長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

職場におけるジェンダーを考える

92期岡山労働学校・第4講義は「職場におけるジェンダー」。

ジェンダーギャップ指数で先進国最低に沈む日本。
その典型が、職場での女性差別。
こびりつく構造を解きながら、誰もが働きやすい職場を考えます。
参加者どうしでたっぷり交流。
10月25日(木)18時半~。単発参加OK。詳細チラシ。

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週末はゆっくりしました。

土曜日の夕食。
ほぼヘルパーさん作(相方指導のもと)。
方の友人来宅し、あれやこれや楽しく。

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どれも美味しくいただきました☆

金曜日は相方の仕事の大先輩3人が午前中来訪し、
マシンガントーク炸裂。爆笑につぐ爆笑。

土曜は石川県のおばから頂き物が届く。

たくさんの人に生きる支えをもらう日々。

この週末は、ほんらい京都旅に行く予定でしたが、
今月上旬に体調を崩したため、中止に。
毎週末からの沖縄に向けて、体力温存。

家でゆっくりしました。
もうほとんど以前と同じ日常に戻っています。

油断せずに、いざ、沖縄へ!

ブッラク職場と労働の麻薬性を考えた

昨夜(18日)は、92期岡山労働学校の第3講義。
13名の参加でした。

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今期は、最初からグループ分けで座ります。
この日も、簡単な問題提起や材料提供をおこない、
グループトークを入れながらの講義でした。

テーマは「ブラック職場を考える」。
ブラックな職場とは? をみなで具体的に考えていきました。
さらに、労働法や労働組合のことについて、
私たちの知識があまりにもない現実を実感してもらいました(笑)。

後半は、労働の麻薬性について問題提起。
この労働の二面性をとらえること、大事だと思います。

以下、レジュメです。

一。笹山尚人『ブラック職場―過ちはなぜ繰り返されるのか?』
                   (光文社新書)より
 
≪目次を書き出してみる≫
  ◇第1章 「ブラック職場」の正体
   *私たちは労働法を知らない/近視眼的な経営/労働者の
    抵抗力の問題/就活の影響/労働組合の問題/ブラック
    職場はなぜなくならないのか/求人詐欺から退職妨害まで
  ◇第2章 「長時間労働」と「やりがい搾取」
   *長時間労働の実態/長時間労働をもたらす要因は何か
  ◇第3章 非正規と低賃金
   *非正規/低賃金
  ◇第4章 解雇と復職の困難
   *解雇と復職/復職はなぜ難しいのか
  ◇第5章 人事権を再考せよ
   *無制約の人事権/人事権に関する法律上の考え方/人事
    権濫用事例の頻発
  ◇第6章 労働法の存在理由と問題点
   *労働法の規制の在り方とその理由/法規制はそれほど強固
    なものではない/法の運用がうまくできない/裁判上のハードル
  ◇第7章 5つの解決策
   *今すぐ取り組める5つの解決策/労働法の規制強化/
    法規制を守らせる仕組み、運用の体制を整える/労働法
    とその使い方を周知させる/労働者に抵抗力をつける/
    利益至上主義の企業活動を改める取り組みを進める
  ◇第8章 ホワイトな社会に向けて
   *労働組合の取り組み(1)―首都圏青年ユニオンの場合/
    労働組合の取り組み(2)―さっぽろ青年ユニオンの場合/
    企業・事業体の取り組み/労使の取り組み―パワハラ防止
    協定の制定/個人の取り組み―Eさんのパワハラ事件/
    個人の取り組み―SNS活用による取り組みの広がり/
    国や自治体による取り組み

二。ブラックバイト問題
  
◇「生活のため」「学費のため」―背景にある日本社会全体の貧困化
  ◇アルバイトの目的が変わってきている
    ―経済的逼迫(辞められない理由にも)
  ◇ブラックバイトの定義―「学生であることを尊重しないアルバイト」
   *たとえば、「テスト期間中にシフトを代わってもらえない」
   「辞められない」「就職活動ができない」「毎日勤務に入り、
   学業に支障」「ワンオペなどの過度の責任」
  ◇特徴―今野晴貴『ブラックバイト―学生があぶない』岩波新書より
   *学生の「戦力化」/安くて従順な学生/1度入ると辞めら
    れない―「責任感」、脅し、脅迫/高校生にまで広がるブ
    ラックバイト/労働者としての権利を認めない

