最近読んだ本。
『明子のピアノ』(中村真人、岩波ブックレット、2020年7月)
19歳で広島の原爆によって亡くなった河本明子さんの
ピアノ(いわゆる被爆ピアノ)をめぐって、多くの人が織りなす物語。
世界的ピアニスト、アルゲリッチが明子さんのピアノを弾く動画もみた。
現在、レストハウスに常設展示。
『国際人権入門―現場から考える』(申惠丰、岩波新書、2020年8月)
わかりやすい。日本の狭い枠のなかで人権を考えていてはダメだし、
世界の取り組みに励まされる。
外国人の人権、人種差別、女性差別、学ぶ権利などの具体例を通して、
国際的な人権条約の視点から日本の現状を照らす。
『すべての人に星空を~「病院がプラネタリウム」の風景』
(髙橋真理子、新日本出版社、2020年9月)
すてきな活動、熱い人たち。病院にいながら星空をみて
もらうという取り組みを通じて生まれるつながり。
胸がなんども、ジンとなった。
そして、外で寝そべり、ただ星を眺めたくなった。
『読書会入門~人が本で交わる場所』(山本多津也、幻冬舎新書、2019年)
学習運動に役立つことは特段なかったが、読書会したいなー!
というモチベーションにはつながった。
「本を読む」ことへのハードルを下げる、という著者の姿勢は大事。
読書の価値をたくさんの人に味わってほしい。
『国対委員長』(辻元清美、集英社新書、2020年9月)
かなり面白い。国会内の政党間、あるいは官邸との駆引き・
闘いがリアルに知れます(書けないことも多々あると思うが)。
数のうえでは少数の野党が、異常で異質な安倍政治と
どう向き合っているのか。自民党重鎮の発言なども興味深い。
『どうやって社員が会社を変えたのか』
(柴田昌治・金井壽宏、日経ビジネス文庫、2017年)
いすゞ自動車の組織変革に携わった渦中の人たちが語るストーリー。
面白く、いくつか参考になるところあり。
社会運動や労働組合などとはスタートラインや困難さが違うが、
組織変革は重要テーマだ。
『人新世の「資本論」』(斎藤幸平、集英社新書、2020年9月)
資本というものの本質がよくわかる。
気候変動がもたらす時代への危機感と未来社会の構想にも共感。
マルクスの読み方も新鮮。
こうした議論がもっともっと日本で沸き起こってくるといいな。
もちろんぼくも資本と闘う1人になる。
かなり刺激的な内容なので、もう1回、精読して受けとめを整理したい。