長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

沖縄と核、日米核密約、帝国と、原爆犯罪、戦後最悪の

最近読み終えた本。

1月は合計16冊と、なかなかスタートよし。
でも、だいたいここからダレルんですけどね。
そうならないように、がんばりましょう。

以下の5冊はすべてお仕事関連の読書でした。


『沖縄と核』(松岡哲平、新潮社、2019年)

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話題となった同名のNHKスペシャルは見ていないが、
これは本当に衝撃の事実がてんこ盛り。
とくに伊江島は核爆弾投下訓練のために基地拡張をしたのか! と驚いた。
が、いろいろつながった印象も。
ここでも沖縄が犠牲になっている。苦しい。


『日米核密約』(不破哲三、新日本出版社、2000年)

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題名そのままの内容。1960年安保条約改定時に、核兵器を
搭載した艦船や飛行機の日本持ち込みに関する密約を
アメリカの公文書から明らかにする。
日本政府はそんな文章は知らない、確認もしない、
密約などない、でシラをきる。今と同じ。


『帝国と核兵器』
(ジョセフ・ガーソン著、原水爆禁止日本協議会訳、新日本出版社、2007年)

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10年以上前に買って積読状態のものをひっぱり出してきてパラパラパラ。
情勢的には古い部分があったが、米国の反核運動理論家・活動家だけに、
新鮮な叙述や歴史的事実があちこちに。


『原爆犯罪ー被爆者はなぜ放置されたか』(椎名麻紗枝、大月書店、1985年)

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良書。全体を通して、広島・長崎への原爆投下が人類史に
かつてない極限的な人権侵害であることを力説。
そして米国、日本政府とも被爆者の人権救済、尊厳回復に
いかに冷淡で放置をしてきたかがわかる。怒りの書。


『戦後最悪の日韓関係~その責任は安倍政権にある』
           (深草徹、かもがわ出版、2020年1月)

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表題そのままの内容で、この間の日韓関係の動きを押さえつつ、
植民地支配、国際法の視点から問題点を整理する。
問題を生み出しているのは日本政府であり、
その愚行を許している日本国民である。

第3講義は「反核運動の歴史と被爆者のたたかい」

核ZERO講座第3講義は
「反核運動の歴史と被爆者のたたかい」です。

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戦後、被爆者を待ち受けていたのは、
原爆よる身体の苦しみだけでなく、生活苦、偏見や差別、
そしてなんの支援も施さない国の政治でした。
転機になったのは1955年に開催された原水爆禁止世界大会でした。
苦闘の歴史を学びます。

7日(金)。詳細チラシに!

またしても成功の予感しかしない。

昨夜(31日)は、
93期岡山労働学校の有志企画・新年会(飲み会)でした。

3週間前に、有志で勝手に(笑)、突然に決まった企画で、
「長久さん、この日参加できます?」と連絡あり。

んー、集まるかな~と思いましたが、
なんと17人も参加(@_@) うち10人が林精研労組!

こういう、勝手に動き出すの、大事だなあと思います。
れが運動ですから。

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同じテーブルになった林精研労組の1年目ソーシャルワーカー3人衆!!
94期も参加するのみならず、
「ひとりが2人誘って参加しよう!」という話もあり、
実際に名前をあげてだれだれを誘おうということまで話題に。

94期労働学校(5月14日開校)、成功の予感しかしません。
ぼくの役割は、林精研労組以外の参加者組織に全力をあげること。
2月から本格的に動き出します。

京都で演説聴き、午後は京都民医連で講演

きのう(30日)は京都。
12時ちょうどに京都駅に到着。ただちに京都府庁に向かう。

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12時半から京都市長選挙の福山和人候補の街頭演説。
いやあ、話が平易で具体的で、人権感覚にあふれた内容。
さすがでした。投票日は日曜日(2月2日 )です。

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そして14時から、京都民医連の管理者研修でした。
80人ぐらいの参加。
「ものの見方・考え方~民医連職員として」がテーマで2時間半。

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まあ管理者ですから、
事業所でも重責ポジションの方ばかり。

