長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

寒いのが嫌いと理由をつけ・・・

寒くなってくると、どうしても気持ちがあがらない。
寒いのがきらいだからである。

夏は「暑いから」・・・と仕事をサボり、
冬は「寒いから」・・・と仕事をゆるめる。

春と秋がいいなあ。仕事するには。
あ、いま秋か。

11月も、労働学校をお休みしているので、
岡山県学習協独自の取り組みはありません。

でも講師活動は今月18回あって、
現在3回まで終わってます。
あと15回・・・。今月は後半がつまってます。
がんばります。

書き物仕事はいっこうに進みません。ああ。

病気、99%、文学部、沖縄戦、立憲主義、74歳、今日が

最近読み終えた本。
時間がないので、ツイッターでの紹介文そのままです。
はい。こんなぼくを許してください。


『病気と家族』(徳永進、集英社文庫、1996年)

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鳥取在住の臨床医である徳永さん。
これまでも数々の著作から学んできましたが、
これはかなり若いときの記録というかエッセイというか。
若さゆえの理屈っぽさも。徳永先生にも歴史ありですね。


『99%ありがとう~ALSにも奪えないもの』
          (藤田正裕、ポプラ社、2013年)

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)発症までの歩み、
発症から3年ほどの苦闘の記録。気持ちの強い人。
患者と病気のつきあい方は、ほんと、人それぞれだと実感する。


『文学部で読む日本国憲法』(長谷川櫂、ちくまプリマー新書、2016年8月)

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文学的に憲法を読むということであったが、
それに該当するのはまあ1章だけでした。
雑な論議や明らかな間違いもあり、いまいちだった。ざんねん。


『沖縄戦・最後の証言ーおじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由』
                 (森住卓、新日本出版社、2016年7月)

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辺野古や高江の米軍基地建設を阻止する
座りこみに参加し続けている沖縄戦体験者。
その思いを沖縄戦の証言をふまえながら。写真多数。
背負っているものの重さ。伝えたい。


『立憲主義と日本国憲法 第3版』(高橋和之、有斐閣、2013年)

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憲法の再学習をと思い読み始めたが、新しい発見も多く有意義だった。
専門テキストなので一気読みはできずに、とぼとぼ読みで読了。
とくに人権の核心である「個人の尊厳」への理解がさらに深まった。


『74歳、今まで生きてきた中で一番幸せです!』
          (岩崎勝稔、三五館、2016年9月)

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著者は92年バルセロナ五輪で競泳金メダルを取った岩崎恭子さんの父。
「3人の里親生活」「岩崎三姉妹の子育て」
「自らの白血病」を中心にした、さわやか自伝。
共感たっぷり。タイトルがうまい。


『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』
            (小澤竹俊、アスコム、2016年2月)

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本のタイトルだけでは絶対に買わなかった。
でも著者がホスピス医の小澤さんだったので即買。
これまで小澤医師の本は何冊か。
本物の人格者、苦しみに寄り添える医療者です。
本書も気持ちが落ち着く。

トランプ大統領、ですか。

土曜日のTPP学習会、
ちょっと内容考えないとなー。

「かたやトランプ大統領なら、『TPPには署名しない。
二国間FTAでよい』ということだから、日本が一層譲歩
させられた日米FTAが成立しかねない。米国で批准でき
そうにないから大丈夫との他力本願は通用しない。対米
従属の呪縛から解放されないかぎり問題は永続する」
(鈴木宣弘東京大学教授「背筋凍るTPPの真実」
              ―『前衛』11月号論文)

との指摘もあるが。さて。

いずれにせよ、日本政府が主体的にこの情勢を
とらえて動くという可能性は、あまりないでしょう。
ひたすらトランプ様、アメリカ様の出方をうかがう、
ということになるのでしょうね。日米同盟のあり方も。

