長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

労働時間とはなにか!

きのう(25日)は、倉敷医療生協労組で
「超入門!ろうどうくみあい講座」の2回目でした。

 

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テーマは「労働時間とはなにか」。

労働組合事務所を会場に9名が参加し、講義と感想交流。

若い人の感想が新鮮ですね~☆

 

来月は「賃金とはなにか」です。

 

 

 

講義の概要は以下。

 

 

一。時間ってなんだろう。

 1。人間にとっての時間の意味

  ◇時間のなかで生きている(変化・過程のなかで未来にむけて生きる)

  ◇時間を認識できる(計画が可能、約束ができる、時間を決めて集まれる)

  ◇手持ち時間(寿命)は限られているが、過去や未来ともつながれる

(過去から学べる、未来へ伝えることができる)

 

 2。時間は、わたしたちの発達の場であり、人間らしさを取り戻す場

  ◇人間の潜在的な力を発達・発揮させる土台

  ◇人間関係をつくる、ひとり時間の確保、旅をする

  ◇ぼんやりとすること

 

   ■自由につかえる時間を増やすことの大事さ(ほんとうの豊かさの基礎)

 

 

二。労働時間をめぐる歴史と現在

 1。働くことは、人間の生存にとって欠かせない(労働時間をゼロにはできない)

◇衣食住やさまざまな生活用品・文化…。生産と流通。教育やケア。

 

 2。働く時間の歴史的変遷

◇資本主義社会以前…

◇産業革命による変化

 

 3。労働時間はどこまで伸びるか

◇1日24時間…。ここから、寝る時間+生理的時間を引くと…。

◇雇った側の権利vs雇われる側の権利

 

労働時間は、雇う側と雇われる側の力関係によって決まる!

 

 4。労働時間を制限させる法律を闘いとってきた労働者と労働組合

◇イギリスの労働者たちのたたかい

◇1886年5月1日。アメリカ。メーデー。8時間労働制を求めて。

◇ILO(国際労働期間)第1号条約(1919)

◇有給休暇の獲得

◇労働者の立場が弱くなると、労働時間はどんどん伸ばされる

 

 

三。なぜ日本の労働時間は長いのか(処方せんを考える)

 1。残業大国ニッポン

◇日本の異常な長時間労働

   ◇残業規制が弱すぎる。

◇情報通信技術の発達、経済活動の24時間化。

◇賃金不払労働時間(サービス残業)がまん延

 

 2。有給休暇は取得率50%をきる

◇バカンスって、なんの話?

◇ILO(国際労働機関)の有給休暇の規定は年間3週間

(うち2週間はまとめて)

 

3。労働力の適正な回復のために(前回のおさらい)

◇わたしたちは、労働力を売り続けないと(雇われ続けないと)

生きていけない

◇労働力商品は、自分の生命活動と一体化。

かけがえのない唯一の「売り物」。

◇適切に労働力を長持ちさせ、再生産できる「働き方」でなければならない。

◇「労働力の酷使=命の酷使」

◇労働法(働くルール)がある根本的理由。

健康であることの資本主義的意味。

◇働きすぎると病気に。最悪の場合、過労死・過労自殺。

 

 4。処方せんを考える

  ◇EU加盟国の場合

  ◇法律を勝ちとること(労働基準法の抜本的改正)

  ◇労働組合が強くなること(労働者の立場を強くする)

  ◇「まともな労働時間」への国民的合意(自分と家族の時間を大切にする)

 

 

以上。

 

 

参加者の感想文です!

 

◆定年までにバカンスをかちとりたいと思いました!

 

◆労働において時間はとても大切だが、自由時間が

 なければ労働意欲が低下し、全体の仕事量も減るので

 悪循環だと思う。私自身、決められた業務があるなかで、

 祝日や別の業務を任されることで時間が足りなくなり、

 残業をしている。フランスを見習って有給を積極的に

 取りたいと思います。

 

◆有給がとれるような形になれば・・・と思うけど。

 休日、長いバカンスが取れるといいな!

 

◆時間にしばられるのがキライで本当は携帯いらないと

 思ってます。でもないと仕事上ではじまらないですからね。

 

◆現在はリハビリも就職難です。働く自分の権利を考える

よりも、働かせてもらっているという考え方でした。自分の

 時間の獲得の大切さがよく学べました。

 

◆今、本当に休みたい・・・1人になりたい・・・ブラッとしたい。

 

◆自分では当たり前と思っていた労働環境が、世界の

 流れでみると異質なものであると知り、外国の労働環境が

 うらやましく思いました。少しでも自分の時間が増えるよう、

 意識して働くことが大事だと思いました。

 

◆労働時間は、労働者を死にいたらしめることもできる。

 その意味を実際のところをもっと知らないといけない。

 1000円のベアでは程遠いところにいることを、改めて

 考えさせられた。

 

◆「人間らしく働き続けられる職場づくり」。ヨーロッパに近づけたい!