『日米〈核〉同盟ー原爆、核の傘、フクシマ』(太田昌克、岩波新書、2014年8月)
「日米同盟は『核』という軛(くびき)につながれた『核の同盟』である」と言いきる著者。福島の原発事故、戦後綿々と続いてきた核密約、そして誰も責任をとらない核燃サイクル…。核従属同盟の実態。
『自己責任論の嘘』(宇都宮健児、ベスト新書、2014年11月)
わかりやすく、グイグイ読める。ほぼすべての主張に共感。宇都宮弁護士は社会変革者。その実践に裏打ちされた視点のたしかさ。運動論の説得力。傑物です。
『新訂増補版 アウシュヴィッツ博物館案内』(中谷剛、凱風社、2012年)
アウシュヴィッツ博物館唯一の日本語公式ガイド(嘱託)による案内。ホロコーストの現実はとても想像がおよばないことであるが、歴史を直視する助けに。来年2月にポーランド行くので、予習のまず1冊目。
『秘密保護法ー社会はどう変わるのか』(宇都宮健児・堀敏明・足立昌勝・林克明、集英社新書、2014年11月)
2013年12月6日の強行採決・成立から1年。そして施行目前のタイミングでの良書。問題点整理。独裁国家への道と民主主義の危機。総選挙でも問われるべき悪法。
『日本人は人を殺しに行くのかー戦場からの集団的自衛権入門』(伊勢崎賢治、朝日新書、2014年10月)
とても勉強になった。ほんとうに、集団的自衛権や安全保障をめぐる議論を、きちんと、リアルな感覚をもってできる国になりたい。南スーダンでの自衛隊の危機はゾッとした。
『国家と秘密ー隠される公文書』(久保享・瀬畑源、集英社新書、2014年10月)
国民の知る権利を軽んじ、秘密が横行する権力は必ず暴走する。1日も早い秘密保護法の撤廃を本書は主張。公文書の扱いが曖昧で簡単に廃棄されてきた事実に驚く。情報公開と公文書管理体制の不備が明解。