三。働くことがもつ「麻薬性」について
  
◇黒井千次『働くということ』(講談社現代新書、1982年)


  ◇「やりがい搾取」について

    「人の善意につけ込んで、労働力をタダで使おうとする。
    それは搾取です。たとえば、友だちだから、勉強になる
    から、これもアナタのためだから、などといって正当な
    賃金を払わない。このようなやりがい搾取を見過ごして
    はいけません」
       (『逃げるは恥だが役に立つ』みくりのセリフ)

   *2020年東京オリンピックでのボランティア大動員…

以上。


何人かの感想文を紹介します。

■ブラック職場に共通することは? との問いに、何となく
ボヤッとイメージはできるけど言葉にすると、どうなる
かなあと、いい言葉が浮かばず、“人が人として扱われない”
と言われて、納得できました。

■あまり好きでない職でも、一部好きな作業があったり、
好きな職でも、一部キライな作業があったり、フクザツ
だなと感じました。また、災害ボランティアもやりがい
搾取だなと思いました。本当は行政がもっと力を入れて
いくべきだと思いますが、ボランティア頼みのような
雰囲気を感じました。

■もう10年も労働者をしているのに労働法知らなくて
ヤバイと反省しました…。子どもたちには憲法と労働法
は伝えられるようにしたいと思います…! 働くって、
まだまだ深く考えることがあるな…。

■労働者の権利を守るには労働法を知らなくてはいけない
というのは根本的なことですが、あまり目が向いていま
せんでした。労働には少なからずやりがい・麻薬性がある
とは思いますが、それが搾取につながりやすいのだと、
労働者が認識しておかなければいけないと思いました。

■働くことの麻薬性…。しんどいけど働くことが好きって
人間はおもしろいなと思います。だからこそ、“私たちは
労働法を知らない”現状はなんとかしたいですね。高校に
最賃とブラック注意のポスターを!!

京都民医連役責者研修にて、ものの見方・考え方

きのう(18日)は、京都へ。

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京都駅に降り立ち、ランチ食べて、地下鉄で移動。

14時から京都民医連の役責者研修1回目でした。
この研修会、対象者300名なので4回に分けてします。
あと11月に2回、12月に1回きます。
毎回の京都ランチを楽しみにがんばろう。

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研修テーマはこちら。
2時間20分の持ち時間のなかにグループ交流5回入れる構成で、
なかなか時間配分が難しかった。

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でもみなさん生き生き学ばれていたような。
おつかれさまでした。

夜は岡山で労働学校でしたので終了後とんぼ返りでした。


以下、レジュメを紹介します。

一。立ちどまり、問う力。
 
1。私自身の経験から

    「入院して病室で過ごしている患者さんは、普段はどん
    な風に生活しているんだろう、どんな家で、どんな人た
    ちとどんな町や村で生活されているんだろう・・・、あま
    りにもぼくら医療者はそれを知らない。例えがよくない
    が、患者さんをスーパーの切り身の魚のように思って済
    ましているところがある。ほんとは1匹の魚で、それぞ
    れに泳いでいた自然の海や川があったはず」
       (徳永進『野の道往診』NHK出版、2005年)

  ◇常識というのはその場にいる人間で作られ、文化となり固定されていく。

   「権利侵害があまりに一般化していると、それを権利侵害と
   認識することが難しい」
    (木村草太編『子どもの人権をまもるために』晶文社、2018年)

 2。理念の存在意義を考える
  ◇慣れる力。慣れない力。
   *「慣れる」という力は大事。でも、慣れていいことと、
    慣れてはいけないこと(立ちどまるべきこと)があると
    思う。日々の仕事や生活にゆとりがない状況、あるいは
    摩擦・対立を避けようと、慣れてはいけないことにも、
    慣れてしまう可能性がある。
   *問いをもち議論することは、エネルギーが必要。ぶつか
    ることも。めんどうくさい。現実に慣れ、現実から目を
    そらし、違和感や問いを流すほうがラクともいえる。

