長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

『死を前にした人にあなたは何ができますか?』

『死を前にした人にあなたは何ができますか?』
(小澤竹俊、医学書院、2017年8月)を読み終える。

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著者はホスピス医。これまでも小澤先生の著書は
何冊も読んできて、多くのことを教えてもらった。
とくに解決できない苦しみを抱える人への
寄り添い方や援助方法などが、とても参考になる。

本書は医療従事者向けの本だけれど平易に
「死を前にした苦しみ」にどう寄り添うかが
かなり「技術化」された形で語られているので、
誰でも学ぶことができる。


以下、自分用のメモ。

「選ぶことのできる自由を知るためには、その逆を
考えるとよいでしょう。その大切さが見えてきます。
私たちが当たり前と思う1つひとつのことを、もし
選べなかったとしたら、いかに大きな苦しみとなる
、考えてみましょう。
 たとえば毎日同じ食事のメニューしか選べなかっ
たら、きっと嫌な気持ちになるでしょう。自由に
外出したいのに、いつも決まった場所でしか過ごす
ことができなければ、不自由であり、苦しいと感じ
ることでしょう。1人の人間として、食事のメニュー
を選んだり、好きな場所に出かけたりしたいという
ことは、選ぶことができる自由であり、基本的人権
です」(63P)

「人生は選択の連続です。どの学校に行くのか、理
系・文系どちらを選ぶのか、どの仕事を選ぶのかな
ど、私たちは子どもの頃から選び続けてきました。
そして、人生の最終段階でも、選ぶことが求められ
ます。
 今、自分の人生の最終段階を想像するのは難しい
かもしれません。しかし、人は選ぶことができる自
由がある時に穏やかになること、逆に、その自由を
奪われると穏やかになれないことを、自分のことと
して深く考えてみてください」(79P)