長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「私たちには人間としての想像力がある」

核ZERO講座2回目(1/21)の報告です。
26名が参加し、
テーマは「8月9日・ナガサキ 被爆の実相」でした。
広島と比べて、学ぶ機会が少ない長崎の実相。
おもな内容は以下でした。

歴史と殉教の町-長崎、長崎原爆被害の概要、
原爆による被害の特徴5点、2発目であったこと、
二重被爆、被爆の実相―証言をまじえながら、
城山小学校、山里小学校、長崎医科大学の被害、
浦上第一病院、死の同心円(秋月辰一郎)、
浦上天主堂、消えたもうひとつの原爆ドーム、
永井隆氏の強い影響、カトリックの町・ナガサキに訪れたローマ教皇、
核兵器禁止条約とバチカン、ふりそでの少女像、
高校生1万人署名活動、若い世代の継承の取り組み『ナガサキノート』、
私たちには人間としての想像力がある。

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講義後は、前回に引き続き、4グループに分かれての感想交流。
長崎の証言の重さに言葉少なくなる参加者も。
今回もさまざまな職場や地域から参加があり、
感想交流で講義がさらに広がるものになっています。

参加者の感想文を一部紹介します。

■今回の話を聞いて特に被爆体験のところでは涙が
出そうになりました。もし自分でもその場に居合わ
せたら絶対に生涯忘れることはないと思いました。
自分も署名活動などに参加することがあってなかなか
書いてもらえず嫌になる時がありますが、長崎の
高校生が毎年平和を願って20年も頑張って署名活動を
続けていたことを知り勇気をもらいました。

■二重被爆者が100数十人いると言われていること、
初めて知りました。学校であろうと医大や病院で
あろうと、選ばず無差別に殺りくする核兵器に改めて
憤りが湧きました。浦上天主堂が保存されなかった
経緯も初めて知り、その背景にあるアメリカ側の
意図に怒りが…。ローマ教皇が語った「核抑止力」
否定の言動がもたらしたインパクト。

■遅れて参加したのですが、後半の部分だけでも感動
しました。なぜ浦上天主堂が残らなかったのか。
そこから米国のいいなり政治があったのかと思うと
腹立たしい。「祈りのナガサキ」の意味もくやしい
気がします。ふりそでの少女像の本からの長久さんの
引き寄せられるように少女の母や像にたどりつく話は
感動的でした。高校生の1万人署名活動の若い運動が
つながっていることも大きく励まされました。

■今日の講義では、お母さんと子どもの体験談(証言)
が多かったので、聞いていて、我が子だったらと思う
と涙が出てしまいました。パラグアイが核兵器禁止
条約を批准したことはすごく良いニュースだと思い
ました。ローマ教皇が核抑止力をも否定して、核兵器
のない世界を訴えられたのもよかったと思います。
今日もニュースで終末時計が100秒にちぢまったと
言っていました。危険な状況だと思います。

■広島・長崎と、両資料館に何度も足を運び、学習を
しても当事者の経験には及ばない。しかし、想像して
理解しようとする意識は大切にしていきたいと思える
講義でした。

■前回のヒロシマに続き、ナガサキの実相も本当に
想像を絶する(こんな言葉で言い表すには申し訳ないが)
証言の連続で、人々の気持ちを少し思っただけで涙が
出てきます。人間が、人間によって人間であることを
無くされる。それを生き残った人間が、看病の手立て
もなく何もできない無念さはいかばかりだったか。
本当に胸が痛い。高校生の署名は勇気づけられます。
戦争や原爆の体験はなくても、平和を願う気持ちは
世代をこえて受け継いでゆくべきものだと思います。
草の根の活動、上等!! 負けませんよ。

■今回は用事で遅れてきたので、お話をあまり聞く
ことができませんでした。しかし、浦上天主堂の
まぼろしの原爆ドームの話を、最初に聞けて、この
ことはとても強烈に印象になって残っています。
これを手はじめに、もう一度、資料を見直してみます。
それと感想交流での皆さんのお話も、いい視点を
もらえたと思います。

■高校生1万人署名が1人の提案から始まり、微力では
あるが無力ではないという、若い人のエネルギーに
励まされました。メンバーが変わっても20年間続い
ているのがすごいです。絵、写真、像、詩などを見て、
感じて、後世に伝えていくことが大切だと思います。

■私は去年、初めて被爆3世であることを教わった。
ただし、その祖父も、残念ながら亡くなった。もっと
詳しく聞けばよかったと後悔している。ぜったいに
戦争は反対である。

■私は長崎県出身ですが、離島(対馬)なので学習は
小学生の頃からありましたが直接関わることがなかっ
たので、現実味がありませんでした。大人になって
学習してみて、広島長崎だけでなく核兵器での被害が
こんなにあるのを知り、署名も高校生に負けないよう
に取り組みたいと思います。参加者がたくさんで活発
に意見を交換できて良かったです。

■前回に引き続き、長久さんの想いが非常に強く込め
られた講義でした。ナガサキについて被爆の実相を
少し知ることができ、今後、勉強を進めていくうえで
一つ道筋が見えた想いです。被爆国に生まれたという
現実に「無関心」ではいられるかもしれないけど、
「無関係」では私たちはいられないです。被爆者では
ないけれど、過去を想像しきることはできないけれど、
分かりたい、想いに近づきたいと行動し続けることが、
今の時代に生きる日本国民としてすべきことだと思います。

■やはり、被爆者のことば、絵が印象的でした。被爆
した人にしか語れない、ことば、光景がある。それを、
原爆を知らない私たちが、聞いて知ることはすごく
意味のあることだと思いました。最後のことばが、
印象的でした。「私たちは人間としての想像力がある」。
被爆の事実を永遠に後世につないでいくには、被爆者
の活動だけではムリがあります。私たちが、うけついで、
反核平和を訴えていかないといけないんだなと思いました。
またひとつ勉強になりました。ありがとうございました。