日本の国会での批准はどうなるのか。
動きが激しい。

「ブルジョアジーは自分自身の姿に似せて世界をつくる」

土曜日にTPPの学習会講師があるので、勉強中なんですが、
マルクス・エンゲルスの『共産党宣言』の資本の捉え方が、
すっごくピタリとくるんだよなあ。すごいな。


「自分の生産物にたいする販路をつねに一層ひろげようと
する欲求は、ブルジョアジーを全地球上に駆り立てる。い
たるところにブルジョアジーは巣をつくり、いたるところ
に居をさだめ、いたるところで結びつきをつくらなければ
ならない」

「彼らの商品の安い価格は、ブルジョアジーがそれをもっ
てあらゆる中国の城壁を粉砕し、未開人のもっとも頑固な
排外心をも降伏させる重砲である」

「ブルジョアジーは自分自身の姿に似せて世界をつくるの
である」 

「これほど巨大な生産手段および交易手段を魔法で呼びだ
した近代ブルジョア社会は、自分が魔法で呼びだした地下
の魔力をもはや制御することができなくなった魔法使いに
似ている」

いつもの話だけど、いつも同じ話ではない

きのう(7日)は、午前・午後と2部構成で
生協労組おかやまのパート部会新入組合員研修。

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いつもの「労働者と労働組合のそもそも」の講義でした。
でも、毎回微妙に話す内容変わるんですよ。あたり前ですけど。

ホワイトボードを使って説明するときも、
自分で書いていて
「あ、こういう説明のほうがわかりやすいや」の気づきがあって、
毎回ちょっとずつバージョンアップしている実感あります。

参加者の感想や反応ふくめ、
こういう場のひとつひとつが、自分を鍛えてくれています。
そしてそれをまた還元していきたいです。

働くことの領域から生きづらさを考えた

きのう(6日)の午前中は、
久米南町にて岡山県母親大会分科会助言者の役割。

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「働くこと-生きづらさの根にあるもの」というテーマ。
私のほうから50分ほどの講義のち、1時間の交流。

参加者のみなさんから職場のこと、
子どもさんの労働実態の切実な話、労働組合のことなどが出され、
有意義な交流ができたと思います。

集会・結社・表現の自由の意味について最後に強調

先週金曜日(4日)の午後は、
新日本婦人の会岡山支部の憲法講座の3回目でした。
3回講座のさいごでした。

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「改憲問題と自民党改憲草案ー憲法を選びなおすために」というテーマ。

日本国憲法の核心ポイントをまずつかみ、
自民党改憲草案を読み解きながら、
憲法を日常に生かす、
集会・結社・表現の自由の意味について最後に強調しました。

感想交流も盛り上がっていましたね☆


レジュメの最後の部分(ほとんど引用ですが)を紹介します。


◇21条「集会・結社・表現の自由」の意味について

 「何かを表現するということは、人間の本質的欲求に深く
 結びついていて、また政治や社会を変える原動力でもある。
 ・・・表現活動が私たちの心や行動に与える影響は、とても
 大きい。そのため、昔から表現活動は、権力者による抑圧
 の格好の対象だったのである」
  (青井未帆・山本龍彦『憲法Ⅰ 人権』有斐閣、2016年)

 「集会・結社の自由を保障する理由は、第一に、それが個人
 の人格の発展に不可欠だということにある。個々人は様々な
 集会・結社に参加・帰属することを通じて自己のアイデンテ
 ィティーを確立し、人格の形成・発展を行う。・・・第二に、
 集会・結社の自由は、政治的力を表明する手段として不可欠
 である。国民が政治過程に参加する場合、集会・結社によっ
 てその力を結集することが可能となるのである。この観点か
 らは、現代のマス・メディアから排除された一般大衆にとっ
 て、集会・結社を通じての表現活動は重要な意味をもつ」
 (高橋和之『立憲主義と日本国憲法 第3版』有斐閣、2013年)

 *1人ひとりの主権者を主権者らしく成長させ、勇気づける
  (empowerする)役割を、集会や結社はもっている。だか
  ら基本的人権であり、奪えないもの。

さいごに
 職場や地域の人間関係のなかで「政治的・憲法的話題」を
 語りあうのはたいへん。訓練が足りないから。まずは、憲
 法をあたりまえに語りあう多様な「集会・結社」を身近に
 つくろう。伝えあい、高まりあい、尊厳の担い手として成
 長しよう。私たちの声をたばねて可視化しよう。憲法の理
 念がしみわたる社会をつくろう。

