長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

目的達成プログラムづくり

12月15日に行われた岡山県学習協主催の
「変革のための・リーダー研修講座」の報告3回目、これで終わりです。

後半したのは、「目標の達人になろう!」です。
谷口貴彦著『ザ・コーチ』の内容などを参考に、
自分なりに再構築しての問題提起でした。

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最後に、目的達成のプログラムづくりをしてもらったのですが、
慣れないのもあり、みなさん苦戦されていた様子。
ご安心ください! 私も自分のものにするのに1年かかりましたから!
実践してみて体得する部分も多いかなと思うので。

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プログラムづくりは、グループごとに1番いいと思ったものを、
ホワイトボードに書いてもらって全体でシェア。
学びあいの有意義な時間だったと思います。

 

問題提起の概要と、参加者の感想をご紹介します。

 

【目標の達人になるとは?】

目標をつねに達成できる組織になれば、怖いものなし。
が、現実はいつも目標未達成で終わり、総括も不十分…。
ということはないでしょうか。

目標に向かって努力することで、人や組織は成長します。
苦楽をともにすることで、かけがえのない人生の仲間もできます。
さらに目標を達成すれば、それが大きな自信にもつながり、
「自分(たち)はできる」という力が湧き、
次の目標設定に向かうエネルギーになります。

目標を達成するには、それに向けた「行動」を
積み上げられるかが勝負です。
結果は選べません(コントロールできない)が、
行動は選べます(コントロールできる)。
するか、しないか、だけです。
でも、行動が滞ることもしばしば。
「行動する」を阻んでいるものはなんなのでしょうか。

第2部では、目標を達成するための応用性の高い「考え方」
「言葉の意味と関連」を整理し、みなで議論していきたいと思います。

ディスカッション(1)
ある労働組合の「2019年度活動方針(案)」を読んでみて、
感想や気づきを出しあってみましょう。


【目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画、の整理】

「人は、より力を発揮するために、他の人と関わり合います。
誰かと言葉を使って意志の疎通を図ろうとする時、同じ言葉
の解釈が違っていては、伝えたいことが、相手に伝わらなか
ったり、誤解されて信頼を失ったりしてしまいます。人と人
が関わり合って何かを成すためには、前提として、お互いが
使う言葉が、同じ理解の下で交わされているかどうかが、と
ても重要になります」(谷口貴彦『ザ・コーチ』小学館文庫)

目的とは…「成しとげようとする目指す事柄」。「何のために」、
今この活動・行動をしているのかの言語化。目標の先にあるもの。
成しとげたら、新しい自分に出会え、誰かを喜ばすことができる。

ビジョンとは…「将来あるべき姿を描いたもの」。将来の構想。
未来像、その光景。鮮明で、その光景を頭に思い浮かべると、
うれしくなる、わくわくする。感情が動く。ゴールに向けて
行動するための強化剤。

ゴールとは…「目的のための最終的な目印」。目標の最終地点。
期限があり、客観的に検証できるもの。

目標とは…「目的・ゴールに向けての中間目印、途中の目安」。
目的の実現のために設定される。目的は「方向」で、目標は
「地点・距離」(どこまで階段を登ったか)。期限がかなら
ずあり、客観的に成否が検証できるもの。

行動計画とは…「目標にむけての日々の行動実践」。今日、
明日、今週、なにをするかの具体的計画。書き出すこと。
あとはやるだけ。細かいやることリスト(スモールステップ)を
つくり、積み上げながら、目標へと走る。


≪ワーク① マラソン選手編」≫
( )のなかに「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」を入れよう

*来年夏の東京オリンピックで金メダルを取る(     )
*10キロのタイムを3か月であと1分短縮する(     )
*自分の可能性に挑戦することで、子どもたちにスポーツの
 素晴らしさを伝えたい(    )
*今月、毎日25キロ走りこむ(     )
*春のレースで自己新記録を更新する(     )
*半年間で脚力を5%強化する(     )
*誰よりも速く走って大声援をあび、気持ちよく疾走する(     )
*毎日の食事を記録し、体調管理を徹底する(     )
*金メダルをみせて、支えてくれた人や家族に感謝を伝え、
 喜びあいたい(     )
*オフの時間に、オリンピック経験者に会いに行き心得を聴き、
 精神的準備をする(    )

≪ワーク ②〇〇県〇〇町の病院統廃合阻止編≫
同じく( )のなかに「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」を入れよう

