長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「新聞を読んで」社会を知ろう

ソワニエ看護専門学校での13回目の授業おわり。
「新聞を読んでみる」という試み、なかなか好評だった。

というより、おそらく学生さんにとっては、
「新鮮」だったのだろう。

聞いてみると、新聞を自宅でとっている人は3分の1。
さらに「毎日読んでいる」のはクラスでひとりであった。
まあこれは予想されたこと。
だからこそ、「実際に新聞を読んでみる」という
「練習」「機会」が大事なのだと思う。

ちなみに使った新聞は山陽新聞。
やっぱり地元紙ということで。
新聞を半分に切って、表裏2面分の紙面を1人ひとりに配って、
「関心のもてた記事を紹介し、それについてコメントを発表する」
という内容。

ある学生さんが、感想文でこう書いていた。

「今、たまにスマホでヤフーのトップニュースを見るだけで、
気になったものしか見ていないから、じっくり新聞を読んで
みるというのは意外に楽しかったです。それぞれ人によって
注目する記事も、感想もちがって、いい機会となりました。
ただ、日常ではやはりスマホで興味あるニュースしか見ない
ような気がします」

たぶん、これが多くの若い人の実際なんじゃないかなと思う。
先日も、ある労働組合の新人研修会で、
「情報ソースはなに?」という質問をしたけど、
全員、新聞は読んでいなかった。

「新聞を読む」という文化自体が急速にしぼんでいるのだ。
これに、ぼくはすごく危機感をもっている。
もちろん、どの新聞を読むかも大事だけど、まず新聞を
手にとってパラパラめくるという、社会文化を、
なんとか引き継いでいきたいと思う。

さて、新聞の1つひとつの記事はもちろん
断片的で部分的なものだから限界があるけど、
新聞の良さはなんといっても「網羅的」であることだろうと思う。
政治・経済・文化・教養・生活・社会・広告などなど、
自分の視野を広げてくれる役割が新聞にはある。

学生さんの反応の一部を紹介したい。

■頭のなかで整理する時間を作れる新聞の良さをあらためて感じた。
■久々に読むと興味深い記事が多くておもしろいなあと思いました。
■意外にいろんなことが書いてあるなあと思った。
■思っていたよりもすごい。
■新聞を読んで感想をというのは、めちゃおもしろかった。毎回したい。
■興味があるないに関わらず、記事の幅に今さらながらおどろきました。
■世界ではいろんなことが起こっているなと思いました。
■新聞っていいなと思った。みんなの意見を聞くのも楽しかった。
■新聞を読めば地域のこともわかるので、とても関心がもてた。
■新聞を読みたくなってきました。
■1面だけでもさまざまな記事があり、読んでみるとおもしろかった。
■テレビやスマホも利点はあるが、紙をペラペラめくる感じも悪くないなあと感じた。
■一気にたくさんの情報が入ったので得した気分になった。
■新聞を読む機会は今ではないので新鮮だった。
■新聞で得た情報は、ニュースで見るよりも印象に残りやすく、関心がもてる。
■知らないことを知れておもしろい。

…なんとか、新聞を読むおもしろさを、
伝えていきたいと思う。