  ◇組織の「理念」「価値観」がある意味
   *理念や価値観は、現実の「ありよう」を照らすひとつの
    鏡(ものさし)になる。

    「患者の立場に立った親切でよい医療」
    「すべての人が等しく尊重される社会」

    ■現実との緊張関係。矛盾。なにが障害物か。問い続け
     ること。それが、前向きな葛藤やエネルギーを生み出
     す。さらにそれを仲間と共有する。集団として。

   ≪グループディスカッション①―事前課題を交流してみよう≫
   ・事前課題の交流。
   ・逆に、理念やそれにもとづく実践がなかったら。どんな
    職場になるだろうか。
   ・「民医連職員としての成長」というものさしで自分をはかってみよう。


二。民医連の実践を支え・補強する「ものの見方」
 
1。日本国憲法の理念

   ≪グループディスカッション②―人権とはなんでしょうか≫

   *尊厳とは
   *憲法の人間観を職場で活かす。「ひとりも見捨てない」
    「人間として尊重することをあきらめない」「人間らし
    さをみがき、こだわり続ける」。
   *人権も尊厳も目に見えない。ゆれながらも、立ち戻れる
    か。人間は1人ひとり違うからこそ、「同じ価値」を確
    認する必要がある。大切なことは目に見えない。

 2。認識深化への努力―現象から本質へ。結果から原因へ。木も森も見る。
  *イチロー・カワチさんの例え。川の下流だけでなく上流も。
  *上流への認識。それにもとづいた実践なしに、人権はまもれない。

    「医師として私たちは病人を治療するように訓練されて
    いる。当然だ。しかし、行動と健康が人々の社会的条件
    に結びついているならば、社会的条件を改善するのは誰
    の仕事であるべきかと私は自問した。医師が、少なくと
    もこの私が関与すべきではないのか? 私は人々の健康の
    改善を手伝いたいと思うからこそ医師になった。人々が
    病気になったときに治療だけすることがせいぜい一時し
    のぎでしかないとしたら、医師は人々を病気にしている
    条件の改善に関わるべきだ」
   (マイケル・マーモット『健康格差』日本評論社、2017年)

   *民医連綱領より

    「私たちは、(略)・・・生活と労働から疾病をとらえ、
    いのちや健康にかかわるその時代の社会問題に取り組ん
    できました。また、共同組織と共に生活向上と社会保障
    の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました」

 3。矛盾が原動力に
     ―人権や命の平等をかえりみない巨大な力との“たたかい”
   *哲学がいう矛盾とは、あるものごとの中に、「前にすす
    もう、発展させようとする力」と「押しとどめよう、後
    戻りさせようとする力」がぶつかりあっている状態のこと。
   *現在の政治状況のなかで、「1人ひとりの尊厳を」「誰も
    見捨てない」という理念は、現場の状況とかならずぶつか
    る。経済的にも、制度のなかでも、考え方のうえでも、困
    難がある。でもそれが原動力に転化する。不当・理不尽な
    ことに慣れない自分を。集団でなければ立ち向かえない。
    人権感覚をみがき、人間らしさを問い続ける集団でこそ。

   *「ゆらぐ」ことができる。逆に「ゆらがない」ということ
    は、そこで成長・進歩が終わるということ。苦悩は成長へ
    の過程。矛盾のなかで高まりあう。


三。たしかな社会認識と人権感覚―学びとトレーニングを
 
1。社会・政治情勢を知る
  ◇私たちは、どのように社会認識をつくるのか
   *直接認識→自分で生の現実にふれる・ぶつかる・でくわす・さぐる
   *間接認識(加工情報)→テレビ、新聞、ネット、ラジオ、本、雑誌・・・

  ◇正しい認識なくして、正しい実践(処方箋)は生まれないが、
   ここが難しい。
   *情報あふれる社会のなかで。メディアリテラシーが問われる時代に。
   *残念ながら、日本の報道自由度ランキングは先進国最低レベル
    (67位・2018年)
   *部分で全体を推定するのが人間の理性的な力。しかし認識の誤りへも。
   *認識の過程で生まれる「決めつけ・先入観・思い込み・
    偏見・見落とし」
   *事実から出発するには、つねに「落とし穴」への自覚が欠かせない。