*病院のある〇〇町の首長・議長、議員などと懇談する(    )
*3か月で2万筆の署名を集めて請願行動をする(    )
*統廃合の問題点やねらいを知らせるビラを全戸配布する(    )
*統廃合を最終的に断念させる(    )
*この機に、地域医療の現状や今後の方向性を議論できるネットワーク
 をつくる(    )
*次の地元議会で、統廃合反対決議をあげてもらう(    )
*安心して医療を受けられ、「ここでずっと生きたい」と思える町に
 する(    )
*地元国会議員にアポをとり、協力をお願いする(    )
*統廃合を阻止し、心配していた住民のみなさんの笑顔を取り戻す、
 喜びあう(    )
*病院関係者と毎月懇談を重ねて、ともに運動しあう関係になる(    )
*「阻止連絡会」の代表に、地元の有力者である〇〇さんになって
 もらう(    )


運動や組織の方針は、基本文章だけで書かれているので、
イメージがわきにくい(と思う)。

図式化し、目的やビジョン、ゴールに向かうための目標・行動計画を
鮮明にするのが大事。

道すじは多様。運動・組織の特性にあわせてアレンジし、
フィットするものにしていく。

自分(たち)の目的・ゴールをまわりに公言することも大事。
自分にプレッシャーをかける。協力者してくれる人が増える。

長久の実践―93期岡山労働学校の募集の取り組み。
ゴールを「10月3日に受講生30名で開校をむかえる」に設定。全世界に公表。
目的やビジョンを書き出し、つねに向きあい、モチベーションを維持する。
節目節目に「申込み到達」の目標を設定。1対1対話の人数も目標をつくった。
あとはひたすら目標に向けたスモールステップを積み重ねていった。

することリスト(とくに、今日、明日の)をいつも書き出し、
実践していく。考える時間をつねにつくろうと意識化した。
寝る前や朝の時間にメモ書きを習慣化。
書くことでワクワクする感情を得られた。
わりきって「これはやらない(できない)」を決め、労働学校に集中した。


【テーマ③ 目的達成プログラムづくりを練習してみましょう】

「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」の言葉を使って、
実際に目的を達成するためのプログラムづくりをしてもらいます。
あくまで練習ですので、気軽に。

個人的なものでもOKです(英語習得、ダイエット、資格取得など…)。
運動や組織にかかわるものは、難易度があがります(協力者の
組織が必要なため)。ポイントは、目的やビジョンの共有化と、
各自が行動計画まで落とし込めるか。

■個人発表(1分程度)
今日の研修に参加しての感想、学びになったポイント(を中心に)。
「この人に研修を受けてほしかった」という仲間が思い浮かびますか?
次にやってほしいリーダー研修の内容など。

以上。


【参加者の感想】

◆来てよかったです。関係の質の考え方や目的達成の手法など、
とても勉強になりました。今後、活動に活かしていきたいです。

◆今後、物事を行うとき、目的・ビジョン・ゴール・目標を
しっかりと持って行動していこうと思います。今日学んだことは、
職場や労組に持ちかえって伝えたいと思います。また開催して
いただけたらと思います。グループワークは大変疲れましたけど、
終わってみたらとてもよかったので、次回もまた取り入れて
もらいたいです。

◆丸1日、長いなぁと思っていましたが、あっ!という間に
終わってしまいました。むしろ時間が足りない感じです。
泊りでもおもしろいかも!?と思います。

◆これまでのとりくみが「わくわく」するようなものであったか、
考えるよい機会となりました。

◆目的やビジョンを図式化したり、公言して具体的なイメージ
を共有することが活動を進めていくうえでとても大切だと思った。
そして何事をするにしても、自分自身がワクワクするような
ビジョンを持って、目的達成できるプログラムを作っていきたい。

◆最後に行った目的達成プログラムづくりで、具体的な行動、
めざすことを整理して明らかにする方法がわかった。実践していきたい。

◆みんなで学ぶことの意義を改めて実感しました。とても
すてきな場をありがとうございました。

◆自分の今の仕事のすすめ方を見直すきっかけになりました。
目的・ビジョンを持った考え方、行動を意識し実践することで
成長していきます。

◆改めて、誰でもできるように伝えていくこと、言語化が
とても大切だなと思いました。言語化されるとこんなにも
目が覚めるような学びの楽しさに出会えるのかと感動でした。
何をするにも、特に運動は自分1人ではできないから、
目的とビジョンが共有されてると1人1人の力を最大限に
発揮できるだろうと思いました。集団で議論すると深まる
体験をできました。今回学んだものを実践してこそ本当に
自分のもの(自分が使える)になるのかなと思います。
何度でも何度でも学んだことを確認していきたいです。
こういった研修をみんな求めてると思います。もっと場を
つくってほしいです。そして自分も伝えられる側になれる
よう学びたいです。