長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

旅、生活者、ジェンダー、ヒュナム、話し方、本が

最近読み終えた本。
ちょっとペース落ちてるけど、まあ、ぼちぼちと。

■『旅を栖とす』(高橋久美子、角川書店、2021年)
気分転換の旅エッセイ本。著者の旅好きはなかなかです。
行ける条件があるのも羨ましい〜。今夏の北東北(秋田〜青森〜岩手)の
旅を心待ちに、目の前の仕事をがんばろう。

■『マルクスの生活者の思想とアソシエーション』
 (岩佐茂、桜井書店、2024年4月)
マルクスは「生活者」の用語をカテゴリー化していないが、
若い頃から一貫して「生活者の思想」を重視していた。
この視角から、マルクスの労働者観、唯物史観、
疎外論などを捉え直す試み。やや難しいが…。

■『ジェンダー視点で学ぶ女性史』
 (澤田季江、日本機関紙出版センター、2021年)
コンパクトだけど、シャープさを感じる記述。
京都の新婦人事務局長との肩書き(現在は会長さんらしい)。
素晴らしい。95期岡山労働学校の講義準備に使える1冊でした。

■『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』
 (ファン・ボルム著、牧野美加訳、集英社、2023年)
ドラマティックな事は起きない。町の個人経営書店に
集う様々な背景をもつ人たちの物語がたんたんと描かれる。
本を読むという行為も、他者のニーズに気づくという意味では
ケア実践の入口なのかも、と思った。

■『話し方の戦略』(千葉佳織、プレジデント社、2024年4月)
経験や学習してきて認識していたものも多いけど、
ここまでしっかり「話し方」のスキルと考え方を言語化して
いるものは読んだことなし。素晴らしい。刺激を受けた。
スピーチ上手として紹介されていた人物が微妙だったが(^_^;)

■『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
 (三宅香帆、集英社新書、2024年4月)
日本近現代の読書史か…と思い読んでいたら、9章と最終章の
展開が胸アツだった。資本主義や新自由主義が押し付けてくる
全身全霊を拒否し、半身で関わる、半身で働く。
それが働きながら本が読める社会だと。そのとおり。