長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

わたしだって看取れる

『わたしだって看取れる』(徳永進、KKベストセラーズ、2013年8月)

を読み終える。

 

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鳥取の「野の花診療所」の徳永進医師の最新刊。

この人の本からは、いつも多くのことを教えられる。

 

死と向きあうことが日常の臨床の現場は、

一筋縄ではないかないことばかり。

だから、とても弁証法的なのだ。

 

 

「砂漠に迷い、水を失った人が井戸に出会ったように、

飢えに飢えた人がおにぎりにかぶりつくように、逝く人は、

日常を味わうこと、暮らしの心を感じることに、しあわせを

感じるのだ。健康なときより、もっと強く純粋にしあわせを

感じられるのだ。

 だったら、ぼくの臨床は、『食う』『眠る』『歩く』を大切に

しよう。

 『空』『星』『風』『木』『海』『鳥』『花』を味わえるようにして

みよう。

 『おぎゃあ』『汗』『涙』『おはよう』『おやすみ』『お帰り』

そういう言葉をたくさん言えるようにしてみよう。

 そう思った。」(52P)

 

「『必ずしもそうとは言えない』という言葉を心に用意

しておくことが、臨床を渡るには欠かせないと思う。

臨床は『必ずしもそうとは言えない』だらけだから」(133P)