2時間前に市長選挙の福山候補の演説聞いたこと、
上流と下流の話の中で選挙の意義に少し触れました。

たくさん持参した本は思ったより売れず。
京都の人は財布のひもが固いのか(苦笑)。
それとも本の紹介の仕方がイマイチだったか…。

時間も体力もなかったので、
選挙のボランティアはできずのとんぼ返りでした。

ベテラン職員のみなさんに憲法講義

火曜日(28日)午後は、
林精神医学研究所(林病院、ひだまりの里病院)の
ベテラン職員研修で日本国憲法の講義。
ベテランとは21~29年目の職員のみなさんだそうです。

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まあ、憲法への認識は勤続年数は関係ないですね。
みなさん日常的には憲法を考えることがないみたいで。

長く勤められているので、
「慣れない力(違和感をスルーしない)」が
印象に残った方が多かったよう。
人権感覚をみがき続けてほしいです。

94期も成功の予感しかしない。

5月14日(木)開校予定の、
94期岡山労働学校「変わる、変える! 働き方教室」の
申込みが早くもある。

しかも、高梁市の方である。

94期も成功の予感しかしない。
2月と3月は徹底的に「仕込み」の時期。
4月に一気に駆け上がるつもり。

第1講義を50人以上で成功させます。
ほんとね、前進のテンポをあげたい。
労働運動・市民運動を強くしたい。思いはそこです。

鳥取民医連「職場づくり・職場教育実践交流集会」

土曜日(25日)午後は、
2019年度鳥取民医連「職場づくり・職場教育実践交流集会」
にて講演でした。
参加者約109人。管理職・職責者対象の研修でした。

わたくしのしゃべりテーマは
「民医連・医療生協の職場づくり・人づくり」。

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持ち時間3時間あったので、今日も満足度の輪交流から。
絶対失敗しない、かつ人間観をみがくツールです。

持参した『ひめは今日も旅に出る』『ものの見方たんけん隊』も完売。
ありがとうございました!

「私たちには人間としての想像力がある」

核ZERO講座2回目(1/21)の報告です。
26名が参加し、
テーマは「8月9日・ナガサキ 被爆の実相」でした。
広島と比べて、学ぶ機会が少ない長崎の実相。
おもな内容は以下でした。

歴史と殉教の町-長崎、長崎原爆被害の概要、
原爆による被害の特徴5点、2発目であったこと、
二重被爆、被爆の実相―証言をまじえながら、
城山小学校、山里小学校、長崎医科大学の被害、
浦上第一病院、死の同心円(秋月辰一郎)、
浦上天主堂、消えたもうひとつの原爆ドーム、
永井隆氏の強い影響、カトリックの町・ナガサキに訪れたローマ教皇、
核兵器禁止条約とバチカン、ふりそでの少女像、
高校生1万人署名活動、若い世代の継承の取り組み『ナガサキノート』、
私たちには人間としての想像力がある。

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講義後は、前回に引き続き、4グループに分かれての感想交流。
長崎の証言の重さに言葉少なくなる参加者も。
今回もさまざまな職場や地域から参加があり、
感想交流で講義がさらに広がるものになっています。

参加者の感想文を一部紹介します。

■今回の話を聞いて特に被爆体験のところでは涙が
出そうになりました。もし自分でもその場に居合わ
せたら絶対に生涯忘れることはないと思いました。
自分も署名活動などに参加することがあってなかなか
書いてもらえず嫌になる時がありますが、長崎の
高校生が毎年平和を願って20年も頑張って署名活動を
続けていたことを知り勇気をもらいました。

■二重被爆者が100数十人いると言われていること、
初めて知りました。学校であろうと医大や病院で
あろうと、選ばず無差別に殺りくする核兵器に改めて
憤りが湧きました。浦上天主堂が保存されなかった
経緯も初めて知り、その背景にあるアメリカ側の
意図に怒りが…。ローマ教皇が語った「核抑止力」
否定の言動がもたらしたインパクト。

