長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

味わい深い黒井千次

今日(17日)は半日介護休みで、
半日は事務所に出てお仕事ちょこちょこと。

明日は午後から京都で講師仕事。
終了後ただちに岡山に帰ってきて、労働学校。

その労働学校の準備で、
久しぶりに
黒井千次さんの『働くということ』(講談社現代新書)を
パラパラと。

なかなか味わい深い。
こういう書物、最近減っているなあと思う。

今年も80冊ぐらいかなあ。

最近読み終えた本。
さいごの『神に守られた島』で今年69冊目。
昨年からの介護生活で自宅読書時間が大幅に減り、
去年も80冊ちょい。今年も同様のペースです。ふう。


『戦争と性暴力の比較史へ向けて』
  (上野千鶴子・蘭信三・平井和子〈編〉、岩波書店、2018年2月)

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9月15日のピースエッグおかやまの
「暴力とジェンダー」分科会の予習。
知らないことも多く、
また現代のジェンダー問題につなぐときの視点をたくさんもらう。
さらに次の学びの材料も。


『看護師が流した涙』(岡田久美、ぶんか社文庫、2010年)

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勤務する病院をコロコロ変える“ジプシーナース”の著者。
勤務科もバラバラ。
そのなかで出会ったたくさんの
患者やその家族の話がまとめられている。
ジンとくる話、どうしようもない悲しみ、悲嘆。
生きるってたいへんだわ。


『ホールシステム・アプローチ  1000人以上でもとことん話し合える方法』
            (香取一昭・大川恒、日本経済新聞社、2011年)

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集団知を引き出し、対話のなかから
新しい考えやアイデアを生み出す場づくりの手法。
小手先の技法じゃなくて根底に哲学があるから良い。
活動方面に応用していきたい。


『情報生産者になる』(上野千鶴子、ちくま新書、2018年9月)

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情報とは何か、から始まり、問いを立てる、
研究計画書を書く、論文を書く、読者に届ける、まで。
上野さんが東大ゼミで指導してきたノウハウがつまりにつまった1冊。
とくにアウトプットの方法と考え方は共感するところ多かった。


『若者よマルクスを読もうⅢ~アメリカとマルクスー生誕200年に』
         (内田樹×石川康宏、かもがわ出版、2018年9月)

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『フランスにおける内乱』についての往復書簡、
アメリカとマルクスというテーマでのおふたりの報告など。
このシリーズを読むと、
マルクスの読み方がどんどん自由になる感じ。


『追跡 日米地位協定と基地公害~「太平洋のゴミ捨て場」と呼ばれて』
     (ジョン・ミッチェル著、阿部小涼訳、岩波書店、2018年5月)

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「米軍は現在、この惑星でいちばんの汚染者である」の
言葉がまさにその通りと実感する。
日米地位協定と日本政府の無能が、
沖縄と国土を汚染し続けている。


『しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム』
         (望月衣塑子・対談、梨の木舎、2018年9月)

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東京新聞の望月記者が4人の女性と対談したもの。
伊藤詩織さん、三浦まりさん、平井美津子さん、猿田佐世さん。
どれも良かった。
特に三浦まりさんの問題意識には教えられるところ多し。さすがだ。


『神に守られた島』(中脇初枝、講談社、2018年7月)

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1945年、沖縄戦のさなかの沖永良部島(鹿児島県)を舞台にした小説。
当時の島の人たちの様子や戦況への認識がとてもよく伝わってくる。
徳之島や与論島は行ったことあるけど、沖永良部は未踏の島。
いつか行きたい。

基礎学習を大切にしている岡山県医労連

土曜日(13日)午後は、
岡山県医労連の2018役員セミナーで講師仕事。

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労働組合のそもそも話を60分で。
役員さん対象ということもあり、
その角度での話もちょこちょこ入れながら。

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その後、倉敷医療生協労組書記長による
「労働組合法、労働基準法の基礎」、
さらに県医労連書記長による
「財務諸表の基礎の基礎」と続き、分散感想交流、
さらにバーベキュー交流会と続いたよう。

