長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

その島の、銀翼の、花咲舞が、助け合いたい

最近読み終えた本。
少々疲れているため、難しい本は読んでいません。


『その島のひとたちは、ひとの話をきかない
      ~精神科医、「自殺希少地域」を行く』
           (森川すいめい、青土社、2016年)

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日本で自殺率がとても低い地域(自殺希少地域と
いうらしい)に、精神科医の著者がフィールドワークに出て、
その要因を探る、という内容。その特徴は、

①困っている人がいたら、今、即、助ける
②人間関係は疎で多
③意思決定は現場で
④見て見ぬふりができない
⑤解決するまで関わる
⑥不確かさに耐える/寛容
⑦対話主義。


『銀翼のイカロス』(池井戸潤、文春文庫、2017年9月)

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半沢直樹シリーズ第4弾。航空会社(モデルはJAL)を
めぐる銀行の債権放棄の話。
うーん、半沢直樹シリーズではイマイチか。
航空労働者のことがまったく描かれない。銀行中心のストーリー。


『花咲舞が黙ってない』(池井戸潤、中公文庫、2017年9月)

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テレビドラマにもなった、あの花咲舞の続編。
相変わらず相馬との軽妙なやりとりがおもしろく、
トントン読める。
半沢直樹も登場するとは、なかなかやりますな。


『助け合いたい』(さいきまこ、秋田書店、2017年10月)

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漫画。雇用環境の劣化、貧困な社会保障が
凝縮した内容で、読んでいてしんどかった・・・。
でもよく取材されていて、ポイント押さえてるなあーという感じ。

家族による助け合いの限界、
生活保護に対するスティグマ(恥だと思う)なども。
人権感覚をもった医療ソーシャルワーカーが神に見えた。

おすすめ。必読です。

歴史を学ぶことを大事にしてほしい。

いま『学習の友』に連載している「労働組合のむこうに」。
2回目となる11月号には、
女性労働者たちのたたかいの歴史をふりかえりながら、
いまある現実をつくってきた力について書きました。

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「よかった」という感想がいろいろなところから
届いています。こんなに早く感想が届くのも初めてかも。

どんなに現実が強固で変わらないように見えても、
仲間と手をつなぎ声をあげてきた人びとの努力により、
変化はつくられてきました。
歴史を学ぶことで、それが見えてきます。

歴史を学ぶことを、あらゆる運動のなかで、
もっともっと大事にしてほしいと思います。
歴史を学べば強くなれます。
いろいろなことが見えてきます。

総選挙明けの本日、
気持ちをあらたに次の努力を開始していきます。

2回目の原稿の最後の部分を引用します。

*   *   *   *   *   *

 今年はじめ、イギリスの女性参政権獲得のため
の壮絶な闘いを描いた『未来を花束にして』とい
う映画をみました。「あきらめない」ことは、
「あきらめる」ことよりずっとたいへんなことだ
と痛感しました。「ここまでしないと、女性たち
の声は届かなかったのか・・・」と。まさに苦闘で
した(ぜひ映画をみてください)。
 じっさい、声をあげても現実はすぐに変わらな
いことも多いと思います。ときにはあきらめ、絶
望することもあるかもしれません。声をあげ続け
る勇気、たたかい続ける覚悟は、1人では支えき
れません。でも仲間がいれば、あきらめない力が
わいてきます。
 頑張れないときも、仲間がいればちょっとお休
みもできます。ジグザグありながらも、たくさん
のあきらめなかった人びと闘いが、新しい現実を
つくり出してきました。それが歴史の教訓です。
人間らしさにこだわり、仲間の力を最大限むすび
つけ、仲間とともに現実を変えるために行動する
労働組合の役割は、今もこれからも、とても大き
いのです。

