『どぶ川学級』(須長茂夫、労働旬報社、1969年)を読み終える。
まーちょっと変わった立場からの教育実践でした。
教育については素人である著者(労働者)が
労働組合に支えられながら、労働者のこどもたちに
「勉強」を教えていくなかで成長していく。
主権者として労働者としての立場や視点、
学校の自治とはなにかをこどもたちと模索する。
「学力」「学校」「労働者的視点」を問い、考え、
集団として成長していく「どぶ川学級」の実践は、
いま読んでも面白い。
もちろん時代を感じる部分は多々あったけど。
映画化もされたそうだけれど、見ていない。
『オランダ流ワーク・ライフ・バランス
ー「人生のラッシュアワー」を生き抜く人々の技法』
(中谷文美、世界思想社、2015年)を読み終える。
パートタイム労働(日本と違い短時間労働の正社員という意味ね)が
人々のあたりまえの選択肢としてあるオランダ。
しかし、たった30年前ぐらいまでは、ジェンダー規範が
根強くあり、夫が家族を養い、妻は専業主婦という
パターンがオランダ社会の多数派だったというから、意外なおどろき。
そこから、「仕事」も「子育て」も「自分の大切なこと」も
という「バランス」「組み合わせ」を自分の意思で
柔軟に変化させることのできる社会にどのように変化したのか。
興味深いルポと考察。
まー、基本残業がない(あっても少ない)というのが、
日本との決定的差であると感じますけど。
著者は岡山大学の先生なので、いちど労働学校などで
講師もお願いできないかなーと考えている。
『だけじゃない憲法~おはようからおやすみまで暮らしを見つめる最高法規』
(種田和敏、猿江商會、2015年)を読み終える。
若手の弁護士さんが、9条“だけじゃない”憲法の
「すごさ」をとことん平易に説明。小学生でも読めると思う。
生活目線の切り口も好き。
憲法の条文は歴史のなかで生まれ、
暮らしを支えていることがわかる。
しっかし、有能で人権感覚にすぐれた若い弁護士さんが、
最近とっても増えているように思うのですが、
じっさいにはどうなんでしょうね。
タイトルの「だけじゃない憲法」っていうのも、すごくいいと思う。
「だけじゃない労働組合」って本、どうかな。書けるかな。