 2。集団の認識で、事実のたばを集め、認識を深めていく―民医連の優位性
  ◇ひとりひとりの認識には限界がある―狭い認識を正し、広げ、深める
   *ひとりで考えると間違いやすい。経験だけで判断しない。
    他者の認識をどんどん借りる。
   *話しあう。教えあう。聴きあう。書きあう。学びあう。
    仲間がいること。
  ◇会議・ディスカッション・情報共有の場を大事に。安心して
   意見表明できる場を。
  ◇本や雑誌や新聞(まともな)を読むトレーニングを
   ―社会や政治に強くなる
  ◇民医連綱領で団結。職場、地域、全国の仲間と学びあい、高まりあう。

    ≪グループディスカッション③―『民医連新聞』『いつでも元気』
    は、どのぐらい読んでいますか? 読む工夫、おもしろさ。ある
    いは読めていないのはなぜ≫

 3。人権感覚のアンテナをみがき続ける
  ◇人権感覚はもろい。環境により磨かれもするし、錆びついてもいく。
  ◇人間は劣悪な環境でも、「慣れる」「順応する」ことができる。
   適応力が高い。
   *人間らしさの基準や限度、人権感覚は気をつけないとスルスル
    と降下する。「こんなもんだ」「しょうがない」。「折り合い」
    という名の「がまん」。あきらめ。あえて考えない。
  ◇人権感覚をみがき育てるには、学びとトレーニングが必要。
   場をたくさんつくる。
   *みずからの人権感覚を研ぎ澄ませる(生活や人生を大事にし、
    人間らしさを問う)ことと、患者や利用者の人権を尊重するこ
    ととは、同じ地平にある。補強・補完関係。
  ◇「おかしい」―異議申し立てにはエネルギー必要。
   *仲間がいるからがんばれる。声を出す勇気、行動し続ける覚悟は
    共同性に支えられる。あきらめないことは、あきらめることより
    ずっとたいへん。
   *自分の思いを表明する、発声練習を。トレーニングを。
   *不当なことに対して「怒る」
    ―人間らしさの発露。「おかしい」と言える自分への誇り。

さいごに:今日の問題提起を受けて、職場で、「まずこれをやってみたい」
     「こんな実践や学習をしてみたい」と思ったことを、付箋に書い
     てみてください。

 

味わい深い黒井千次

今日(17日)は半日介護休みで、
半日は事務所に出てお仕事ちょこちょこと。

明日は午後から京都で講師仕事。
終了後ただちに岡山に帰ってきて、労働学校。

その労働学校の準備で、
久しぶりに
黒井千次さんの『働くということ』(講談社現代新書)を
パラパラと。

なかなか味わい深い。
こういう書物、最近減っているなあと思う。

今年も80冊ぐらいかなあ。

最近読み終えた本。
さいごの『神に守られた島』で今年69冊目。
昨年からの介護生活で自宅読書時間が大幅に減り、
去年も80冊ちょい。今年も同様のペースです。ふう。


『戦争と性暴力の比較史へ向けて』
  (上野千鶴子・蘭信三・平井和子〈編〉、岩波書店、2018年2月)

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9月15日のピースエッグおかやまの
「暴力とジェンダー」分科会の予習。
知らないことも多く、
また現代のジェンダー問題につなぐときの視点をたくさんもらう。
さらに次の学びの材料も。


『看護師が流した涙』(岡田久美、ぶんか社文庫、2010年)

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勤務する病院をコロコロ変える“ジプシーナース”の著者。
勤務科もバラバラ。
そのなかで出会ったたくさんの
患者やその家族の話がまとめられている。
ジンとくる話、どうしようもない悲しみ、悲嘆。
生きるってたいへんだわ。


『ホールシステム・アプローチ  1000人以上でもとことん話し合える方法』
            (香取一昭・大川恒、日本経済新聞社、2011年)

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集団知を引き出し、対話のなかから
新しい考えやアイデアを生み出す場づくりの手法。
小手先の技法じゃなくて根底に哲学があるから良い。
活動方面に応用していきたい。


『情報生産者になる』(上野千鶴子、ちくま新書、2018年9月)

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情報とは何か、から始まり、問いを立てる、
研究計画書を書く、論文を書く、読者に届ける、まで。
上野さんが東大ゼミで指導してきたノウハウがつまりにつまった1冊。
とくにアウトプットの方法と考え方は共感するところ多かった。