基礎学習を大切にしている医労連です。

けっこう大変でした。

最近仕事のことしかアップしてなかったので、
記録として書いておきます。

10月4日(木)。
相方、寝る前に痰が多量に出て、カフアシスト
(痰を出しやすくする医療機器)を使うもSPO2
(血中の酸素度)回復せず、23時20分頃訪問看護師
さんを呼ぶ。看護師さん吸痰試みるもうまくいかず、
主治医の難波医師に来てもらう(夜中24時半頃)。
いろいろ試すも改善せず。カフアシストの圧力を
上げてみると若干良くなり、看護師さん、難波医師
帰る(3時前)。昨年3月以来の「呼吸の苦しさ」を味わう。

10月5日(金)。
相方、嚥下(飲み込み)に難あり。食欲なし。お昼、
ベッドからポータブルトイレ移乗時にスカイリフト
(移乗時に使っている介護用具)からずれ落ち、2時間
かけてベッドに戻る。シャワーも中止し清拭のみ。
基本ベッドで安静。長久夕方に帰宅。相方、頻繁に
カフアシストが必要だが、医療機器はヘルパーさん
使えないため、常時家族がいなければいけない状態に。
体力低下のため移乗時にも必ず2人体制必要で、
夜の時間は長久のワンオペだったが、姪っ子さんや
ヘルパーさんに入ってもらうことに。

10月6日(土)。
午前中から訪問看護師さんきていただき点滴入れる。
水もとろみをつけないとうまく飲めない状況。プリン食べる。

10月7日(日)。
長久、長野出張のため11時半に出発。相方の妹さんや
ヘルパーさんで介護続く。夜は相方のお母さんと
ふたりの妹さんの3人でわが家に泊まる。

10月8日(月)。
点滴の箇所痛みあり。看護師さん差し替え試みるも
うまくいかず、難波医師来宅。足の血管になんとか入れる。
長久18時半帰宅。

10月9日(火)。
痰の量も減り、体力回復傾向。点滴は引き続き。
夜は長野土産の峠の釜めしを食べる。

10月10日(水)。
さらに落ち着いてくる。午後の訪問看護で清拭と1週間
ぶりの洗髪。

10月11日(木)。
午前中、もちださん来宅。このかんの話をいろいろ。
手浴もしてもらう。来月の沖縄旅にそなえ体力回復を
第一に考え、20日から予定していた京都旅の
キャンセルを決める(涙)。

10月12日(金)。
ほぼ以前の体力、日常生活に戻ってくる。久しぶりに
物件探しをスマホでしたら隣の団地に良い新築の賃貸
があり、現地下見を予約。

10月13日(土)。
新築の賃貸物件見に行く。かなり良い感じだったが、
1階が今よりかなり狭くなり、引っ越しによる労力、
デメリットも考えると、今回もパスかなと判断。

ブラック職場を考える

【お知らせ】
92期岡山労働学校・第3講義は「ブラック職場を考える」。

いまだに無くならない過労死・過労自殺。
働く人を病ませる職場。労働法はどこに?
自分の働き方を問い直し、
社会全体の問題としても考えます。

参加者どうしでたっぷり交流。

10月18日(木)18時半~。
単発参加OK。詳細チラシ。

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グループトーク中心に「なぜ働くのか?!」

昨夜は、92期岡山労働学校の第2講義。
14名の参加でした。

今期は、講義らしい講義はしない、と初回に宣言。
この日も、簡単な問題提起や材料提供したのみで、
基本はグループトーク中心でした。

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テーマは「なぜ私たちは働くのか?!」


レジュメは、以下。

1。先週、みなさんに書いてもらったものを書き出してみます。
 
◇職場に行くことで「得ているもの」
  *お金、経験、知識、人間関係、技術・スキル、社会性、
   苦悩、自信、仲間、友情、アイデンティティー、
   自分の時間、達成感、視野が広がる、楽しさ、キャリア、
   優しさ、パソコン力、言葉、友人、喜び、人脈、
   コミュニケーション、笑顔、疲れ、規則正しい生活、
   ストレス、満足感

 ◇職場に行くことで「失っているもの」
  *自分の時間、余裕、人間関係、体力、個性、自信、
   集中力、心、笑い、視野、エネルギー、歌、全て、お金、
   自分らしさ、意欲、趣味、健康、視力、肩こり、フィジカル、
   楽しみ、睡眠時間、遊ぶ時間、生活の質、労働力

