全国学習交流集会の報告はまた後日っていうことで、
とりあえず週末に読み終えた本3冊です。
『小説 君の名は。』(新海誠、角川文庫、2016年6月)
せつない。だから美しい。映画もみたくなった。
『「建築」で日本を変える』(伊東豊雄、集英社新書、2016年9月)
前著『あの日からの建築』(集英社新書)を読んで以来、
伊東豊雄さんの建築に対する思想と取り組みに注目しています。
自然や文化、地域社会にコミットしていく建築。
資本や都市のための建築から、一般の人に建築を取り戻す。
突破口は地方にある。そう確信できる内容。
以下、メモ。
「巨大都市=メトロポリスにおいて、建築はもはや
見えない巨大資本の流れを可視化する装置にすぎな
い、建築家は一般市民ではなく、ごく一部の巨大資
本に加担する建築の表現者としてしか見られていな
いのではないか」(10P)
「これからの建築には自然との関係を回復する、地
域性を回復する、土地固有の歴史文化を回復する、
そして新しいコミュニティを創造するなど、近代主
義建築がないがしろにしてきたものに再び目を向け
ていくことが重要です」(179P)
「今、私が目指している建築は、近代主義が切り離
してしまった建築と人びとのの距離を縮めること、
いや一般の人たちの手に建築を取り戻すことです」
(194P)
『マルクスの心を聴く旅~若者よ、マルクスを読もう〈番外編〉』
(内田樹×石川康宏+池田香代子、かもがわ出版、2016年9月)
若マルの著者2人を中心に、
マルクスゆかりの地(ドイツとイギリス)をめぐる旅行ツアー。
その様子や対談などを書籍化。学問と旅は親和性がありますね。
マルクスを語るおふたりの「自由度」はますます
豊かになっているなあ、という印象です。
現地で感じ、味わうなかでしか発せられない言葉。
あちこちに、なるほどと思う指摘があります。
石川先生の説明のし方はいつも参考になりますし、
内田先生の経済活動と身体性の話もおもしろかった。
早く若マルの続き、エンゲルス編が読みたいなあ。