*   *   *   *   *   *

気持ちは晴れませんが、進んでいきます。

台風一過の快晴です。
でも気持ちは晴れません。

またまた安倍政権が続くと思うとうんざりですが、
これが現実なので、またがんばるしかないですね。

でも、がんばり方は、
もっともっと練らないといけない。
ただがんばればいいのではない。

運動と組織を強くしたい。
労働運動も大きくしたい。

自分たちの力が大きくなっていると
実感しながら、選挙をむかえたい。
わくわくする選挙にしたい。

相手は強大で、なんでもやってくる。
そんな相手にも勝てる力量をつけるには、
10年・20年かかるかもしれない。
運動と組織を強くする方針と戦略が必要です。

また1日1日進んでいきます。
私も、もっともっと力をつけたい。

投票日まであと2日。そわそわするけど。

投票日まであと2日ですね。
奮闘されている全国のみなさんに敬意を表します。

先日期日前投票で、
選挙区も比例も共産党に入れてきました。
自公政権がくつがえることはなさそうな情勢ですが、
1議席でも少なく、そして立憲野党が伸びればと、
心そわそわする毎日です。

今回わたしは、家庭事情もあり、
かつてないほど活動に出れていません。

仕事時間もかつての半分になっていて、
限られた時間内で「しなければならないこと」を
なんとかこなしている日々です。

まあ人生こういう時期もあるわなと、
わりきって考えるしかないわけですが。

次のたたかいを見すえつつ、
自分に今できること、これからしたいことを
考えながら進んでいます。

『健康格差―不平等な世界への挑戦』

『健康格差―不平等な世界への挑戦』
      (マイケル・マーモット著・栗林寛幸監訳・野田浩夫訳者代表、
                    日本評論社、2017年8月)
を読み終える。

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WHOにおける健康の社会的決定要因(SDH)の
報告づくりを主導した公衆衛生の医学者。
広い見識とヒューマニズム、そして科学的思考。
とても勉強になる。
訳者はほとんど民医連のお医者さんたち。民医連すごい。


以下、自分用のメモ。

「せっかく治療した患者を、なぜ病気の原因となった
環境に戻すのか?」(3P)

「医師として私たちは病人を治療するように訓練され
ている。当然だ。しかし、行動と健康が人々の社会的
条件に結びついているならば、社会的条件を改善する
のは誰の仕事であるべきかと私は自問した。医師が、
少なくともこの私が関与すべきではないのか? 私は人
々の健康の改善を手伝いたいと思うからこそ医師になっ
た。人々が病気になったときに治療だけすることがせ
いぜい一時しのぎでしかないとしたら、医師は人々を
病気にしている条件の改善に関わるべきだ」(6P)

「不平等の底辺にいると、活力も生活のコントロール
も奪われ、結果として健康が損なわれる」(8P)

「社会的地位と健康の関連を私は健康の社会的勾配と
名づけた」(13P)

「ストレスを引き起こすのは、仕事における要求の高
さではなく、要求の高さと裁量の低さの組み合わせだ
った。・・・上にいる人は心理的な負担は大きいが、裁量
の余地も大きい」(16P)

「自らの生活・人生に対するコントロールということ
が、裕福な国では社会的地位の高い人のほうがより健
康である理由を説明する仮説として優勢になった」(16P)

「自己裁量の範囲が健康にとって重要」(16P)

「生活に対するコントロールを奪うことは、ストレス
を与え、精神的・身体的な疾患のリスクを増大させる。
エンパワーメントの政治的次元は、あなた自身、あな
たのコミュニティ、そしてあなたの国のためにあなた
が発言できるということにかかっている」(48P)

「社会経済的階層における地位が低いほど、人々は自
分の生活をコントロールしにくい」(49P)

「健康の不平等は、人々を病気にする社会的条件から
生じる。一方、医療というのは病気になってしまった
人の治療に必要なものだ。医療の不足が不健康の原因
でないことは、頭痛薬の不足が頭痛の原因ではないの
と同じである」(75P)

「エンパワーメントとは、人生に意味を与える基本的
自由を謳歌する能力を発達させることだ」(114P)

「教育は、・・・あなたが十分な情報に基づいて生き抜く
力を高め、自分の社会や文化の価値を学び、より広い
コミュニティと自らの人生を左右する政治的決定に参
加し、自由を行使し、権利を主張できるようになる」(146P)

「力を持つ者は、夫であれ支配的民族集団であれ専制
的権力者であれ、弱者を餌食にする」(156~157P)

「劣悪な労働環境は健康の不公平の主要な原因である」(173P)

