長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

もしドラ、資本論探究、空に、絶滅の、これでは、プロパガンダ

最近読み終えた本。
なんの系統性もないですな(苦笑)。


『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海、ダイヤモンド社、2009年)

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いまさらながらの『もしドラ』。
面白かったなー。組織マネジメントはほんとに重要だ。
経験だけでやらずに科学的に。


『「資本論」探究 全三部を歴史的に読む(上)』
             (不破哲三、新日本出版社、2018年1月)

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マルクスがどのような経過で『資本論』に
結実する研究を行ってきたかを丹念に押さえながら、
『資本論』を読んでいく。
そこにはマルクスの苦闘や回り道も。
恐慌論の穴がやはりカギだなあ。


『空に俳句の虹かけて~母と私の三十年句集』
           (平子甲奈・田主嘉子、文芸社、2018年3月)

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友人(といっても2回しかお会いしてませんが)の
キャビンアテンダントさんからいただいた句集。
お母さんと共通の趣味が俳句。素敵。
愛猫との日常や海外勤務多い著者ならではの句が特徴です。


『絶滅の人類史~なぜ「私たち」が生き延びたのか』
             (更科功、NHK出版新書、2018年1月)

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人類史研究の最前線。
なぜ、私たちホモ・サピエンスだけが生き延び、
他の人類種は滅んだのか。さまざまな考察が面白い。
「ネアンデルタール人と話がしてみたかった」と著者。
それまさに。


『これではお先まっ暗!』
  (中田進編著・北出茂・藤永のぶよ、学習の友社、2018年3月)

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読もうと思えないタイトルではあるが、中身は熱い。
地域労組おおさかで活動されてきた北出さんが
たくさんの事例を紹介。
中田さんが社会の仕組みや政治のあり方を。
「正しくキレる」ための1冊。


『プロパガンダゲーム』(根本聡一郎、双葉文庫、2017年)

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小説。大手広告代理店の就職試験。
学生を、政府チームとレジスタンスチームにわけさせ、
「この戦争に賛成か反対か」を競う情報戦を行わせる。
情報コントロールと扇動のかけひき。
現実の日本と重なるところも多い。

人間の尊厳と、個人の尊重の規定

先月読んだ
『人間の尊厳保障の法理』(玉蟲由樹、尚学社)より、
自分用のメモです。

本書を読み、人間の尊厳という規定がない
日本国憲法のなかで、その意味内容をどう
関連づけたらいいかの整理がついたように思います。
これからの講義に生かしたいです。


■憲法が保障する人権とはいったいいかなる射程を
もつものであるかという問題は、少なくともドイツ
においては、人間の尊厳をどのように理解するかに
よって強く影響を受けることとなる。(3P)

■人権を「人間が人間らしく生きていくための最低
限の条件を保障するもの」と理解するとして、そこ
にはやはり時代による変化の可能性を読みとる必要
がある。「人間らしく生きるための最低限の条件」
は、時代によっても社会によってもさまざまであり、
時代や社会が変化すればそれにしたがって変化しう
る。(5P)

■人間の尊厳条項をもたない日本国憲法において、
憲法上の人権規定の射程を論じる上で基本的な指針
を与えうるのは、「個人の尊重」規定の解釈に他な
らない・・・。このとき問題となるのは、「個人の尊
重」がいったいどのような「個人」をその主体とし
て想定しているかであり、また「個人の尊重」とい
う保障が憲法上どこまでの意義と射程をもつかであ
る。(7P)

■ドイツにおける人間の尊厳と日本国憲法上の個人
の尊重とはその内容・機能において互換的な概念
である。(35P)

■人間の本質的な平等性を核心的な内容として保障
しつつ、いかに相互に衝突しうる多様な利益・生を
も保障するかという2つの問題を、「個人の尊重」
は同時に要求するのではないだろうか。(47P)

■個人の尊重規定の核心には個人の主体性の保障が
あるのであって、国家はこれに干渉することはいか
なる理由があっても許されない。(156P)

■憲法13条の意味における「個人」は、全体的に
把握され、均質化された、抽象的な「個人(=人間)」
として尊重されるのではなく、あくまで多元的で多
様な存在としての「個人」として尊重されなければ
ならない。(156P)

■近時、人間の尊厳を日本国憲法上、13条が定め
る「公共の福祉」の一部をなすと理解する見解が示
されていることが注目に値する。それによれば、日
本国憲法においては人間の尊厳に反する行為を禁ず
るという要請が、公共の福祉の一内容として、人権
に対する制限規範として妥当するとされる。(157P)

■人間の尊厳が公共の福祉の一内容となり、それに
よって人間の尊厳に反する行為が制限されるという
ときには、これを行う国家の客観的保護義務もまた
認められねばならない。(158P)

山口にて「生きづらさ」について学びあう

きのう(25日)は山口県へ。
午後から、山口県学習協の基礎講座2018にて
「私たちの生きづらさ」について講義。

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最初に自己紹介と「今日なぜ来たのか」を
それぞれにスピーチしてもらいました。
こういう導入が大事ですね。場がなごみます。

講義は、生活のゆとりから社会構造の話まで。
勤労者通信大学入門コースの取り組みの
プレ学習会という位置づけです。

参加者は、活動歴の長い方が多かったですが、
11月から労働組合で書記をしているという
女性の感想が良かったので、ほっとしています。

山口に負けないよう、岡山もがんばらねば。

5月25日(金)に青森行きます~

青森の弘前で、労働組合のお話をします~。
共催に青森県労連も入ってるので、
たぶん県労連に加盟する労働組合員なら
誰でも参加できると思います!