 ◇いま自分のなかにある「問い」や、今期の労働学校で深めあいたいテーマ
  「なぜ、仕事をしなければいけないのか」
  「仕事と命(生きること)の関係性は」
  「労働組合に結集させるためには」
  「職場における個人の尊重をどう守るか」
  「認め合える職場のつくり方」
  「職場での個性はどう扱われるのか」
  「利用者にも労働者にも優しい『職場』とは何か?」
  「本日書いた失いたくないものを守るために職場をどう変えるか」
  「職場において仲間とは?」
  「労働環境・条件をよくするためにはどうしたらいい?」
  「職場を変えるというのは、人を変えることだと思うし、人を
  変えたいと自分が思えるようになることだと思う。人は自分、
  ひいては職場を変えることができると信じられるようになる
  には、何が必要か」
  「どうやったらうまく働いていけるのか」
  「今よりいい関係で働けること」
  「なぜ公立学校には雇用契約という概念がないのか」
  「学校教育がブラック企業の価値観とつながっているのかも?」
  「個性や心のなくならない職場への方法」
  「なぜ働く?働かなきゃいけない?」
  「他の仕事への理解」
  「働かない、働きが悪い人をどう見たらよいか」
  「ブラック企業を正すためにできることを知りたい(要約)」
  「ブラックの線引きは」
  「新人の残業手当てはなぜ出ないのか」
  「働くとはどういうことか?」
  「人はなぜ起業するのか?」
  「要領よく仕事をするためにはどうすればいいか」

2。なぜ働くのか?
 
◇ずっと働かない! という自由(選択)はあるか。できるか。

 ◇先週の出された「言葉」や「問い」をながめて、改めて気づくことは?

 ◇雇われて働く、ということ。
  *労働契約とはなにか

   「労働契約において、労働者の主たる義務は労働提供義務であり、
   使用者の主たる義務は賃金支払い義務である」(有斐閣『労働法』より)

   「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」
                           (労働契約法2条)

 ◇『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』
  (汐街コナ著・ゆうきゆう監修、あさ出版、2017年、1200円+税)

   *働きすぎで死にそう。そんなとき、「会社を辞める」
    (働かない)という選択肢があるはずなのに、なぜ
    過労死・過労自殺にまで追い込まれるのか。著者の
    デザイナー時代の経験(過労自殺しかけた)をもとに、
    精神科医の監修も受けながら漫画に。プロローグの
    “せまり方”が衝撃的にリアル。

  *判断力が失われる前に・・・「別の道」をあなたならどう伝える?
  *追い詰められる「客観的背景」には何がある?


次回のテーマは・・・



何人かの感想文を紹介します。

■今回の漫画がすごくリアルで、自分もこういう
感覚になったことがあり、すごく共感した。生物
学的には「消えたい」という感情をもつというの
はかなり異常な状態ですが、今の日本では、かな
り多くの人が、こうした感情をもっているように
思います。日本変えないとやばいなと思います。

■「死ぬくらいなら会社辞めれば」のマンガを読
んでみて、人間は追い込まれたら判断力をなくし
てしまうというのをリアリティーをもって感じら
れた。社会を良くしていくためには、一人一人が
考えて判断することはとても大切で、でも余裕の
ない生活をしているとそれも難しくて、悪循環だ
なと思った。もっとみんなが“それでいいんだよ”
と認め合えるような関係がつくれたら良いのにな
あと思った。GT楽しかったです☆

■なぜ仕事を辞められないのか。考えたことがあ
るような気がしていたけど、みんなと一緒に考え
てみると、新鮮な感じで、自分だけでは思いつか
なかったようなところまで考えることができたと
思う。催眠状態かあ~。

■社会的に「働くこと」を強制している部分があ
ると感じた。「働け働け」と教えられたわけでも
ないけど、まわりを見ればみんなが働いているか
ら、同じように働くことが「あたり前」になって
しまっているような感じだと思う。働き方にもい
ろいろあって良いということに多くの人が気づい
て、みんながもっと自分にあった働き方を考えて
実現に向けて取り組んでいけば、社会も少しずつ
変わるのではないかと思った。働くことで自分が
必要とされていると感じることは大切だと思った。
働かなくても自分を大切に思えるなら、なお良い
かなと思った。

■新しいメンバーが増えていいな~と。若いメン
バーも多いし、「働くこと」への意識などいろい
ろ質問してみたいと思います。意見をたくさん引
き出していきたい!

