長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

生協労連マスターズ交流会で講演

土曜日(1日)は、滋賀のおごと温泉へ。
2年ぐらい前にも、おごと温泉で生協労連の近畿ブロックの集会に
来たことがあり、2回目。いろいろ思い出しました。

今回も、生協労連。第10回マスターズ交流会でした。

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会場のお宿。

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2日間にわたる交流会の冒頭の講演のお役目でした。
「定年までイキイキ働くための労働組合活動のススメ」を
テーマに、75分しゃべる。

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50数名の参加。ほとんど男性で、女性は5名と1割。
それでも昨年より増えたんだそう。この勢いで。

話は、相方の病気と介護から始まり、
何歳まで生きたいかの質問と交流、時間をめぐる階級闘争、
生活と社会保障、若い世代へのバトンタッチの問題提起など。

温泉につかりたかったですが、お役目終了後すぐに帰路へ。
またの機会をじっと待ちましょう。

以下、講演の最後の部分のレジュメを紹介します。


4。若い世代へのバトンタッチへの模索―自らも成長しながら
 ◇教育は「重要だけどあとまわしになりがちな活動」
  *どんな組織でも、人間の集まりである以上、「教育」という
   営みがある。教える、育ちあう、学びあう、高まりあう。そ
   れなしには組織は生き生きしないし、目標の達成はおぼつか
   ない。でも教育それ自体が目的にはならない。すぐに効果も
   でない。
 ◇決定的に大事なのは、コミュニケーション。伝えあいの質。
  *意識的な対話活動―基本は1対1の対話。話を聞こう。信頼の基礎。
  *学びの保障―とくに新人教育の大事さ。
         学びは人に勇気をあたえ、人を自由にする。
 ◇「餌まき」―いろいろな種類の「餌」を用意しておいて、食い
  つくのを待つ。その人その人で、どれにひっかかるのかは予想
  できない。「やる気になるスイッチ」は多様。
 ◇育てる人以上に、自分が自分の成長に貪欲か。熱をもつ。
 ◇問題意識を聞く。場をつくる。議論する。納得を引き出す。
  信頼される。尊敬される。

   ■『学習する組織-現場に変化のタネをまく』
              (高間邦男、光文社新書、2005年)
  *著者の高間氏が、NTT東日本の法人営業本部の役員に、イン
   タビューしたときのこと。「戦略は何ですか」と聞いたら、
   「学習機会をつくる」というのが答えの一つとして返ってた。
   「学習機会とは何ですか」とふたたび聞いたところ、その役
   員は、「それはピカピカ光る背中を持つ人間の周りをウロウ
   ロできることですよ。しかし問題は、ピカピカ光る背中を持
   つ人間が法人営業に20人しかいないことかな」と言ったそ
   うです。
   著者はその答えに驚かされて、また納得し、こう書いています。
   「人は自分の接する社会、つまり周囲の人や本、インターネッ
   ト、様々な経験などから主体的に学習する。その中でも他者と
   の相互作用から一番多くを学ぶと私は思う」「問題は、ピカピ
   カ光る背中を持つ人間に運がよくないとめぐり合えないことで
   ある」
  *つまりどんな人と一緒に働いているか、出会うか、活動できるか

 ◇育ちあう場の前提条件は、安心して意見表明できる人間関係・空間。
  *しかし、組織のなかにはさまざまな「力」が働いている。上
   司と部下。役職とそうでないひと。先輩と後輩。年齢。知識
   のあるなし。経験のあるなし。雇用関係。ジェンダー。強者
   と弱者、声の大きいひと小さいひとがかならずいる、という
   ことを認識する。
  *人間集団の力関係を完全にフラットにすることはできない。
   そして若い世代は訓練機会が希薄。活動の経験も少ない。
   トレーニング不足。1歩1歩経験をつみあげる。
  *職場や組織のなかの関係性がよくなると、自己を否定される
   恐れがなくなるので、その場が安全になる。様々な異なる意
   見が提示される。議論が生まれる。


以上。