最近読み終えた本。
4冊中3冊は、核ZERO講座のための予習です。
『ヒロシマ戦後史ー被爆体験はどう受けとめられてきたか』
(宇吹暁、岩波書店、2014年)
広島県史の編纂にも関わってきた研究者によるヒロシマの戦後。
被爆の記憶継承、核廃絶の思想と運動を広島はどうつないできたのか。
事実を正確に記されている印象。
『日本人の歴史認識と東京裁判』(吉田裕、岩波ブックレット、2019年)
東京裁判前史、冷戦の論理の影響、
「日米合作」の政治裁判という性格などコンパクトに。
でも何より東京裁判の内容そのものが日本では
忘れ去られているという問題。講演録がベースなので読みやすい。
『この世界の片隅で』(山代巴編、岩波新書、1965年)
被爆者の被爆体験というよりは
「その後」を丹念に拾い、綴った1冊。端的にいって重い。
生活が、そしてそれと結びついた政治が語られる。闘いが語られる。
とくに沖縄の被爆者のルポは貴重。
あのアニメ映画とはまったく別ものだった。
『劫火を見た―市民の手で原爆の絵を』
(日本放送協会、日本放送協会出版協会、1975年)
1974年5月に広島のNHKに持ち込まれた1枚の絵がきっかけとなり、
NHKの呼びかけに約1000枚の原爆の絵が寄せられる。
絵はどれも胸えぐられる惨状。
しかしこれでもあの日の再現には程遠いのだろう。