長野集会での講演感想文(抜粋)

長野集会での講演感想文です(抜粋)。
みなさん、それぞれ持ち場で生かしていきたいと
積極的に受けとめていただいたように思います。感謝です。


■「個人の尊厳」「人間の尊厳」、職場での話を
するなかで、使えると思いました。学習会の具体
的な計画の立て方、内容の組み方、とても参考に
なりました。実践に生かしていきたいと思います。

■冒頭の「労働者としての意識」「労働者のこと
ば」という話が印象に残りました。言葉を持って
いないと、世界を正しく認識できないということ
が分かり、このような学習をする場の大切さを改
めて感じました。何も知らないまま、「労働者の
ことば」を持たないまま、労働者を続けていくこ
とは怖いことだと思いました。

■学習会スケジュールの作り方、とても具体的で
面白かったです。来て良かった。自分は「グルー
プ討論」「グループワーク」という言葉が小学生
の時からトラウマのようになっていて、とても苦
手意識が強い。討論がある学習会には行きたくな
い、と思うほどである。しかし、「自分の自信を
なくさせてきたものの正体を明らかにする」それ
が本当の学習だと。しかし独りではなく、みんな
で学ぶと。深く感心した。

■一方的な講演や学習会だけでなく、意見交換や
参加者の交流をしながら、楽しく学べることが本
当に自分の知識となり力となること。現場(職場)
で生かせていけたらいいなあと思った。

■「労働者のことば」をにぎる、からはじまる内
容に、わかっているようで、しっかりと示された
こと、人権を守るために労働者として自覚するこ
とからを、力にしてすすんでいこうと思える内容
でした。

■学習会の持ち方に関して大変勉強になった。入
門コースのチューター活動に活かしたい。

■労働学校について、運営・企画などとても参考
になるよい勉強をさせていただきました。

■具体的でわかりやすい話でした。自分の失敗や
若い時の悩みをありのままに話し、良かった。皆
で楽しく継続して活動していく大切さ。元気が出
ました。タイムスケジュール作りは皆が参加して
良かった。

■タイムステーブルづくり、とてもよかったです。

■「学ぶ人どうしの関係性」に共感します。愛知
で、大木一訓さんの資本論ゼミを受けて、それが
なぜこんなに多くの発見と楽しみがあるのか。そ
の20人弱の参加者の意見を、たくさん聞けるし
かけがあってこそのものと気づきました。学習会
のプログラムの作り方も、教わること大でした。
双方向での学習は、工夫がいることだと痛感して
います。

■個人の尊厳を生かした学習の場づくりというも
のは、私にとっても周囲の人にとっても必要なも
のだと思いました。1人ひとりが参加できるよう
な会議やイベント、学びを考え、工夫していきた
いです。

■わかりやすい言葉、とても楽しくあっという間
でした。他の方に伝えていけたら・・・と感じました。

■大変よかったと思います。タイムスケジュール
は参考になりました。

■大変、おもしろかったです。学習をすすめる中
で、参加していく中で、疲れたり、先が見えなか
ったり、ということがあります。今日は、その気
持ちをのりこえる、最高にすばらしいお話だった
と思います。ありがとうございます。

■「労働学校」に憲法的価値を表現していくこと
を意識していきたいと思いました。運営、内容、
感想文用紙・・・。やるべきこと、やるべき工夫が
たくさんあるなあと思いました。

■学習運動が、個人の尊厳を回復し、自身をとり
もどし、民主主義の担い手をつくる重要な役割、
意義をもつことがよくわかりました。ありがと
うございました。

■学習運動のやり方含めて、そもそものところか
ら学ぶことができた。憲法caféを主催するとした
ときのスケジュールをどう組むかというシュミレ
ーションを通して、運営側の工夫や考えを再考す
る機会になった。ことばを大切にすることが、こ
とばを大切にしない動きや勢力に対抗する手段と
なりうるのではないか。また、ことばを大切にす
ることは、学習につながるし、楽しいことだとよ
り深く心にしみた。