■遅れて参加したのですが、後半の部分だけでも感動
しました。なぜ浦上天主堂が残らなかったのか。
そこから米国のいいなり政治があったのかと思うと
腹立たしい。「祈りのナガサキ」の意味もくやしい
気がします。ふりそでの少女像の本からの長久さんの
引き寄せられるように少女の母や像にたどりつく話は
感動的でした。高校生の1万人署名活動の若い運動が
つながっていることも大きく励まされました。

■今日の講義では、お母さんと子どもの体験談(証言)
が多かったので、聞いていて、我が子だったらと思う
と涙が出てしまいました。パラグアイが核兵器禁止
条約を批准したことはすごく良いニュースだと思い
ました。ローマ教皇が核抑止力をも否定して、核兵器
のない世界を訴えられたのもよかったと思います。
今日もニュースで終末時計が100秒にちぢまったと
言っていました。危険な状況だと思います。

■広島・長崎と、両資料館に何度も足を運び、学習を
しても当事者の経験には及ばない。しかし、想像して
理解しようとする意識は大切にしていきたいと思える
講義でした。

■前回のヒロシマに続き、ナガサキの実相も本当に
想像を絶する(こんな言葉で言い表すには申し訳ないが)
証言の連続で、人々の気持ちを少し思っただけで涙が
出てきます。人間が、人間によって人間であることを
無くされる。それを生き残った人間が、看病の手立て
もなく何もできない無念さはいかばかりだったか。
本当に胸が痛い。高校生の署名は勇気づけられます。
戦争や原爆の体験はなくても、平和を願う気持ちは
世代をこえて受け継いでゆくべきものだと思います。
草の根の活動、上等!! 負けませんよ。

■今回は用事で遅れてきたので、お話をあまり聞く
ことができませんでした。しかし、浦上天主堂の
まぼろしの原爆ドームの話を、最初に聞けて、この
ことはとても強烈に印象になって残っています。
これを手はじめに、もう一度、資料を見直してみます。
それと感想交流での皆さんのお話も、いい視点を
もらえたと思います。

■高校生1万人署名が1人の提案から始まり、微力では
あるが無力ではないという、若い人のエネルギーに
励まされました。メンバーが変わっても20年間続い
ているのがすごいです。絵、写真、像、詩などを見て、
感じて、後世に伝えていくことが大切だと思います。

■私は去年、初めて被爆3世であることを教わった。
ただし、その祖父も、残念ながら亡くなった。もっと
詳しく聞けばよかったと後悔している。ぜったいに
戦争は反対である。

■私は長崎県出身ですが、離島(対馬)なので学習は
小学生の頃からありましたが直接関わることがなかっ
たので、現実味がありませんでした。大人になって
学習してみて、広島長崎だけでなく核兵器での被害が
こんなにあるのを知り、署名も高校生に負けないよう
に取り組みたいと思います。参加者がたくさんで活発
に意見を交換できて良かったです。

■前回に引き続き、長久さんの想いが非常に強く込め
られた講義でした。ナガサキについて被爆の実相を
少し知ることができ、今後、勉強を進めていくうえで
一つ道筋が見えた想いです。被爆国に生まれたという
現実に「無関心」ではいられるかもしれないけど、
「無関係」では私たちはいられないです。被爆者では
ないけれど、過去を想像しきることはできないけれど、
分かりたい、想いに近づきたいと行動し続けることが、
今の時代に生きる日本国民としてすべきことだと思います。

■やはり、被爆者のことば、絵が印象的でした。被爆
した人にしか語れない、ことば、光景がある。それを、
原爆を知らない私たちが、聞いて知ることはすごく
意味のあることだと思いました。最後のことばが、
印象的でした。「私たちは人間としての想像力がある」。
被爆の事実を永遠に後世につないでいくには、被爆者
の活動だけではムリがあります。私たちが、うけついで、
反核平和を訴えていかないといけないんだなと思いました。
またひとつ勉強になりました。ありがとうございました。