「高い要求と低い裁量、努力と報酬の不均衡、社会的
孤立、組織の不正義、雇用不安、交代制勤務。これら
は単独でも病気のリスクを増大させる。混ぜ合わされ
ると、有毒なカクテルとなる」(181P)

「労働環境を改善する一つの方法は、労働者を組織す
ることだ」(192P)

「失業は健康を害し、仕事は決定的な重要性をもつ。
仕事が『良い』性質のものであると、人に力を与え
る」(197P)

「最低所得には、食事と住まいに必要なものだけでな
く、尊厳のある生活を送り、社会に居場所を持つため
に必要なものも含まれる。高齢者は移動のため、社会
に参加するため、孫にプレゼントを買うためのお金が
必要だ」(212P)

「緑のある場所に住んだり、緑に親しんだりすること
が精神衛生に良いという根拠が豊富にあることがわか
っている。いまや世界中で大半の人が都市に住むよう
になったので、重要な問題は都会の緑地だ」(250P)

「健康の社会的決定要因についての取り組みが、人々
に力を与えるならば、人々に自らの生活をよりコント
ロールさせるための一つの方法は、必要なときに所得
水準を上げることだ。ゆえに、社会的保護として知ら
れる、高齢者、遺族、障がい者、健康、家族、積極的
な労働市場プログラム、失業や住宅政策などへの支援
に対して国家がどれだけ支出しているかを見るべきだ」(274P)

「大きな不平等の存在により、私たちはますます貧困
層と社会的に排除された人々が中間層とは違う世界に
住み、富裕層はそれ以外の人々とは別世界に住んでい
ると思うようになる。学校、世帯構成、移動手段、ス
ポーツジム、休暇、態度を分離していくのだ。
 社会生活の鍵は、社会の仲間への共感とつながりと
いう心からの気持ちだ。上層、中間層、下層に仕切ら
れた分断生活は、社会のこの不可欠な構成要素に損害
を与える」(280~281P)

「特に難しいのは、貧困層には情報がないからである」(334P)

『死を前にした人にあなたは何ができますか?』

『死を前にした人にあなたは何ができますか?』
(小澤竹俊、医学書院、2017年8月)を読み終える。

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著者はホスピス医。これまでも小澤先生の著書は
何冊も読んできて、多くのことを教えてもらった。
とくに解決できない苦しみを抱える人への
寄り添い方や援助方法などが、とても参考になる。

本書は医療従事者向けの本だけれど平易に
「死を前にした苦しみ」にどう寄り添うかが
かなり「技術化」された形で語られているので、
誰でも学ぶことができる。


以下、自分用のメモ。

「選ぶことのできる自由を知るためには、その逆を
考えるとよいでしょう。その大切さが見えてきます。
私たちが当たり前と思う1つひとつのことを、もし
選べなかったとしたら、いかに大きな苦しみとなる
、考えてみましょう。
 たとえば毎日同じ食事のメニューしか選べなかっ
たら、きっと嫌な気持ちになるでしょう。自由に
外出したいのに、いつも決まった場所でしか過ごす
ことができなければ、不自由であり、苦しいと感じ
ることでしょう。1人の人間として、食事のメニュー
を選んだり、好きな場所に出かけたりしたいという
ことは、選ぶことができる自由であり、基本的人権
です」(63P)

「人生は選択の連続です。どの学校に行くのか、理
系・文系どちらを選ぶのか、どの仕事を選ぶのかな
ど、私たちは子どもの頃から選び続けてきました。
そして、人生の最終段階でも、選ぶことが求められ
ます。
 今、自分の人生の最終段階を想像するのは難しい
かもしれません。しかし、人は選ぶことができる自
由がある時に穏やかになること、逆に、その自由を
奪われると穏やかになれないことを、自分のことと
して深く考えてみてください」(79P)

富山県労連で3回目のわくわく講座

そして長野から移動して16日夜は
富山県労連わくわく講座学習会の3回目。

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この日も約20名の方が参加。これってなかなかすごいですよ。
今回は「労働組合のたたかい方」がテーマ。

要求をなにより大事にする、集まる場の工夫、
民主主義的運営、要求の重層性、
労働組合の社会的役割、選挙の話も少々。

グループに分かれての感想交流もしっかり。
毎回思いますが、職場をこえて集まる場は貴重。
県労連の役割大事です。




富山駅前のビジネスホテルに泊まり、
朝から移動し、さきほど岡山に帰ってきました。
午後は事務所でお仕事です。

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北陸新幹線も乗りなれました。

長野前泊→午前中長野民医連で講師→
夜富山県労連で講師→富山泊→岡山へ帰る、
のパターンを夏以降3回してきましたが、
来月で最後です…!