■実践的経験やアイデア満載で、選択肢が広がり
ました。ありがとうございました。

■何度か講演を聴いていますが、毎回心に響きま
す。労働者としての自覚を改めて考えさせられま
した。憲法に定めされている労働者としての様々
な権利を大切にしていきたいと思いました。

■各分野で活用できる内容でした。学習会スケジ
ュールを考えてみよう!から、6人の発表が6人
の個々の考え方でよかったです。

■労働学校や憲法カフェの開き方について、基本
的なことを教えていただきました。日中働いてく
る仲間の立場に立って、自己紹介と交流を入れ、
自分の意見が言えて自分にほしい知識を聞いて帰
れて、「楽しくて、また来てみたい」ということ
になる学習会を計画する、そのへんのことが、非
常に大事だと思いました。

■ひとりひとりを大事にする集団学習が大事だと
思いました。学習運動をすることの意義を改めて
確認することができました。

■労働学校、学習会のすすめ方について、具体的
な話と交流がすごく参考になった。

■面白く拝聴いたしました。とても参考になり、
すぐに活かせるお話がいくつかありました。わか
りやすくて、こんな風に難しいことをさらりと言
ってくださると、聞いているこちらも、肩ひじ張
らずに実践できると思いました。自分が労働者で
あると自覚し、今までとは違った視点で頑張って
いこうと思います。ありがとうございました。

■わかりやすい話でした。参加できる場面もあり、
楽しく聞くことができた。

■学習会の持ち方の研究の大切さが良くわかった。
とくに最初にグループ討論で自己紹介や問題関心
を語る方法は良いと思った。ここでも世代間ギャ
ップを感じた。

■学びあう場のつくり方、個人の尊厳と学習運動
について、すごくフレンドリーでわかりやすい講
演でした。ありがとうございました。

■「搾取は学ばないと見えない」という言葉に、
労働問題を知る上で、見事な一文で、今後の学び
がやりやすくなったと思っています。“科学”は見
えないものを見るようにする“ことを支柱に勉強を
続けていきたい。本を読んだり、調べたりしても
出てこない、ヒントが講演の中にたくさんあり、
とてもワクワクした。

長野集会での講演報告

全国学習交流集会in長野、3日目(8日)の講演のご報告です。

前日(7日)の夕方に長野市内入りし、
岡山からの参加者、群馬、愛知のみなさんと懇親会。
健全に21時にはホテルに帰り、23時就寝。

翌日の会場は、昨年末にも長野民医連の
奨学生合宿で講師にこさせていただいた長野中央病院。

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これは講演終了後、うしろから撮った写真。

講演(80分)では前半、
学習運動の意味を、
「労働者が労働者のことばをにぎる」
「自分の可能性や価値を取り戻す」
などの角度から語らせていただきました。
自分の歩みとも重ねて。

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こんな感じでしゃべってました。

中盤は、人間の尊厳・個人の尊厳の意味を確認しつつ、
安倍政権に対峙する方法としての草の根からの民主主義、
学びの場でも、
個が生きる「あり方」をつくっていくことの大切さを語りました。

後半は、個人の尊厳を生かした学びの場づくりとして、
岡山労働学校での具体的工夫、長久の実践例、
さらに、いくつかの角度で「学びあう場」を
どうつくるかを考えてもらいました。

「学習会のタイムスケジュールを考えてみよう!」
のワークがとても好評でしたね。
こんなことしたの、たぶん参加者全員初めてだったと思います。
(ぼくも初めてでした)

具体的にはレジュメにも載せましたが、
設定は、
*○○学習協が主催する「憲法cafe」
*対象:労働組合や地域の若い人たち
*目的:憲法を考えてもらうきっかけに。
*20名集まったと仮定。職種バラバラ。
*時間は木曜日の18:30~20:30。
*講師は、わかりやすい話で定評のある若手女性弁護士に頼むことができた。
ということにしました。

