禍で仕事に余裕があっため、必要にせまられての読書は減りました。小説が増えましたね。 『きみはいい子』(中脇初枝、ポプラ社、2012年)児童虐待を軸にした5つの短編なのだが、それぞれの登場人物が…

ジャンプ、詰むや、魔女、コーヒー、急に、白ゆき

最近読み終えた本。とくに仕事での課題学習もないため、軽めのもの中心です。『ジャンプして、雪をつかめ!』(おおぎやなぎちか作・くまおり純絵、新日本出版社、2020年11月) 児童文学。両親の離婚を機に、東京から青森に引っ越してきた小学5年生。雪と寒…

ケア、防災、いいこと、コロナ、アルコール

最近読み終えた本。『ケアするのは誰か?~新しい民主主義のかたちへ』 (ジョアン・C・トロント著、岡野八代訳・著、白澤社、2020年10月) フェミニズムの立場からケアや民主主義を問い直す論考と問題提起。トロントのケアの定義が広くて新鮮だった。ケアの普…

書評:鎌田華乃子著『コミュニティ・オーガナイジング』

≪これ読んでください、と言える本の登場≫ 労働組合とはそもそも、というお話をさせていただく機会が多い。労働組合の目的や役割、その歴史などを知れば、参加者は「よく理解できました」となる。同時に、レジュメにも書いて強調する点がある。こんな話である…

相変わらずなんの系統性もない、乱読。

最近読み終えた本。といっても、しばらく紹介してなかったので、たまってしまいました。本の表紙は省略で、字だけです。『市民とジェンダーの核軍縮―核兵器禁止条約で変える世界』 (川田忠明、新日本出版社、2020年9月)前半は国際政治の舞台で市民社会(NG…

1対1の対話は、もはやあたりまえではない。

『コミュニティ・オーガナイジング』(鎌田華乃子、英治出版、2020年11月)を読み終えました。で、内容をより消化するために、もう1回精読してから紹介書きます(こんなことは珍しい)。読みながらワクワクして、「あの人にもこの人にも読んでもらいたい」と…

心がポカポカした本。

『「大丈夫?」より「ごはん食べよう!」~言葉はなくても伝わるものがある』(寺内順子、日本機関紙出版センター、2020年11月)を読み終える。 シングルマザーを応援・支援する「シンママ大阪応援団」では、過去を問わない、なにも聞かない、意見を言わない…

コミュニティ・オーガナイジング入門本

『社会はこうやって変える!~コミュニティ・オーガナイジング入門』(マシュー・ボルトン著、藤井敦史・大川恵子・坂無淳・走井洋一・松井真理子訳、法律文化社、2020年9月)を読み終える。 イギリスの市民活動家による社会変革の技術書。コンパクトです。…

明子の、国際人権、星空、読書会、国対、社員が、人新世

最近読んだ本。『明子のピアノ』(中村真人、岩波ブックレット、2020年7月) 19歳で広島の原爆によって亡くなった河本明子さんのピアノ(いわゆる被爆ピアノ)をめぐって、多くの人が織りなす物語。世界的ピアニスト、アルゲリッチが明子さんのピアノを弾く…

神の島のこどもたち。沖永良部島の物語です。

『神の島のこどもたち』(中脇初枝、講談社文庫、2020年8月)を読み終える。これが今年100冊目~。 「神に守られた島」と「神の島のこどもたち」の既刊2作品を文庫化。前半読んでて、なんか読んだことある内容だな…と思って検索したら、2年前に単行本で読ん…

沖縄からの本土爆撃

最近読んだ本。『沖縄からの本土爆撃~米軍出撃基地の誕生』(林博史、吉川弘文館、2018年) 米軍の沖縄戦そのものが、日本本土進攻のために出撃基地確保という目的をもっていた。4月1日の上陸後、すぐさま滑走路の接収・整備・拡張が行われ、沖縄戦の真っ…

沢山さんの新刊です。

岡山労働学校などで以前、数回講演いただいた沢山美果子さんが、岩波新書から新刊を出されました(8月刊)。 『性からよむ江戸時代~生活の現場から』(820円+税)です。江戸時代の人々の性意識や規範を、史料から丁寧に読み解いています。現代の価値観から…