でもぜんぜん富山観光してません(+_+)。

長野民医連新入職員研修 温泉宿で1泊研修すごいぞ

きのう(16日)の午前中は、
長野民医連新入職員研修での講師仕事。
「ものの見方・考え方ー民医連職員としての成長」
というテーマで休憩はさみ2時間。

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前半のテーマを「生活と労働から疾病をとらえる」、
後半を「憲法、人権感覚」としました。
1年目のみなさんなので、
民医連綱領ってすごいんだぞーというのを
まずふれてもらいたく。

それにしても、
1年目職員研修を温泉宿で1泊2日の勤務保障して
するってなかなかすごいことです。
2日目は子どもの貧困問題について学んだようであります。

会場は諏訪湖のみえるお宿でした。しかし雨のため視界イマイチ。

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この日は約90名の参加で、
2回に分けて来月も100人規模で同じ研修合宿です。
人数多いためパワーポイントでの講義にしました。

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そしてこの日、また新たな講師仕事の打診を受ける。
どうも長野民医連のみなさんに好かれてしまったようです・・・。

働き方にこだわろう。岡山県医労連パート部で。

今日(15日)午前中は、
岡山県医労連のパート部集会で講師仕事。
「労働組合のそもそも~働き方にこだわろう」がテーマ。
1時間ほどしゃべりまくり。
ランチを食べたあと、感想交流などするようです。
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岡山市内の某ホテルの一室にて。


以下、講義の大枠です。

一。生活することと、労働条件
 1。生活がその人らしさをつくる。自分らしさ形成の場。生活は人権。
  ◇生活は、1人ひとりにとっての「小宇宙」
  ■生活は壊れる危険がある。生活が壊れることは、人間にとって
   たいへんな苦痛となる。
  ■生活を支えるのは「お金」「時間」「健康」「人間関係」「社
   会的労働」「政治」「平和」

 2。生活にゆとりがあれば、「文化的に生きる」条件が広がる。
  ◇「ゆとり」とは・・・。

 3。労働条件を交渉する―労使関係
  ◇「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」
   (労働契約法2条)
  ◇立場の強弱がはっきり。尊厳が侵害されやすい領域。
   それは労働条件にあらわれる。

二。家事労働の役割負担をいびつにする日本の「働き方」
 1。有償労働の長時間化
  ◇残業大国ニッポン。とくに正規労働者の長時間労働が野放しに。
  ◇『18時に帰る』(プレジデント社)より

 2。ジェンダー規範
  ◇ジェンダーとは、歴史的・文化的につくられた男女の性別役割分業論
  ◇しかしジェンダー規範が色濃く残る日本(あらゆる場所で)
  ◇家事育児を「やっているつもり」の旦那へ見せた執念の分担図
   (「SELECT」2016.2.7)
  ◇家事労働は女性に集中。2015年国民生活時間調査より
   (NHK放送文化研究所)
  ◇「子育てだけ」が招く社会的孤立。育児責任の集中。ワンオペ育児。

 3。家事労働ハラスメント(尊厳を奪う)

 4。企業にとって都合のいい「女性の労働力」活用-背景にある財界の戦略
  ◇雇用の調整弁としての女性の労働力の活用
  ◇女性の肩に「家庭責任」を一手に背負わせてきた

 5。労働時間・余暇時間・生活時間のバランス
  ◇そのバランスを、自分でつくりだしていく。変化に対応する。
  ◇労働時間を制限すること、調整できることが最大のポイントに。

三。余暇のもつ力
 1。休みは人権。尊厳に直結する余暇。
  ◇世界人権宣言24条「何人も、労働時間の合理的な制限と定期的
   な有給休暇とを含む休息および余暇を得る権利を有する」
  ◇人権感覚をみがこう。支えあおう。
        ―私にも尊厳がある。すべての人にもある。

