60分de名著の最終講義に向け、ふりだしに戻って、
第1講座で取り上げた『まとまらない言葉を生きる』
(荒井祐樹、柏書房)を読み返している。
いい本だなあと改めて感じる。今回のヒット箇所を自分用にメモしておく。
「人が抱くささやかな願いに、理屈や理由が要るのだろうか。必要性を説明して世間に認めてもらえなければ、人は何かを『ささやかに願う』こともできないだろうか。こうした論調に抗うのは、意外にむずかしい。『ささやかな願い』は『ささやか』なだけに、それを守るために闘うよりも、諦めてやり過ごしてしまう方が楽だからだ。でも、こうした小さな諦めが積み重なった社会は、どうなっていくのだろう」(160P)
「忙しい人たちには、『そもそも論』は好かれない。むしろ嫌われる。例えば、ぼくがいる教育現場では毎日が不測の事態の連続。そんな中で全力を尽くしているから、『そもそも~』なんて言われると、『そりゃそうだけど、いまそれを言っても仕方なくない!?』となる。でも、『そもそも論』は大きな方向性を誤らないために必要だ。これを見失った現場の努力は、時に虚しいほど的外れになる。…(略)だから、まっとうに『そもそも~』と蒸し返せる人が、社会に一定数いた方が良い』(150~151P)
第1講座で取り上げた『まとまらない言葉を生きる』
(荒井祐樹、柏書房)を読み返している。
いい本だなあと改めて感じる。今回のヒット箇所を自分用にメモしておく。
「人が抱くささやかな願いに、理屈や理由が要るのだろうか。必要性を説明して世間に認めてもらえなければ、人は何かを『ささやかに願う』こともできないだろうか。こうした論調に抗うのは、意外にむずかしい。『ささやかな願い』は『ささやか』なだけに、それを守るために闘うよりも、諦めてやり過ごしてしまう方が楽だからだ。でも、こうした小さな諦めが積み重なった社会は、どうなっていくのだろう」(160P)
「忙しい人たちには、『そもそも論』は好かれない。むしろ嫌われる。例えば、ぼくがいる教育現場では毎日が不測の事態の連続。そんな中で全力を尽くしているから、『そもそも~』なんて言われると、『そりゃそうだけど、いまそれを言っても仕方なくない!?』となる。でも、『そもそも論』は大きな方向性を誤らないために必要だ。これを見失った現場の努力は、時に虚しいほど的外れになる。…(略)だから、まっとうに『そもそも~』と蒸し返せる人が、社会に一定数いた方が良い』(150~151P)