長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

82年、春秋山伏、サイレント、生きづらい、去年の冬

最近読み終えた本。


『82年生まれ、キム・ジヨン』
     (チェ・ナムジュ、斎藤真理子訳、筑摩書房、2018年)

f:id:benkaku:20190219102605j:plain

韓国でベストセラーになったジェンダー小説。
つねづね、ジェンダーギャップ指数で
下位の日本よりさらに韓国が下なのが疑問でしたが、
こんな現状があったのだと慄然。
男性のみなさん読んでください。


『春秋山伏記』(藤沢周平、新潮文庫、1984年)

f:id:benkaku:20190219102505j:plain

山形、出羽三山で修行をしながら暮らす
山伏の習俗をもとにした小説。
江戸後期の庄内地域の農村の暮らしがありありと伝わってくる。
方言の表現も。
久しぶりに藤沢周平読んだけど、やはり味わい深いですな。


『サイレント・ブレス~看取りのカルテ』(南杏子、幻冬舎文庫、2018年)

f:id:benkaku:20190219102519j:plain

現役医師による医療小説第1作目。
2作目の『ディア・ペイシェント』は昨年読んだっけ。
こちらは在宅医療のなかでの看取り、
病人からしたら「死に方」を中心に。
多様な生が、多様な死のあり方を生んでいるのだろうな。
よかったです。


『生きづらい明治社会~不安と競争の時代』
        (松沢裕作、岩波ジュニア新書、2018年)

f:id:benkaku:20190219102548j:plain

明治時代の人びとの生活と「通俗道徳」に着目しながら、
現代との共通性についても提示。
いまでいう自己責任論が明治社会の人びとにも
強い規範として存在していた。新書なのでサクッと読める。


『去年の冬、きみと別れ』(中村文則、幻冬舎文庫、2016年)

f:id:benkaku:20190219102533j:plain

ミステリー小説なんだけど、
仕掛けがいろいろありすぎて、
最後はよくわからない感じで終わってしまった。
もう1度読めばわかるかもしれないが…。