そして、レジュメのなかに、下の枠を入れておきました。

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で、各自に書き込んでもらう時間をつくりました。

それで、会場から6人つのって(うち2人は指名しましたが・・・)、
ホワイトボードに自分の書いたものを書いてもらいました。
男女3人ずつ、若手とベテランのバランスにも配慮しました。

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書いてもらっているあいだ、会場のみなさんには、
「まわりの人と書いたことを交流してください~」
とシェアをお願いしました。

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だいたい書き終わったら、ホワイトボードに書いた方1人ひとりに
「どうしてこのスケジュールにしたのか」を説明してもらいながら、
会場全体にも紹介していく形にしました。

これは見事にバラバラで、
年代での違い、学習経験での違い、感性の違いなど、
「違いを楽しむ」ことにもなったかなと思います。


最後に、こうした「学びの場のつくり方」は、
小手先の問題ではなく、思想の具現化だということ、
憲法的価値を身につけた活動家になりましょうという呼びかけ、
「楽しい!」「また来たい!」と思えるような
学習会を1回1回真剣勝負でつくっていこうと訴えました。

参加者の感想文も今日いただいたので、
またご紹介します☆

簡単ですが報告おわり。

広島にて講演の予定2つ

【お知らせ】
広島にて女性の集会で講演します。どなたでも参加できます。
どちらもジェンダーに力点をおいた「講演」ですが、
参加者どうしの交流やワークショップも入れながらやります☆

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*10月28日(日)10時~「働く女性の中央集会第1分科会」。
テーマは「誰もが8時間働いて普通に暮らせるように」
参加費1000円。(チラシには日程書かれていませんのでご注意)



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*11月24日(土)13時~「女性9条の会ひろしま・12周年記念のつどい」。
テーマは「安倍改憲で24条はどうなる」。
資料代700円。(チラシは日曜日になっていますが土曜日です!)

なぜ私たちは働くのか?

92期岡山労働学校・第2講義は
「なぜ私たちは働くのか?!」

先週、参加者から多く出された問いは、
そのものズバリ「なぜ働くのか」。

命や健康や自分の時間を削りながら、それでも働く。

なぜこんなことに?

この問いをみんなで考えます。
10月11日(木)18時半~。単発参加OK。詳細チラシ。

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「学びあう場のつくり方」(長野集会レジュメ)

(とりあえず、長野集会での講演レジュメをアップします)


一。学習運動と私
 
1。新しい視野の獲得―私のあゆみとも重ねあわせて

   「“労働者としての医師の働き方”という、たんに“医師とし
   てどうなりたいか”という考えではない考え方ができて新
   鮮でした」(医学生さん感想)

  ◇労働者が「労働者のことば」をにぎること。

   *どんな言葉を持っているか。世界の認識が違ってくる。

   *長久が20歳のとき、岡山労働学校に通っていていち
    ばん印象に残ったのは「搾取」の話だった。搾取は学
    ばないと見えない。学ぶと世界を見る自分の目が変わる!

    「学習は、その知識、概念が持っている意味や価値を丁
    寧に解明し、既習の知識や認識の体系に対する揺さぶり
    や組み替えをもたらしつつ、まさにそのネットワークの
    組み替えをともなって進むとき、すなわち認識が組み替
    わるとか、いままでの考えが変わるとか、わからなかっ
    たものが見えるようになるとか、自分の感性や感情ある
    いは価値観が組み替えられるなどの内的な構造の変化、
    主体の組み替えをともなって進むとき、印象的かつ感動
    的なものとして実現される」
      (佐貫浩『学力と新自由主義』大月書店、2009年)

   *たとえば「労働者」という自分自身を表す言葉。

   *「団結する」「連帯する」という言葉を、労働者は自分
    たちの生き方としても使う。もちろん労働者だけの専売
    特許ではないけれど、労働者が人間らしく生きるために
    欠かせない言葉。そういう道が見えてくる。選択肢がふ
    える。自由になる。

