池井戸潤の小説7冊目読了。
『架空通貨』(講談社文庫、2003年)。これも傑作。
「お金」という魔物。
カネがすべてという資本主義的価値観が、いかに人びとを惑わし、
翻弄(ほんろう)し、破滅へ導くのか。
通貨のことも、おもしろく読める。
いやー、とにかくすごい。
マルクスがこれ読んだら、なんて評価するかな。
「金のために生き、裏切り、殺され、恨みを抱く。
金があるということ。金がないということ。
金を中心とした価値観、経済観念が人々の
心にこれほど深く根付いてしまっている現代
社会の歪み」(380P)
が実感できる1冊。