『若者よマルクスを読もうⅢ~アメリカとマルクスー生誕200年に』
         (内田樹×石川康宏、かもがわ出版、2018年9月)

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『フランスにおける内乱』についての往復書簡、
アメリカとマルクスというテーマでのおふたりの報告など。
このシリーズを読むと、
マルクスの読み方がどんどん自由になる感じ。


『追跡 日米地位協定と基地公害~「太平洋のゴミ捨て場」と呼ばれて』
     (ジョン・ミッチェル著、阿部小涼訳、岩波書店、2018年5月)

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「米軍は現在、この惑星でいちばんの汚染者である」の
言葉がまさにその通りと実感する。
日米地位協定と日本政府の無能が、
沖縄と国土を汚染し続けている。


『しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム』
         (望月衣塑子・対談、梨の木舎、2018年9月)

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東京新聞の望月記者が4人の女性と対談したもの。
伊藤詩織さん、三浦まりさん、平井美津子さん、猿田佐世さん。
どれも良かった。
特に三浦まりさんの問題意識には教えられるところ多し。さすがだ。


『神に守られた島』(中脇初枝、講談社、2018年7月)

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1945年、沖縄戦のさなかの沖永良部島(鹿児島県)を舞台にした小説。
当時の島の人たちの様子や戦況への認識がとてもよく伝わってくる。
徳之島や与論島は行ったことあるけど、沖永良部は未踏の島。
いつか行きたい。

基礎学習を大切にしている岡山県医労連

土曜日(13日)午後は、
岡山県医労連の2018役員セミナーで講師仕事。

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労働組合のそもそも話を60分で。
役員さん対象ということもあり、
その角度での話もちょこちょこ入れながら。

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その後、倉敷医療生協労組書記長による
「労働組合法、労働基準法の基礎」、
さらに県医労連書記長による
「財務諸表の基礎の基礎」と続き、分散感想交流、
さらにバーベキュー交流会と続いたよう。

基礎学習を大切にしている医労連です。

けっこう大変でした。

最近仕事のことしかアップしてなかったので、
記録として書いておきます。

10月4日(木)。
相方、寝る前に痰が多量に出て、カフアシスト
(痰を出しやすくする医療機器)を使うもSPO2
(血中の酸素度)回復せず、23時20分頃訪問看護師
さんを呼ぶ。看護師さん吸痰試みるもうまくいかず、
主治医の難波医師に来てもらう(夜中24時半頃)。
いろいろ試すも改善せず。カフアシストの圧力を
上げてみると若干良くなり、看護師さん、難波医師
帰る(3時前)。昨年3月以来の「呼吸の苦しさ」を味わう。

10月5日(金)。
相方、嚥下(飲み込み)に難あり。食欲なし。お昼、
ベッドからポータブルトイレ移乗時にスカイリフト
(移乗時に使っている介護用具)からずれ落ち、2時間
かけてベッドに戻る。シャワーも中止し清拭のみ。
基本ベッドで安静。長久夕方に帰宅。相方、頻繁に
カフアシストが必要だが、医療機器はヘルパーさん
使えないため、常時家族がいなければいけない状態に。
体力低下のため移乗時にも必ず2人体制必要で、
夜の時間は長久のワンオペだったが、姪っ子さんや
ヘルパーさんに入ってもらうことに。

10月6日(土)。
午前中から訪問看護師さんきていただき点滴入れる。
水もとろみをつけないとうまく飲めない状況。プリン食べる。

10月7日(日)。
長久、長野出張のため11時半に出発。相方の妹さんや
ヘルパーさんで介護続く。夜は相方のお母さんと
ふたりの妹さんの3人でわが家に泊まる。

10月8日(月)。
点滴の箇所痛みあり。看護師さん差し替え試みるも
うまくいかず、難波医師来宅。足の血管になんとか入れる。
長久18時半帰宅。

10月9日(火)。
痰の量も減り、体力回復傾向。点滴は引き続き。
夜は長野土産の峠の釜めしを食べる。

10月10日(水)。
さらに落ち着いてくる。午後の訪問看護で清拭と1週間
ぶりの洗髪。

10月11日(木)。
午前中、もちださん来宅。このかんの話をいろいろ。
手浴もしてもらう。来月の沖縄旅にそなえ体力回復を
第一に考え、20日から予定していた京都旅の
キャンセルを決める(涙)。

