長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

2024年もどうぞよろしくお願いいたします。

大晦日から、何もない日々を過ごしました(笑)。

本当は昨日(2日)山登りしようと思っていたのですが、
能登半島地震の報道で神経が張ってしまい、そうした気分になれず…。
1日にクレールで映画『市子』観たのと、
紅白をオンデマンドでみた以外は、家で本読んでました。

■『のんのんばあとオレ』(水木しげる、講談社漫画文庫、1997年)
これは傑作。水木しげるの原体験風景。のんのんばあと、
父の言葉が(ときどき)深く示唆に富む。ユーモアや胆力も。
随所に登場する妖怪たちも愛らしい。死が近い、死との境界で生まれる
考えや思想は私たちの生き方を楽にしてくれる。

■『部屋づくりの法則』(高原美由紀、青春出版社、2023年)
先日赤旗新聞で著者の記事を読み、「空間デザイン心理学」に
興味引かれ本書も購入。空間が人間に与える影響は
「会議をデザインする」などで強調してきたので納得の部分が多かった。
終章で著者の哲学も語られていて説得力あり。

■『ルーツのある子どもたち 民族学級という場所で』
                (洪里奈、クレイン、2022年)
恥ずかしながら、民族学校と民族学級の違いすら認識がなかった。
「在日朝鮮人」当事者(3世)である著者の民族学級フィールドワーク。
真摯な実践と苦悩、民族学級という場のもつ意味。
「ルーツ」という言葉や名前の意味や変遷。知れてよかった。

■『真のダイバーシティをめざして 特権に無自覚な
マジョリティのための社会的公正教育』(ダイアン・J・グッドマン著、
出口真紀子監訳、田辺希久子訳、上智大学出版、2017年)
もっと早く読んでおけばよかった。特権に関する本かと
思っていたけど、内容の大部分は特権集団に対する教育方法と実践、
教育者の心構えについてだった。それがよかった。
労働者教育にも役立つ学び多し。新年早々いい本読んだ。

■『これからの建築 スケッチしながら考えた』
              (光嶋裕介、ミシマ社、2016年)
建築家の方の本を読むのは昔から好き。すぐれた建築家は、
人間や社会のありようと建築の関わりをつねに考え、
幅広い教養も兼ね備える。真摯に「空間と対話する」11話。
とても読みやすく、楽しく、共感多い1冊だった。