長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

ハラスメントの学習会

昨夜(11日)は、
倉敷医療生協労組の月イチ有志学習会の4回目。
それ、ハラスメントです!」がテーマ。

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先月参加された方から、
つぎはハラスメントを学びたいと要望が。
で、今日その方の職場実態を聞くと、典型的なパワハラで。
人権侵害であるハラスメントにどう向き合うかは、
労働組合や労働者が試されてる課題と痛感しました。

ハラスメントを詳細にガッツリ学ぶというよりは、
意見交換をメインにした学習会でした。

ごく簡単なレジュメは、以下。

1。なぜ「ハラスメント」を学びたいと?
 それぞれの体験なども交流できれば。

2。職場のハラスメント
 ◇大和田敢太氏のハラスメント定義

  「労働者に対して、精神的あるいは肉体的な影響を
  与える言動や措置・義務によって、人格や尊厳を侵
  害し、労働条件を劣悪化しあるいは労働環境を毀損
  する目的あるいは効果を有する行為や事実」

 ◇個人的な問題として処理されてきた従来の「いじめ」
  から、社会や職場の構造的な問題・課題である「ハラ
  スメント」という考え方に変わってきた。
 ◇認定にあたっては、加害者側の「意思・目的」は原則
  考慮外。「行為や事実」で判断。
 ◇労働局への相談でもっとも多いのがハラスメント事例
 ◇「○○ハラ」と細分化してハラスメントに名称をつけているのは日本だけ
 ◇したがって、言葉の用途方や定義もかなりバラつきがある
 ◇ハラスメントを包括的にとらえ防止したり
  規制する法律がないのが日本の現状
 ◇「国際労働機関(ILO)総会は8日、職場でのセクハラを
  含むハラスメントをなくすため、拘束力を持つ条約を制定す
  べきだとした委員会報告を採択した。報告はあらゆる形態の
  暴力とハラスメント禁止を明記。世界各地で性被害を告発す
  る「#MeToo」(「私も」の意)運動が広がる中、国際
  社会は職場でのセクハラ全面禁止に踏み出す」(毎日新聞6月8日)

■参考文献
 ・『それ、パワハラです~何がアウトで、何がセーフか』
  (笹山尚人、光文社新書、2012年)
 ・『部長、その恋愛はセクハラです!』
  (牟田和恵、集英社新書、2013年)
 ・『職場のハラスメント~なぜ起こり、どう対処すべきか』
  (大和田敢太、中公新書、2018年)


以下、何人かの感想文です。

■久しぶりに、いろんな方の話がきけました。すこし
力がわきました。

■ハラスメントについて色々話が出来て個々の考え方
もそれぞれあるなと思いました。意見交流会は勉強に
なりました。職場での悩みを聞いてもらえて、やはり
ハラスメントだと再認識できて、今後の対応も考えれ
て少しは前向きに考えられたような気がします。1人
1人が、もっと意識を持って言えるようになる職場に
なれば良いけど、今の状況ではほぼ無理なんだろうな
と・・・。

■交流のなかで実際にリアルな話をきいて、びっくり
しました。ハラスメントの定義について系統的に学ぶ
ことができました。ハラスメントのない職場や社会の
ために、しっかり学んで広げていかないといけないと
思います。

■ハラスメントがどんなものか知ることができました。
他の人のことを考えたり、思いやりをもって働けるよ
うな心の余裕が必要だと思いました。