    「世界をあるがままのゆたかさでとらえうるような、そ
    んな目を私たちはもちたい。ゆがんだ眼鏡は、世界をゆ
    がんで見せる。私たちは、ちゃんとした眼鏡がほしい。
    哲学への要求がそこからはじまる。・・・ちゃんとした
    眼鏡をかけたことのある人は知っていよう、はじめてそ
    れをかけたときのことを。それまで、木の葉はぼうっと
    かすんで見えていた。木とはそんなものだと思っていた。
    が、眼鏡をかけたとたんに、木の葉の一枚一枚が、した
    たる緑とあざやかな輪郭をもって目にとびこんできた。
    世界がそのあるがままの新鮮さで私たちに迫ってくる、
    そんな眼鏡を求めて、私たちは哲学にむかうのである」
      (高田求『人間の未来への哲学』青木書店、1977年)

 2。学習教育運動の学習内容はどのようなものか
  ◇当面するたたかいの課題、情勢をきりひらくための学習
   *政治・経済情勢、憲法、安全保障、雇用問題、税制、
    社会保障、国際関係・・・
  ◇労働組合の組織強化のための学習(担い手育成)
   *労働組合の基礎的学習、労働法や権利学習
  ◇働くこと、生きること、人間らしさなど、根源的な問い
   かけにこたえる学習
   *いわゆる、そもそも論。社会とは。人間とは。労働者とは。人権とは。
  ◇科学的社会主義の基礎的理論(系統的・全体的に学びたい)
   *マルクスとエンゲルスが基礎づけ、発展してきた社会変革の
    ための思想と理論
   ・哲学―考える力。そもそもを問う。事実をたしかめる姿勢。
    現象から本質へ。結果から原因へ。部分から全体へ。変化の
    法則性。過程としてとらえる。木も森も。
   ・経済学―商品、貨幣、労働力、賃金、資本、搾取。搾取強化。
    富の蓄積と貧困。資本主義の歴史。その矛盾。労働者階級の
    力への認識。
   ・階級闘争の理論(社会発展の理論)―社会を動かす原動力。
    組織の力。労働運動。政治に強くなる。変革の道すじ。処方
    せんとその方法を具体的に。

  ◇歴史的につくられてきた学習運動の具体的形態
   *『学習の友』、勤労者通信大学、労働学校、講座やセミナー、
    学習サークルなど。
   *大事なことは、いずれも集団学習を組織しながら運動を
    広げるということ

    「自分の可能性をおさえつけ、自分に自信をなくさせてき
    たものの正体をあきらかにすること。それによって自分の
    可能性、自分の力、自分の価値を発見し、それを思いきり
    伸ばす素地をやしなうこと。それがほんとうの学習です」
     (勤労者通信大学編『あなたの疑問に答える 哲学教室』
                     学習の友社、1973年)

二。学習運動と個人の尊厳
 
1。「人間の尊厳」と「個人の尊厳」

    「日本国憲法は『個人の尊厳』にコミットした。これに対
    し、ドイツ基本法は『人間の尊厳』にコミットしている。
    人間の尊厳という場合、人間以外のものとの対比を含意す
    るから、人間の尊厳を侵してはならないという基本法の命
    令は、人間を非人間的に扱ってはならないこと、人間とし
    てふさわしい扱いをすべきことを意味する。ナチスによる
    非人間的な扱いの経験が背景にある。これに対し、個人の
    尊厳は、個人と全体(社会・集団)との関係を頭に置いた
    観念であり、全体を構成する個々人に価値の根源をみる思
    想を表現している。この言葉が、特に結婚・家族に関する
    原則を定めた24条で用いられたのは、偶然ではない。戦前
    には、社会における最も基礎的な集団である家族関係が、
    個人より集団(家族)を重視する価値観を基礎に形成され
    ていた。この反省が背景となっているのである。このよう
    に、個人の尊厳と人間の尊厳とは、直接的な問題意識を異
    にする。とはいえ、個人の尊厳は、個人を全体の犠牲にす
    ることを禁ずるのみならず、非人間的に扱うことも当然に
    禁じていると解するべきであるし、また、人間の尊厳も、
    個々の人間を全体の犠牲にすることを禁じているはずであ
    るから、その意味で両者の価値観に基本的な差異があるわ
    けではない」
   (高橋和之『立憲主義と日本国憲法 第3版』有斐閣、2013年)

