長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

看護の質、松代、暮らし、生死、せっかち、ヒポクラテス

最近読み終えた本。


『ルポ 看護の質ー患者の命は守られるのか』
           (小林美希、岩波新書、2016年7月)

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制度が仕事を歪めてしまっている典型。
看護師が「診療の補助」業務に追われ、看護ができない状況。
さまざまな問題が見えてくる良書だが、
最後は当事者の声がどれだけ多くあがるかだ。危機は相当深刻。


『〔新版〕ガイドブック 松代大本営』
   (松代大本営の保存をすすめる会編、新日本出版社、2006年)

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先日、現地に行くときに予習したもの。
太平洋戦争終盤、長野県の松代に地下壕を掘り大本営を
移す計画があり朝鮮人労働者を中心に多数を動員。
人命軽視の国体護持政策を学ぶ貴重な場所。


『[ポケット版]「暮らしの手帖」とわたし』
         (大橋鎭子、暮らしの手帖社、2016年3月)

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雑誌『暮らしの手帖』をつくりあげてきた著者の唯一の自伝。
テレビないので「とと姉ちゃん」は見れないのだけれど、
バイタリティーすごい人ですね。
なにより暮らし・生活を大事にする視点に共感です。

雑誌をともに手がけた花森安治編集長は、創刊の相談のさい、
「もう2度とこんなおそろしい戦争をしないような世の中に
していくためのものを作りたい」と大橋さんに語ったそうです。
生活と平和はつながっていますね。


『生死半半』(淀川長治、幻冬舎、1995年)

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先日、松本市内でぶらっと立ち寄った古本屋さんで購入。
共感できないところが多々あったが、面白いところも多々あった。
淀川さんの人生論とでもいうべき内容か。
でもぼくにとって淀川さんは永遠に、
「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の人だ。


『日本人はいつから〈せっかち〉になったか』
             (織田一朗、PHP新書、1997年)

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最近はまっている「時間」読書。まあまあ面白かった。
時計がないほうがみんなが幸せになる気がしてきた。
もう無理だろうけど。
「はじめに」の浦島太郎宇宙飛行論おもしろかった。
亀は宇宙船だったのか。


『ヒポクラテスの誓い』(中山七里、祥伝社文庫、2016年6月)

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病院内の解剖室。遺体を解剖し、死因やそこに潜む
事件性を明らかにしていくという法医学ミステリー。
展開はさておき、主人公の女性研修医の成長が
この作品の読みどころのひとつかなと。
クスッと笑えるところも多い。