土曜日(1日)は、滋賀のおごと温泉へ。
2年ぐらい前にも、おごと温泉で生協労連の近畿ブロックの集会に
来たことがあり、2回目。いろいろ思い出しました。
今回も、生協労連。第10回マスターズ交流会でした。
会場のお宿。
2日間にわたる交流会の冒頭の講演のお役目でした。
「定年までイキイキ働くための労働組合活動のススメ」を
テーマに、75分しゃべる。
50数名の参加。ほとんど男性で、女性は5名と1割。
それでも昨年より増えたんだそう。この勢いで。
話は、相方の病気と介護から始まり、
何歳まで生きたいかの質問と交流、時間をめぐる階級闘争、
生活と社会保障、若い世代へのバトンタッチの問題提起など。
温泉につかりたかったですが、お役目終了後すぐに帰路へ。
またの機会をじっと待ちましょう。
以下、講演の最後の部分のレジュメを紹介します。
4。若い世代へのバトンタッチへの模索―自らも成長しながら
◇教育は「重要だけどあとまわしになりがちな活動」
*どんな組織でも、人間の集まりである以上、「教育」という
営みがある。教える、育ちあう、学びあう、高まりあう。そ
れなしには組織は生き生きしないし、目標の達成はおぼつか
ない。でも教育それ自体が目的にはならない。すぐに効果も
でない。
◇決定的に大事なのは、コミュニケーション。伝えあいの質。
*意識的な対話活動―基本は1対1の対話。話を聞こう。信頼の基礎。
*学びの保障―とくに新人教育の大事さ。
学びは人に勇気をあたえ、人を自由にする。
◇「餌まき」―いろいろな種類の「餌」を用意しておいて、食い
つくのを待つ。その人その人で、どれにひっかかるのかは予想
できない。「やる気になるスイッチ」は多様。
◇育てる人以上に、自分が自分の成長に貪欲か。熱をもつ。
◇問題意識を聞く。場をつくる。議論する。納得を引き出す。
信頼される。尊敬される。
■『学習する組織-現場に変化のタネをまく』
(高間邦男、光文社新書、2005年)
*著者の高間氏が、NTT東日本の法人営業本部の役員に、イン
タビューしたときのこと。「戦略は何ですか」と聞いたら、
「学習機会をつくる」というのが答えの一つとして返ってた。
「学習機会とは何ですか」とふたたび聞いたところ、その役
員は、「それはピカピカ光る背中を持つ人間の周りをウロウ
ロできることですよ。しかし問題は、ピカピカ光る背中を持
つ人間が法人営業に20人しかいないことかな」と言ったそ
うです。
著者はその答えに驚かされて、また納得し、こう書いています。
「人は自分の接する社会、つまり周囲の人や本、インターネッ
ト、様々な経験などから主体的に学習する。その中でも他者と
の相互作用から一番多くを学ぶと私は思う」「問題は、ピカピ
カ光る背中を持つ人間に運がよくないとめぐり合えないことで
ある」
*つまりどんな人と一緒に働いているか、出会うか、活動できるか
◇育ちあう場の前提条件は、安心して意見表明できる人間関係・空間。
*しかし、組織のなかにはさまざまな「力」が働いている。上
司と部下。役職とそうでないひと。先輩と後輩。年齢。知識
のあるなし。経験のあるなし。雇用関係。ジェンダー。強者
と弱者、声の大きいひと小さいひとがかならずいる、という
ことを認識する。
*人間集団の力関係を完全にフラットにすることはできない。
そして若い世代は訓練機会が希薄。活動の経験も少ない。
トレーニング不足。1歩1歩経験をつみあげる。
*職場や組織のなかの関係性がよくなると、自己を否定される
恐れがなくなるので、その場が安全になる。様々な異なる意
見が提示される。議論が生まれる。
以上。