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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「人は信ずるに足る」 教師人生、山あり谷あり

労働学校

報告遅くなりましたが、
先週木曜日(21日)の90期岡山労働学校
第3講義の報告です。

講師は岡山高教組書記次長の有馬理江子さんでした。
テーマは「私を教師として成長させてくれたもの」。

とっても面白く、教育のことを考えさせられる内容
でしたが、参加者が12名と少なくてもったいなかったです(涙)。

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【教師になりたいわけではなかった】
 有馬先生は、小学生のときに図書館にあった伝記を
読みまくり、野口英世やシュバイツアーのように、誰
かのために生きて犠牲になって死ぬような「この道ひ
とすじ」の生き方がしたいと思っていました。またピ
アノをずっと家でひいている子どもで、母親が音楽教
室をやっていたこともあり、「ピアノで生きていけた
ら」との思いもあったようですが、その道はあきらめ、
高校に入ると勉強ひとすじにがんばったそうです。自
分は目が細いし(教室には目力が必要?)子どもの人
生を左右する責任があるので教師には向いていないと
考えていました。でも周囲の人の意見もあり、教師人
生がスタートしました。いわばマイナスからのスター
トでした。やるなら国語、そして中学生がおもしろい
だろうということで中学校の教員になりました。
 そのときの世の中の動きは、1975年に国際婦人年、
1979年に国連総会で女性差別撤廃条約が採択、日本で
も1985年に批准され男女雇用機会均等法ができていき
ました。ちょうど有馬先生の教師としてのあゆみと、
女性が働き続けられる社会への動きが重なり合いなが
ら、女性教員の権利拡大も次々にたたかいによって獲
得されていきました。

【成果主義に教育にはなじまない!】
 教師としての成長は、波だらけで、最初9年間中学
校で教員をし、その後養護学校(いまでいう支援学校)
に配属され、またイチから仕事を覚えて、という感じ
でした。肢体不自由の養護学校に9年間、そして同じ
障害でもまったくちがう知的障害の学校に異動と、
ことなる職場にいくたびに、さまざまなことにぶつか
り、勉強していったそうです。でもさまざなことを経
験し、子どもや保護者から学びながら、ふりかえって
みると、なんとなく教室として成長できたのかなあと
いう実感。
 でも教育委員会がイメージする「教師の成長」とは、
管理職を目指したり、この分野のエキスパートになれ
とか、講師のキャリアや専門性にだけ着目したもの。
でも教師というのはほんとうに幅広いことを知ったり
経験したりしなければ、多様な子どもに寄り添うこと
はできないと述べられました。また教員の職場に成果
主義をいれ、それを賃金に反映させるというようなこ
ともすすめられており、これでは教師集団が子どもた
ちに寄り添う実践ができないと強調されました。

【私はこうして救われた】
 最初の中学校では、校内暴力全盛期で今から思えば
ほんとうにいろいろあったが生徒のやさしさに救われ、
育児との両立が困難なときはまわりの仲間に支えられ、
うつになりかけたときも、弱音を吐くことが許された
労働組合での経験など、さまざまなエピソードを交え
ながら、楽しく、これまでの教師人生を語られていた
有馬先生。プラス思考でピンチを楽しむ、人は信ずる
に足る、教育は子どもが主人公と、素敵なメッセージ
満載の講義でした。


以下、いくつか感想文を紹介


■教育の現場の生々しい話、先生の教育への取り
組む姿勢に感銘。

■学生の頃を思い出しながら聞かせていただきま
した。子どもは、先生とのかかわりの中で成長す
ると思うので、教育の職場は、絶対にゆとりのあ
る場所じゃないといけない。「安心して失敗でき
るゆとり」。これは、子どもも大人も必要。

■教職員の苦労や大変さだけでなく喜びや生きがい、
まわりの人たちと助け合い子どもたちの成長と向
き合ってこられたお話はとても面白かったです。

■有馬先生の人生を聞くことができて、本当に楽し
かったです。なんか先生に話をされてる感じが、
久々に学校に戻った感じで楽しかったです。

■成果主義について、教員が自分の評価を気にし
てしまうと、ますます子どもにしっかりと目を
向けられなくなるのではなと思います。教員と
生徒との信頼関係あっての成長だと思います。
自分が学生のときは、「先生を嫌い」という生徒
が多い気もしていたので、これからの学校が心配
になります。

■「仲間がいるということ。弱音を吐くことが許
されること」って、本当に必要で大切だと実感し
ている。私も仲間がいたから、今やっていられる
と思っているから。そして先生って大変だなと。
有馬先生に教えてもらいたかったなぁ~。楽しそ
うだと思った。