 

ドタバタしていますが

最近、ちょっと生活上で
変化があって(またちゃんと報告します)、
なかなか仕事に注力することができません。

限られた時間でしっかり役割を
果たすために、より力をみがかないと、ですね。

それにしても、
人とのつながりが、おおきな力だよなあ、
と思う日々です。ありがとうございます。

「働き方の質をみんなで考えていきたい」

きのう(31日)のお昼は、
倉敷医療生協労組の「お昼休み!ろうどうくみあい入門講座」。
水島協同病院にて13名参加。
労働者と労働組合のそもそも編でした。

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以下感想文をいくつか紹介します。

■倉敷医療生協労組があるから私たちは今働きやすい
環境にあると思いました。これからも働き方の「質」を
みんなで考えていきたいです。1人ひとりの尊厳を守る
仲間を広げるのが大切だと思います。

■労働組合の大切さを改めて感じました。人員削減以降、
労働条件がどんどん悪化しています。1人の声では
届きそうにありません。

■子どもが大きくなるにつれ、お金もかかるようになり、
以前よりも働く時間をふやし、ますます自分の時間もなく
なってしまう。今現在、1人の時間は30分あればいい
ほう。生活にゆとりがいるなら、お金のゆとりが必要
だと思うけど、税金などの支払いが多いため、ゆとり
なんて全くない!!

■時間のゆとりをつくろうとすると仕事の時間を減らす
ことになる。労働時間を減らすとお金のゆとりが減る。
バランスをとるのはとても難しい。その中で少しでも
ストレスを少なくするためにみんなで協力して交渉して
いけたらいいと思う。

■文化は、人間を育てる。また参加させてください。

■労働組合とは、人間らしい生活を守るためにつくられ
た。生活にゆとりがない・・・。同感です。

『学習の友』11月号に映画『トランボ』の紹介記事を書きました。

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 「干渉をうけることなく自己の意見をいだく自由」(世界
人権宣言第19条)は、私たちが自分の人生や生活を自分ら
しくつくりあげていく根幹をなす自由のひとつです。思想・
良心を理由に不利益を課すことは、事実上それを侵害するこ
とにあたります。
 そうした侵害に対してたたかったアメリカ映画人の気骨な
生き方にふれられる映画が『トランボ』です。

◆一流の脚本家が赤狩りに
 
『ローマの休日』(1953年作品)といえば、知らない
人はほとんどいない有名な映画です。その脚本を書いたのが
ダルトン・トランボ。一流の脚本家でした。でも、じつはこ
の映画が公開されたときは、脚本は別の人物が書いたことに
なっていました。
 1947年。東西冷戦が激化し、ハリウッドにも「赤狩り
(マッカーシズム)」がふきあれたのです。標的となった映
画人10人のうちのひとりが、トランボでした。その年の
10月に行われた反共キャンペーン下院非米活動委員会によ
る第一回聴聞会に呼び出されたトランボ。そのシーンは映画
の見どころのひとつです。「あなたは共産主義者か、あるい
は、かつてそうであったか?」と問われますが、証言を拒み
ます。その結果、議会侮辱罪で逮捕、禁固刑の実刑判決を受
けます。

◆家族との絆・トランボの生き方
 刑期終了後も、映画界から事実上追放されますが、偽名を
つかいB級映画の脚本を大量に書きながら食いつないでいき
ます。その期間の家族との絆と揺れる心情がこの映画のひと
つの柱になっています。1956年にロバート・リッチの名
で脚本を書いた『黒い牡牛』でアカデミー原案賞を受賞しま
すが、彼の名前は公にされませんでした。『ローマの休日』
も同じ理由で別の人物の脚本とされましたが、見事にアカデ
ミー賞を受賞していたのです。
 こうした歴史の真実も興味深くみることができますし、現
代日本にも共通する問題を感じずにはいられない作品ですが、
なによりトランボの生き方・するどい感性が、おおきな励ま
しを私たちにあたえてくれます。おすすめです。

