言葉への誠実さ。
辞書を世に送り出すということの苦労。
地味だけど、じんわり響いてきます。
昨夜みた映画、『舟を編む』のことです。
主人公の馬締(まじめ)は、
コミュニケーション能力が著しく劣っています。
人と話をするのが、ダイの苦手なのです。
相手の気持ちもなかなか理解できません。
見ていてかなりじれったいです。
でも、読書好きで、言葉へのこだわりを持っていました。
そんな彼が、「いま必要とされる、あたらしい辞書づくり」、
という仕事に挑戦します。
いま、「コミュニケーション力」があることは絶対的に
良いことだとされています(それは否定しません)。
でも、その質、つまり人と人との関係を成りたたせる
土台である、「言葉」というものに対する正確さや誠実さは、
あまり重視されていないようにも感じます。
『舟を編む』では、さまざまな人が交錯しながら、
「言葉という大海」の航路をしめす「辞書」づくりに取り組みます。
そこに共通するのは、「言葉への愛情」
「言葉をおもしろがれること」でした。とても気持ちよいです。
政治家の言葉が劣化していると言われています。
しかし、政治家だけではありません。
わたしたち運動家もそうではないでしょうか。
いまだからこそ、「言葉」にこだわり、「言葉」に執着する。
それをあらためて感じさせてくれた映画でした。
まだの方は、ぜひ。