最近読み終えた本。
『怒り(上)』(吉田修一、中公文庫、2016年1月)
映画はみてないけど、原作をじっくり読もうかと。
たんたんと、3つの場所と人間関係を描きながらすすむ。
下巻はあっと驚く展開になる予感。
『怒り(下)』(吉田修一、中公文庫、2016年1月)
さまざまなものを背負わされ、
社会の片隅で生きている人間の弱さと脆さ。
人を信じようとする気持ちとその揺れ。
少しのきっかけで崩れおちる人間関係。
どっと疲れる読了感だったが、読んでよかった。
『「日本会議」史観の乗り越え方』(松竹伸幸、かもがわ出版、2016年9月)
日本の近現代史の「光と影を統一的に捉える見地」
というのがまず新鮮。
ぼくも日本の近現代史を語るときは、
ほとんど影の側面だったから。とても勉強になる。
著書の書き方、言葉の使い方には
「言葉を届けたい人の幅の広さ」をいつも感じる。
『患者と家族に寄りそう在宅医療日記』(大井通正、文理閣、2016年4月)
在宅医療に情熱をかたむける民医連医師の医療エッセイ。
なぜ在宅にこだわるのか、その視点がたしかで、
人権感覚に貫かれている。寄りそう医療。
神経難病の患者さんのエピソードも多く、うなずきながら読んだ。