10月12日(金)。
ほぼ以前の体力、日常生活に戻ってくる。久しぶりに
物件探しをスマホでしたら隣の団地に良い新築の賃貸
があり、現地下見を予約。

10月13日(土)。
新築の賃貸物件見に行く。かなり良い感じだったが、
1階が今よりかなり狭くなり、引っ越しによる労力、
デメリットも考えると、今回もパスかなと判断。

ブラック職場を考える

【お知らせ】
92期岡山労働学校・第3講義は「ブラック職場を考える」。

いまだに無くならない過労死・過労自殺。
働く人を病ませる職場。労働法はどこに?
自分の働き方を問い直し、
社会全体の問題としても考えます。

参加者どうしでたっぷり交流。

10月18日(木)18時半~。
単発参加OK。詳細チラシ。

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グループトーク中心に「なぜ働くのか?!」

昨夜は、92期岡山労働学校の第2講義。
14名の参加でした。

今期は、講義らしい講義はしない、と初回に宣言。
この日も、簡単な問題提起や材料提供したのみで、
基本はグループトーク中心でした。

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テーマは「なぜ私たちは働くのか?!」


レジュメは、以下。

1。先週、みなさんに書いてもらったものを書き出してみます。
 
◇職場に行くことで「得ているもの」
  *お金、経験、知識、人間関係、技術・スキル、社会性、
   苦悩、自信、仲間、友情、アイデンティティー、
   自分の時間、達成感、視野が広がる、楽しさ、キャリア、
   優しさ、パソコン力、言葉、友人、喜び、人脈、
   コミュニケーション、笑顔、疲れ、規則正しい生活、
   ストレス、満足感

 ◇職場に行くことで「失っているもの」
  *自分の時間、余裕、人間関係、体力、個性、自信、
   集中力、心、笑い、視野、エネルギー、歌、全て、お金、
   自分らしさ、意欲、趣味、健康、視力、肩こり、フィジカル、
   楽しみ、睡眠時間、遊ぶ時間、生活の質、労働力

 ◇いま自分のなかにある「問い」や、今期の労働学校で深めあいたいテーマ
  「なぜ、仕事をしなければいけないのか」
  「仕事と命(生きること)の関係性は」
  「労働組合に結集させるためには」
  「職場における個人の尊重をどう守るか」
  「認め合える職場のつくり方」
  「職場での個性はどう扱われるのか」
  「利用者にも労働者にも優しい『職場』とは何か?」
  「本日書いた失いたくないものを守るために職場をどう変えるか」
  「職場において仲間とは?」
  「労働環境・条件をよくするためにはどうしたらいい?」
  「職場を変えるというのは、人を変えることだと思うし、人を
  変えたいと自分が思えるようになることだと思う。人は自分、
  ひいては職場を変えることができると信じられるようになる
  には、何が必要か」
  「どうやったらうまく働いていけるのか」
  「今よりいい関係で働けること」
  「なぜ公立学校には雇用契約という概念がないのか」
  「学校教育がブラック企業の価値観とつながっているのかも?」
  「個性や心のなくならない職場への方法」
  「なぜ働く?働かなきゃいけない?」
  「他の仕事への理解」
  「働かない、働きが悪い人をどう見たらよいか」
  「ブラック企業を正すためにできることを知りたい(要約)」
  「ブラックの線引きは」
  「新人の残業手当てはなぜ出ないのか」
  「働くとはどういうことか?」
  「人はなぜ起業するのか?」
  「要領よく仕事をするためにはどうすればいいか」

2。なぜ働くのか?
 
◇ずっと働かない! という自由(選択)はあるか。できるか。

 ◇先週の出された「言葉」や「問い」をながめて、改めて気づくことは?