レストランの従業員さんも聞いてくれていた☆

きのうの岡山県医労連パート集会の
感想文が届いたので紹介します(全員ぶん)。
40分ほどの講義でしたが、ポイントを
しっかり受けとめていただいたようで嬉しいです。

ちなみに、レストランでの講演だったわけですが、
そのレストランの従業員の人も「そうだなぁ~、
と思いながら聞いていた」と主催者さんに話されたのだとか。
思わぬ反応。これもうれし。


■職場に組合があるのは大切なことなのだと思いました。

■とても良かった。労働組合のある職場で良かったと
いつも思っていたが、自分の人権について深く考える
ことがなかったが、話を聞いて、まず自分からと思い
ました。

■組合のことを知らない人に聞かせたい、どうすれば
聞いてもらえるか、なやみます。

■「おかしい」を気づく力、発言すること。労働者は
使用者の言いなりにならないためにも、労働組合の活動
は重要だと思う。ひとりひとりが、ゆとり、自分らしく
生きる、働きやすさを少しずつでも実現していくには、
団結力を強くもっていかないといけない。

■必要であるということを再認識できました。

■労働条件が私たちの生活の質を決めているということを
学習し、最低条件を引き上げていくことが大切である
ことを学びました。おかしいことはおかしいと言える
学習も大切であると教えて頂き、頑張って取り組む必要
があると感じました。

■その人らしく生活をするためには、労働条件は大事で
ある、労働組合があると安心する。

■まず自分自身が自分を成長させていかないといけないと
感じた。

■話の内容はよくわかった。

■生活に「ゆとり」が必要→時間とお金が必要→文化的な
生活・文化的に生きること。人間らしい(自分らしい)
生活ができているか? 現状に慣れてしまわずに、今、
どうなのかを考えることが大切。

■わかりやすかった。

■とても分かりやすかった。パートもきちんと労働条件を
主張できるというのを確認できた。

■パートの処遇の悪さは皆感じている。これをどうやって
訴えて改善していくかが、皆共通の課題なことがわかった。

■自分の人権・尊厳を守ることが、まわりの人たち・患者
さんの人権・尊厳を守ることであるという言葉が心に響き
ました。

■人権を置き去りにすることはできない。幸せは犠牲に
なっている。システムのおかしさにオカシイと言える人に
なりたいですね。仲間がいれば勇気がでてくるので。

■あきらめていたことについて、あきらめる必要なないと
分かって元気になった。

■人権について再認識した。

■とてもよかった。また来たい。

■話は分かりやすく、人権に関わっていることがわかった。

■会社に雇われて働かせてもらって給料をもらって働かせて
もらっているから今の生活が保たれているのは十分わかって
いるが・・・。正規と同じ仕事をしても、パートは保障がない。
パート職員がいるからこそ、会社は利益が出て成り立って
いると思う。フランスの「1週間旅行に行けなかったら貧困」
の話が衝撃的だった。日本は働き蜂だと強く感じます。

■人間らしく生活するために「ゆとり」って大事なんだなと
感じました。仕事におわれて生活はしたくない。

■長久さんの話はいつもわかりやすくて、ためになります。

■労働条件をよくすることが、自分らしく生きていくことの
基本だということがよくわかり、納得できました。“ゆとり”
が大切。これからも残り少ない人生を自分らしく過ごしたい
とつくづく思いました。

労働組合のそもそもからパートあるあるに

きのう(30日)は、11時から
岡山県医労連のパート集会にて学習会講師。
「労働組合のそもそも」というテーマで40分ほどお話。

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会場は岡山市内のとあるレストラン。
素敵な場所でした。

ぼくの話のあと、美味しいランチを食べ、
さらに「パートあるある」「格差を感じるとき」などの
交流をしたそうです(*_*)