先週末の奈良旅。
今回は、旅の準備やバリアフリー視点でのことを
ちょこっと書きたいと思います(といいつつ長いです)。
【介護者は最低2人必要】
相方は、重度障害者ですし(気持ちはまったくそうでないのですが)、
人工呼吸器24時間装着、車いす移動、
などなどいろいろ手助けが必要。
呼吸器装着前は2人で旅行などもできましたが、
今はぼく以外に最低1人の介護をしてくれる人を確保せねばなりません。
たいてい相方の妹さん(2人のうちどちらか)か、
めいっこさんが旅行に同行してくれますが、
日程やら合わせてもらうのがなかなかたいへんで、
苦労するところです。
【持っていくものがたくさん】
昨年秋の富士山旅行から、ふだん自宅で使っている
「スカイリフト」という移乗用リフトを
旅にも持っていくようになりました。
これがあるのとないとでは、
決定的に介護者の負担・本人の負担も違います。
というか、もはやこれなし旅行は不可能でしょう。
必須品です。
(上の写真がスカイリフトです)
問題は、このスカイリフトは車イスほどの大きさがあるので、
かなり持ち運びがたいへんだということです。
おまけに、旅に持っていくものはこれだけではなく、
自宅で使っているシャワーチェア、
痰を出すためのカフアシストという機械、
何かあった場合の酸素ボンベなどなど・・・。
通常の荷物以外に、旅に行くために必要なものがたくさんあります。
【車は福祉車両のハイエースで決まり】
したがって、今年の「行っとこう旅」では
すべて福祉車両のハイエース
(車いすごと乗れて、車いす2台ぶんが乗るスペースがある)を
レンタカー屋さんで借りています。
青森など、飛行機で行く場合も、
現地でこうした大型の福祉車両を借ります。
(この車にスカイリフトはじめ荷物をたくさん詰め込む)
ちなみに、大型の福祉車両を扱っている
レンタカー屋さんはかぎられていて、
旅行の日程が決まりしだい、確実に確保できるよう予約をします。
「行っとこう旅」は、男性はぼくひとりのことが多く、
運転は基本ぼくのみになっています(汗)。
まあこういう大型車は選挙のお手伝いで乗りなれているので、
運転は大丈夫なんですけどね。
【お宿を決めるのがたいへん】
次の絶対確保条件は、バリアフリールームがあるホテルです。
民宿や小さいビジネスホテルはまず厳しいです。
今回も、奈良のホテルをいろいろ探しましたが、
安心して行けそうなとこというところで、
奈良駅前の有名なホテルにお宿を決めました。
さらにバリアフリールームがあるだけではダメで、
ホームページでトイレ周りやバス周りをチェックし、
写真がなければ送ってもらい、
さらにベッドの高さなども確かめなければなりません。
11月に予定している沖縄の旅も、
難航しているのがこの宿選びです。
3つほど候補があり予約はしているのですが、
どこも一長一短あり、悩ましいところ。
宿の快適さは旅行の成否を左右する大事な要素です。
【行きたいところのバリアフリー度をチェック】
旅先で行きたいところはたくさんありますが、
やはりバリアフリー度を事前チェックすることは欠かせません。
今回の奈良旅は、さすが観光地でもありますから、
東大寺や薬師寺など、車イスでもまあ大丈夫でした。
あと障害者用トイレさがしや、
行きたい食事店などのバリアフリー度はやはり事前に電話で確認します。
そこまでしても、行き違いなどがあり、
奈良旅でも2日目のランチのお店では、
バリアがいろいろあって難儀しました。
ふらっと行きたいところに、ということはできないのです。
【暑さ寒さの対策】
これもなかなかたいへんです。
今回も2日目などは真夏のような暑さでしたが、
お店に入ると逆に冷房がききすぎていて寒い。
相方の場合、ずっと車いすで身体を動かしませんでの、
そうした気温の変化に対応するのがたいへんです。
羽織るものやアームカバーなどは必須です。
【それでも、旅には行ける】
いまの主治医から
「こんなに旅行に行くALS患者は初めて」と言われています(笑)。
障害者になると、
どうしても人の手をたくさん借りなければならないし、
旅行ともなれば、人一倍の準備が必要です。
だから行きたいのに、遠慮してしまう人が多いのかなと思います。
もちろん、呼吸器が持ち運びしやすくなっているとか、
社会のバリアフリー度が少しずつ高まっているとか、
以前とは違った条件があるとは思います。
でも根本は、「旅に行くことをあきらめない」という
意志なのかなあと感じています。
与えられた枠のなかで我慢して過ごすのではなく、
自分の枠にこだわり、それを広げていく。
さあ、来月も旅だ、旅!