 ◇雇われて働く、ということ。
  *労働契約とはなにか

   「労働契約において、労働者の主たる義務は労働提供義務であり、
   使用者の主たる義務は賃金支払い義務である」(有斐閣『労働法』より)

   「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」
                           (労働契約法2条)

 ◇『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』
  (汐街コナ著・ゆうきゆう監修、あさ出版、2017年、1200円+税)

   *働きすぎで死にそう。そんなとき、「会社を辞める」
    (働かない)という選択肢があるはずなのに、なぜ
    過労死・過労自殺にまで追い込まれるのか。著者の
    デザイナー時代の経験(過労自殺しかけた)をもとに、
    精神科医の監修も受けながら漫画に。プロローグの
    “せまり方”が衝撃的にリアル。

  *判断力が失われる前に・・・「別の道」をあなたならどう伝える?
  *追い詰められる「客観的背景」には何がある?


次回のテーマは・・・



何人かの感想文を紹介します。

■今回の漫画がすごくリアルで、自分もこういう
感覚になったことがあり、すごく共感した。生物
学的には「消えたい」という感情をもつというの
はかなり異常な状態ですが、今の日本では、かな
り多くの人が、こうした感情をもっているように
思います。日本変えないとやばいなと思います。

■「死ぬくらいなら会社辞めれば」のマンガを読
んでみて、人間は追い込まれたら判断力をなくし
てしまうというのをリアリティーをもって感じら
れた。社会を良くしていくためには、一人一人が
考えて判断することはとても大切で、でも余裕の
ない生活をしているとそれも難しくて、悪循環だ
なと思った。もっとみんなが“それでいいんだよ”
と認め合えるような関係がつくれたら良いのにな
あと思った。GT楽しかったです☆

■なぜ仕事を辞められないのか。考えたことがあ
るような気がしていたけど、みんなと一緒に考え
てみると、新鮮な感じで、自分だけでは思いつか
なかったようなところまで考えることができたと
思う。催眠状態かあ~。

■社会的に「働くこと」を強制している部分があ
ると感じた。「働け働け」と教えられたわけでも
ないけど、まわりを見ればみんなが働いているか
ら、同じように働くことが「あたり前」になって
しまっているような感じだと思う。働き方にもい
ろいろあって良いということに多くの人が気づい
て、みんながもっと自分にあった働き方を考えて
実現に向けて取り組んでいけば、社会も少しずつ
変わるのではないかと思った。働くことで自分が
必要とされていると感じることは大切だと思った。
働かなくても自分を大切に思えるなら、なお良い
かなと思った。

■新しいメンバーが増えていいな~と。若いメン
バーも多いし、「働くこと」への意識などいろい
ろ質問してみたいと思います。意見をたくさん引
き出していきたい!

長野集会での講演感想文(抜粋)

長野集会での講演感想文です(抜粋)。
みなさん、それぞれ持ち場で生かしていきたいと
積極的に受けとめていただいたように思います。感謝です。


■「個人の尊厳」「人間の尊厳」、職場での話を
するなかで、使えると思いました。学習会の具体
的な計画の立て方、内容の組み方、とても参考に
なりました。実践に生かしていきたいと思います。

■冒頭の「労働者としての意識」「労働者のこと
ば」という話が印象に残りました。言葉を持って
いないと、世界を正しく認識できないということ
が分かり、このような学習をする場の大切さを改
めて感じました。何も知らないまま、「労働者の
ことば」を持たないまま、労働者を続けていくこ
とは怖いことだと思いました。

■学習会スケジュールの作り方、とても具体的で
面白かったです。来て良かった。自分は「グルー
プ討論」「グループワーク」という言葉が小学生
の時からトラウマのようになっていて、とても苦
手意識が強い。討論がある学習会には行きたくな
い、と思うほどである。しかし、「自分の自信を
なくさせてきたものの正体を明らかにする」それ
が本当の学習だと。しかし独りではなく、みんな
で学ぶと。深く感心した。

■一方的な講演や学習会だけでなく、意見交換や
参加者の交流をしながら、楽しく学べることが本
当に自分の知識となり力となること。現場(職場)
で生かせていけたらいいなあと思った。

■「労働者のことば」をにぎる、からはじまる内
容に、わかっているようで、しっかりと示された
こと、人権を守るために労働者として自覚するこ
とからを、力にしてすすんでいこうと思える内容
でした。

■学習会の持ち方に関して大変勉強になった。入
門コースのチューター活動に活かしたい。

■労働学校について、運営・企画などとても参考
になるよい勉強をさせていただきました。

■具体的でわかりやすい話でした。自分の失敗や
若い時の悩みをありのままに話し、良かった。皆
で楽しく継続して活動していく大切さ。元気が出
ました。タイムスケジュール作りは皆が参加して
良かった。