 2。余暇とはなにか―「豊かさ」の考え方の発展が求められる
  ◇働くこと(有償&無償労働)から離れた時間
  ◇なにものでない「私」を生きる時間
  ◇自然のなかで生きる。受けとめる時間。
  ◇余暇は「新しいつながり」を紡ぐ時間
  ◇文化。学問や芸術を生み出す時間。または享受する時間。
   スポーツ、映画、娯楽。
  ◇社会参画の土台
    ―社会運動・労働運動・ボランティアなども余暇時間が必要

 3。「余暇を楽しむ能力」は、医療や介護にも必要な力につながる

気が早い。明日はビラまきしよう。

今日午後は仕事上のとある原稿書きに没頭。

資本主義社会は「つくる」と「つかう」が極度に分離した社会。
「買う」という生活行為の比重が大きくなった。
商品の2つの性質は使用価値と価値で・・・。
価値の大きさはこのように・・・。

久しぶりに、経済学をわかりやすく説明するのに頭を使った。
楽しい。


気が早いけど、
3冊目の本は、社会科学(とくに経済学)を
若い人むけにわかりやすく書いたものにしたいなーと妄想。


家庭事情で
なかなか選挙活動はできてませんが、
明日はビラまきしよう。

クルマ社会と子どもたち

『クルマ社会と子どもたち』
(杉田聡・今井博之、岩波ブックレット1998年)を読み終える。

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交通事故を無数に引き起こすクルマ社会の異常、
かつて人びとの生活空間・子どもの遊び場だった道の変質、
変わるべきは車優先の道路環境…。

コンパクトに学べます。

日本の選挙において、
交通政策が議論になるのはいつの日になるのでしょうか…。


以下メモ的に。

■子どもたちのようなこんな弱い者のそばを、これ
だけ危険なものが走っているという事実に問題がな
いのでしょうか。(5P)

■列車が走る空間は限定され、管理されていますか
ら安全なのです。ところが自動車はどうでしょうか。
自動車は、ごく普通の日常空間を走るのです。そこ
には何があるでしょうか。もしくはだれがいるでし
ょうか。(21P)

■事実として道はかつて遊び場だったこと、そして
道を遊び場として保有することは子どもにとっての
権利だということです。ところが子どもにとって権
利の対象であるはずの道も、結局奪われてしまいま
した。たぶん、事実として道が奪われただけではな
くて、その権利性が自覚されないまま奪われてしま
ったのです。(31~32P)

■大人の側が自由気ままに車を使って、私に言わせ
れば勝手放題に、野放図に車を走らせて、路地裏だ
ろうが生活道路だろうがどこへでも入りこんで、子
どもを危険にさらして、そして実際に毎年何百人も
の子どもの命を奪っているのです。そのとき、「交
通事故から子どもを守るために」などと言っていい
のでしょうか。(38P)

■子どもが子どもらしく行動した結果、命を奪われ
るような社会は、歪んだ社会なのです。過失を犯し
たといって子どもを責める前に、たった一つの過失
のために、子どもが命を奪われてしまうようなシス
テムを作った社会の歪みが、問われるべきなのです。
(56~57P)

■基本的に人と車を分けるーその方向で社会は努力
すべきだと思います。(60P)

■やはり交通の絶対量を減らす努力も必要だと思い
ます。そのためには当然ながら、公共輸送機関をた
くさん利用できるようなシステムが不可欠だと思う
のです。たとえそれがマイカーに比べて常に不便だ
ったとしても、子どもたちやお年寄りの安全と安心
が得られるのなら、どちらを優先する社会が豊かな
社会かは明らかです。それに公共輸送機関があれば、
高齢化社会にあってもお年寄りが安心して暮らせま
す。もちろん、自動車メーカー、ディーラーの企業
活動の規制も考えなければなりません。こんな異常
な状況をもたらしている以上、「企業活動の自由」
などと安易に言うことはできません。そしてもちろ
ん、ここまで子どもたちやお年寄りを窮地に追い込
むシステムはおかしいということを、行政機関、自
動車会社を含め、国民が理解できるようでなければ
困ると思うのです。(60~61P)

■クルマではなく人が道の主人公であってほしいと
思います。(61P)