長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

かちかち山を乗りこえろ!

『資本論』は、難解である。

 

そして、86期岡山労働学校は、

「超入門!資本論教室」である(苦笑)。

 

『資本論』そのものは、

まずなによりも、冒頭部分が

難解で、そこを乗り越えれば、

なんとかなる(たぶん)。

 

マルクス自身、

初版への序言のなかで、

 

「すべてはじめはむずかしいということは、

どの科学にもあてはまる。だから、第1章、

ことに商品の分析を収める節の理解は、

もっとも困難であろう」

 

と言っている。

 

あのマルクスが「難しいぜ」と言っているのだから、

ものすごく、難しいのである。

だから、わからなくても気にする必要はない。

でも、わかってほしい。

 

その冒頭第1章は、「商品」の分析をした、

長い長い章である。

 

マルクスのねちねちした

緻密な分析がしつこく展開される。

『資本論』を読むものを数多くたじろがせ、

挫折させてきた、恐ろしい「山」である。

 

私は、この第1章を

「かちかち山」と名づけたい。

 

が、タヌキやウサギは出てこない(笑)

 

「価値」という言葉が、

やたらと出てくるのである。

 

「使用価値」「交換価値」

「価値」「価値形態」「価値物」・・・

しかも、

この「価値」は目に見えない、とくる。

 

マルクスは、顕微鏡を使っても、

化学的試薬を使っても見えませんよ、

「抽象力」が必要ですよ、と言っている。

 

目に見えないものを、

抽象力でつかむのである。

(大切なものは目に見えない・・・by星の王子様)

 

1章は、全体がそういうイメージだ。

抽象の世界である。

人間はほとんど登場してこない。

登場してくるのは

「上着」とか「リンネル」である(苦笑)。

 

「かちかち山」は、登るのに

難航度スペシャルA級であるだけでなく、

登山途中の楽しみも、少ないのである(笑)

人間が、固有名詞が、あまり出てこない。

 

だから、多くの人が、ここで脱落する。

「2度とこんな山、登るもんか」

と、固い誓いをたてる。

 

でも、歯を食いしばって(文字通り)、

何べんも登ってみると、

地上の世界が変わってみえてくるのである。

 

価値・・・

労働の二重性・・・

貨幣形態への発展・・・

 

さらに、

労働力・・・

賃金・・・

搾取・・・

 

概念理解は、ものの見方を転換させる。

本質は、常識をくつがえす。

 

世の中を見る目が、

がぜん、おもしろくなるのである。

 

『資本論』への挑戦。

いざ。