真庭9条の会にて講演でした

きのう(26日)午後は、真庭市の久世公民館に。
「2020年 真庭九条の会 新年のつどい(総会)」にて講演でした。

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タイトル「安倍改憲を斬る! 非常事態条項と9条加憲」は
主催者かつけたものです。
憲法の歴史的背景から入り、9条改憲のねらい、
非常事態条項の恐ろしさについて語り、最後は行動提起。
60分しゃべりまくり。

20数名ほどの参加者で、質問もたくさん出ました。
年齢はぼくがいちばん若かったですね…。

お土産に野菜をいただいてしまいました。
ありがとうございます。

核ZERO予習のあいだに別ジャンルちょこちょこ

最近読み終えた本。
核ZERO講座の予習ものが多いですが、
あいだに別ジャンルもちょこちょこ。

今年は150冊をゴールに設定して、
ずんずん読んでいきたい。


『似島-廣島とヒロシマ』
(原水爆禁止似島少年少女のつどい実行委員会編、一粒の麦社、2012年)

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明治以降、侵略戦争の兵站拠点として
軍事施設が多くつくられた似島。
広島原爆の際には臨時の野戦病院が設置され、
約1万人の被爆者が押し寄せた―。
島の歴史、遺構も解説。1度行ってみたい。


『労働法入門 新版』(水町勇一郎、岩波新書、2019年)

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労働法のそもそもや成り立ちなどを解説。
新しい知見もちらほら。わかりやすかったが、
労働法を豊かにするのは何より労働運動の
たたかいにかかっていると伝えてほしかった
(記述はあったが熱がなかった)。


『マーティン・ルーサー・キング ー非暴力の闘士』
          (黒崎真、岩波新書、2018年)

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これまた面白かった。キングその人の卓越した力は
もちろんのこと、アメリカの運動の戦略的な部分。
とにかく「勝つ」ためにどうするかを徹底的に考え抜いているなと。
日本の運動はここが弱いと思う。


『もういやだ―原爆の生きている証人たち』
(長崎原爆青年乙女の会編、日本ブックエース、2014年)

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1956年初版の復刻版。被爆11年目の長崎証言集。
占領下の時期ふくめ被爆者が被爆体験を語れなかった戦後10年。
その重しがはずれた生成期の被爆証言。
その後の生活の苦しみの吐露。重み。


『続 反原爆―長崎被爆者の生活史』(石田忠編、未来社、1974年)

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長崎の被爆者の証言9編がおさめられている。
被爆から30年、生き残った被爆者たちの生活苦や、
病魔に追われ続ける姿が重い。国からも支援乏しく。
人間らしく生きようとする人を
いつまでも圧殺しようとする核被害の永続性。


『核兵器はなくせる』(川崎哲、岩波ジュニア新書、2018年)

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わかりやすい。そして明快な論理。
川崎さんの歩みやICANの活動もよくわかる。
とくに若い人にぜひ読んでほしい。


『祈り ナガサキノート2』(朝日新聞長崎総局編、朝日文庫、2010年)

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2があると最近まで知らなかった。
若手記者による23人の被爆者の体験継承、整理。
なんと知っている大塚一敏さんも。良書。


『頭のよさとは「説明力」だ』(齊藤孝、詩想社新書、2019年)

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齊藤さんの本はだいたいサクサク読めて、
「これは使える!」というヨロコビの技が1つか2つはあるのだが、
本書でもあてはまった。ありがたい。

無事に放映されました。

昨夕(23日)、
NHK岡山の「もぎたて!」(総合テレビ)にて、
相方のこと無事に放送されました。

全体的には、上手に、マイルドにまとめられて
いました(笑)。若いときの写真もあり…。
買い物のシーンがらしくて良かったと反応あり。

じつはぼくも単独で10分くらいインタビュー受けて
いいこと言ってたんですが、すべてカットでした(笑)

『ひめは今日も旅に出る』が番組のなかでたびたび紹介され、
新しい読者につながったら嬉しいな。


追記:今日午前中、昨夕の「もぎたて!」を観た方から、
本を買いたいとNHK岡山に問い合わせがきたそうです。
ありがとうございます!
お近くの本屋さんで注文いただくか、ネットでも購入可能です。

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