  ◇個人の尊厳・人間の尊厳を乱暴にふみにじる安倍政権
   *違う意見や考えの人間とは交わらないし排除する、弾圧と抑圧、
    嘘と隠蔽・・・
   *民主主義の場づくり
     ―安倍政権がつくりだした「分断社会」への対峙方法として

 2。個人の尊厳を生かした草の根の場づくりを
  ◇「個人」とは何か―人権の担い手・使い手としての人という意味
  ◇最近講師でいった、ある職場の研修会での経験・・・
   *一方的で、受け身。「全体」のなかで「個」が生きていない。
    数という抽象に。

  ◇身近な人間関係のなかで、憲法的価値を育て、取り戻す

   *あなたがこの場にいることに、価値や意味がある

   *対話や交流が生まれる場を草の根でつくる。他者との対話を
    通じて、私たちは自分の考えを相対化できるし、一致すると
    ころも見つけ出すことができる。自分や仲間の育ちをうなが
    すのも、「私の意見を表明する」という過程を通じて。

  ◇学びあう場(学習会)のなかでも
   *講師や主催者に学習会はおまかせではなく、参加者一人ひと
    りが学びの場づくりに参加してもらう仕掛けをつくる。受け
    身やお客さんでなく、参画してもらう。
   *自らの頭で考え、対話し、新しい視野をひらき、仲間とつな
    がっていく。それが個人の尊厳がうたわれている状況のもと
    での、ふさわしい学習会のあり方。なにより、そのほうが楽
    しい。楽しいは、継続の力に。
   *とくに若い人は、そうした場の積み重ねが民主主義的な
    トレーニングにもなる。

  ◇学習運動の学びの場も、憲法的価値が実感できるようなスタイルに


三。個人の尊厳と学びあう場のつくり方-具体的に考えてみる
 
1。今年1月に開催された「労働学校交流会2018in倉敷」での
   レジュメより
  ◇労働学校の具体的活動―総合力が問われる。技術交流が大事。

   (1月にブログに載せたのでここは省略します)

 2。学びあう人たち(集団)の関係性の質が、学びの質に影響をおよぼす
  ◇学習会導入部の大事さ(どんな人が来ているの? 交流時間をつくる)

  ◇1人ひとりに参加してもらう(長久の実践例)

 3。考えてみよう
  ◇たとえば学習会で、講師の話を受けてのグループ感想交流。
   *参加者は21人。さて、何人グループに分ける?
   (人数のほかにも考える要素はたくさんありますが、あえて除外)

    ①11人+10人の、2グループ
    ②7人+7人+7人の、3グループ
    ③6人+5人+5人+5人の、4グループ
    ④5人+4人+4人+4人+4人の、5グループ

  ◇空間配置(イスと机をどう並べるか)。
   講師との距離。会場の明るさ清潔さ。

  ◇いい感想文用紙って?

  ◇学習会のタイムスケジュールを考えてみよう!
   ≪設定≫
   *○○学習協が主催する「憲法cafe」
   *対象:労働組合や地域の若い人たち
   *目的:憲法を考えてもらうきっかけに。
   *20名集まったと仮定。職種バラバラ。
   *時間は木曜日の18:30~20:30。
   *講師は、わかりやすい話で定評のある
    若手女性弁護士に頼むことができた。

   ■小手先の問題ではない。根底にある思想の具現化。

 3。私たちの力が育ちあう、学びの場をつくろう!
  ◇いつの時代でも、私たちは岐路にある。問われている。
   未来を引きよせたい。
  ◇あきらめないことは、あきらめることより、ずっと大変
   *つながりあうこと。1つひとつの集まりの場を、高まりあいの場に。
  ◇憲法的価値を身につけた活動家になろう!
   *憲法21条には、集会・結社・言論・出版・その他いっさいの
    表現の自由がうたわれている。集まる、話しあう、書きあう、
    伝えあいを継続する。
   *1人ひとりが人間らしく生きていくうえで不可欠な自由である
    と同時に、集団や社会に民主主義を浸透させ、私たちの力を育
    てあうために欠かせない人権。
   *民主主義を、それぞれの日常の場にしみ込ませていく努力が
    必要。そうした問題意識、思想と技術をもった活動家になろう。

さいごに