『ブラックウェルに憧れて』を読む

土曜日(19日)は相方が調子イマイチで(痰が多く)、午後の会議も休ませてもらい、1日オウチに。といってもヘルパーさんいるのでひとり介護ではないですが。そんなわけで一気に『ブラックウェルに憧れて』(南杏子、光文社、2020年7月)を読み終えました…

いつものように乱読

最近読んだ本。 『「知識基盤社会」論批判―学力・教育の未来像』 (佐貫浩、花伝社、2020年3月)いつものように、佐貫さんはラディカル。「この本で展開した論理は…今日の経済学と教育学をつなぐ一つの挑戦」と述べられている。グローバル資本によって歪めら…

『官製ワーキングプアの女性たち』

『官製ワーキングプアの女性たち~あなたを支える人たちのリアル』(竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編、岩波ブックレット、2020年9月)を読み終える。 暗澹たる気持ちになる現場からの報告。会計年度任用職員制度そのものが、働くひとの尊厳を奪うもの。官…

『深夜航路』とはいかに。

おもしろい本を読んだ。たまたま本屋で出会った掘り出し物である。『深夜航路~午前0時からはじまる船旅』(清水浩史、草思社、2018年)である。 といっても、私の趣味のど真ん中ストライク、の内容だから、興味のわかない人も多いかもしれない。そういう人…

おもに住まい本が多かった

最近読み終えた本。『「高学歴ワーキングプア」からの脱出』(水月昭道、光文社新書、2020年5月) この問題に興味があったというより、『子どもの道くさ』の著者の本、ということで手に取った。軽妙なタッチで書かれてはいるが、いやはや、たいへんな世界で…

5月に読んだ本たち

5月も、基本的に軽い読み物ばかりでした。でも、仕事にもきっと活きてくる、と思えるものも多く。以下、読んだ順にぜんぶ紹介します。おすすめ度を★の数(5点満点)でつけます。 『共産党入党宣言』(小松泰信、新日本出版社、2020年)★★★とある講義準備の…

4月に読んだ軽めの本たち

前にちょっと書きましたが、4月は軽い読み物しか読んでいませんでした。以下、読んだ順に、ぜんぶ紹介します。おすすめ度を★の数(5点満点)でつけておきます。 本の表紙も、面倒くさいのでまとめて。『詩人の旅 増補新版』(田村隆一、中公文庫、2019年)★…

キレの、病気は、あやうく、みんなの、これからも

最近読み終えた本。『「キレ」の思考 「コク」の思考』(村山昇、東洋経済新聞社、2012年) 先日読んだ、同じ著者の『働き方の哲学』の様々な図解やモデル図は、こうした思考から生まれているんだなと確認。ものごとの本質にせまる、抽象化の作業は、とても…

『それを、真の名で呼ぶならば』

『それを、真の名で呼ぶならばー危機の時代と言葉の力』(レベッカ・ソルニット、渡辺由佳里訳、岩波書店、2020年1月)を読了。 読みごたえのあるエッセイであった。著者は米国の作家・歴史家・アクティヴィスト。物書きであり、活動家である。「まえが…

ゴミ清掃員、働き方、働く、基礎理論、戦後日本、雇われないで

『ゴミ清掃員の日常』 (原作/滝沢秀一、まんが/滝沢友紀、講談社、2019年) これは良かった。生活の匂いがする漫画。ゴミ清掃員さんのお仕事、社会のゴミ事情もよくわかる。オットが主人公の漫画を妻が描くのもスゴイ。『働き方の哲学』(村山昇著、若田…

個人的なことから普遍がみえる

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 (プレイディみかこ、新潮社、2019年)を読み終える。 プレイディさん、安定のおもしろさ。読みやすさ。11歳の息子さんとの会話が羨ましい。こんなに対等な議論ができるのが、さすがだなと。英国の地べたの…

「彼らを信頼すれば、未来はいつでも明るい」

『古くてあたらしい仕事』(島田潤一郎、新潮社、2019年)を読み終える。 久しぶりに「本らしい本」を読んだなあという読後感。著者(ひとり出版社を営む人)の仕事への姿勢や、文体から伝わってくる人柄に、背中を押された。勇気がわいてきた。ぼくもマイナ…