■タイムステーブルづくり、とてもよかったです。

■「学ぶ人どうしの関係性」に共感します。愛知
で、大木一訓さんの資本論ゼミを受けて、それが
なぜこんなに多くの発見と楽しみがあるのか。そ
の20人弱の参加者の意見を、たくさん聞けるし
かけがあってこそのものと気づきました。学習会
のプログラムの作り方も、教わること大でした。
双方向での学習は、工夫がいることだと痛感して
います。

■個人の尊厳を生かした学習の場づくりというも
のは、私にとっても周囲の人にとっても必要なも
のだと思いました。1人ひとりが参加できるよう
な会議やイベント、学びを考え、工夫していきた
いです。

■わかりやすい言葉、とても楽しくあっという間
でした。他の方に伝えていけたら・・・と感じました。

■大変よかったと思います。タイムスケジュール
は参考になりました。

■大変、おもしろかったです。学習をすすめる中
で、参加していく中で、疲れたり、先が見えなか
ったり、ということがあります。今日は、その気
持ちをのりこえる、最高にすばらしいお話だった
と思います。ありがとうございます。

■「労働学校」に憲法的価値を表現していくこと
を意識していきたいと思いました。運営、内容、
感想文用紙・・・。やるべきこと、やるべき工夫が
たくさんあるなあと思いました。

■学習運動が、個人の尊厳を回復し、自身をとり
もどし、民主主義の担い手をつくる重要な役割、
意義をもつことがよくわかりました。ありがと
うございました。

■学習運動のやり方含めて、そもそものところか
ら学ぶことができた。憲法caféを主催するとした
ときのスケジュールをどう組むかというシュミレ
ーションを通して、運営側の工夫や考えを再考す
る機会になった。ことばを大切にすることが、こ
とばを大切にしない動きや勢力に対抗する手段と
なりうるのではないか。また、ことばを大切にす
ることは、学習につながるし、楽しいことだとよ
り深く心にしみた。

■実践的経験やアイデア満載で、選択肢が広がり
ました。ありがとうございました。

■何度か講演を聴いていますが、毎回心に響きま
す。労働者としての自覚を改めて考えさせられま
した。憲法に定めされている労働者としての様々
な権利を大切にしていきたいと思いました。

■各分野で活用できる内容でした。学習会スケジ
ュールを考えてみよう!から、6人の発表が6人
の個々の考え方でよかったです。

■労働学校や憲法カフェの開き方について、基本
的なことを教えていただきました。日中働いてく
る仲間の立場に立って、自己紹介と交流を入れ、
自分の意見が言えて自分にほしい知識を聞いて帰
れて、「楽しくて、また来てみたい」ということ
になる学習会を計画する、そのへんのことが、非
常に大事だと思いました。

■ひとりひとりを大事にする集団学習が大事だと
思いました。学習運動をすることの意義を改めて
確認することができました。

■労働学校、学習会のすすめ方について、具体的
な話と交流がすごく参考になった。

■面白く拝聴いたしました。とても参考になり、
すぐに活かせるお話がいくつかありました。わか
りやすくて、こんな風に難しいことをさらりと言
ってくださると、聞いているこちらも、肩ひじ張
らずに実践できると思いました。自分が労働者で
あると自覚し、今までとは違った視点で頑張って
いこうと思います。ありがとうございました。

■わかりやすい話でした。参加できる場面もあり、
楽しく聞くことができた。

■学習会の持ち方の研究の大切さが良くわかった。
とくに最初にグループ討論で自己紹介や問題関心
を語る方法は良いと思った。ここでも世代間ギャ
ップを感じた。

■学びあう場のつくり方、個人の尊厳と学習運動
について、すごくフレンドリーでわかりやすい講
演でした。ありがとうございました。

■「搾取は学ばないと見えない」という言葉に、
労働問題を知る上で、見事な一文で、今後の学び
がやりやすくなったと思っています。“科学”は見
えないものを見るようにする“ことを支柱に勉強を
続けていきたい。本を読んだり、調べたりしても
出てこない、ヒントが講演の中にたくさんあり、
とてもワクワクした。