5月25日(金)18時~
津軽保健生協本部の2階ホールです。

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青森のみなさんよろしくお願いいたします。

医学生のみなさんと基地問題について学習

きのう(22日)は夕方、
岡山県民医連の医系学生サポートセンターにて
「沖縄の問題を、人権の問題としてとらえる」の講義。

今日から医学生の全国的なつどいが沖縄であり、
その事前学習(ほんとに直前)。

沖縄戦や基地問題も簡単にふれましたが、
中心は日米地位協定。
学生さんも米軍の実態に驚いたようす。
主権が問われる問題。
ぜひ現地でもたくさん学んできてほしい。

なによりこれは、命や生活といった、
人権問題であるという点を強調しました。

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『民医連医療』4月号で紹介されました。

雑誌『民医連医療』4月号で、
青森の方が拙著『労働組合たんけん隊』の
紹介文を書いていただいています!

「私は著者の本を読むとなぜか癒されます。文章に
人への愛情が散りばめられているからです」
「忙しい毎日かと思いますが、ぜひ本書を手に取って
癒されてください」、と。

古今東西、労働組合にまつわる著作は数多くあれど、
「癒される」と言われた本は初であろう(キッパリ)。
これからは、癒し本ということでアピールしていこう(キッパリ)。

ありがとうございました\()/

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「有限である時間や生き方を大切にする」

昨夜(19日)は、倉敷医療生協労組の青年有志学習会。
ひとり青年の「学習したい」要求から出発したもの。

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結果、青年部メンバーにも告知し、
参加したのは4名(全員女性でした)。

「お金ってなんだろう」をテーマに、
資本主義社会ではお金が欠かせない、
生活費にやたらとお金がかかる日本、
お金の質と量の矛盾、貨幣の歴史、
賃金を得るために時間を切り売りする労働者…など。

感想交流も楽しかったです。
自主的な学習会ですから、雰囲気もいいですね。

以下、感想文です。

■お金の仕組みがよく分かりました。オランダの
年金水準を初めて知ったのと、日本の低さに驚き
ました。安心して暮らせる社会にするためには、
いろんな知識を身につけて、自分で行動しなけれ
ばいけないと感じました。

■年金の水準の差に驚いた。時間がとても大切だ
と感じた。お金にしばられすぎるのも良くないな
と思った。

■いま、将来の学費とか家で、不安がいっぱいです。
ヨーロッパだと学費もかからず、公的住宅もあるの
に・・・。お金をかせぐため(生活するため)に、自
分の時間がギセイになる・・・。こうした仕組みを変
えたいですね! お金のそもそもの話がきけて、お
もしろかったです。みんなのお金への考えもおもし
ろい!

■老後が心配で今回の学習会を開催していただきま
したが、有限である時間や生き方を大切にすること
が大事だと学んだ。お金を貯めても、いまの日本経
済のことを考えると貯めるだけではいけないと思う。
他国の社会保障制度の良さや、雇用条件の良さなど
を知り、日本の環境の悪さを改めて感じた。ありが
とうございました!!

自分の時間をまもるために

土曜日(17日)午前中は、
生協労組おかやまの執行委員会での学習会

「自分の時間をまもる」をテーマに、
人間にとっての時間の意味、有給休暇制度を中心に。
40分講義と15分ディスカッション。

最初に「あなたは何歳まで生きたいか」のワークをして、
時間が有限であることを考えてみました
みなさん楽しそうでした。

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4月がかなり忙しそうな気配。いまから準備だ。

今日は東京日帰り出張。
飛行機乗るの、気分転換にはなるんですけど、
帰りが遅くなるのが、ね。

今後は行く頻度も考えよう。

例年、4月に入ってから
ぐっと忙しくなるんですけど、
3月後半からどうもそんな感じに。
1日1日、集中が必要です。

4月はさらに、密度が濃そう。
県外出張が決まってるだけで6回。
学習会講師も15回ぐらいになりそう。

で、学習協の総会もあり。

いまから準備ちょっとずつ
進めておかないと。

広厚労・尾道支部の学習会に

きのう(14日)は午前中、
広島県厚生連労働組合(広厚労)・尾道支部の執行委員会の学習会に。
JA厚生連が母体になっている
尾道総合病院の職員でつくる労働組合です。

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ここは執行委員会議の勤務保障を勝ち取っていて、
ほぼ全員の参加、1日みっちりできるのが強み。

役員にしめる看護師率の高さにもびっくり。
勤務保障があるから交代勤務でも執行委員会に
出られるよう調整してもらえる。これは大きい。

ほぼ毎回、午前中3時間を学習にあてているそう。

私から「働き方と生活・労働組合~ジェンダー視点を中心に」を
テーマに講義。
家事労働の問題をつっこんでお話しました。

持ち時間3時間あるので、
もちろん自己紹介交流から入り、場の空気をやわらげてから。
最後に4グループにわけてのディスカッションも。
みなさん盛り上がっていました。

学習会が終わると、
毎回近くの中華屋さんで昼食。
ぼくもご一緒させていただきました。唐揚げ定食パクパク。
食事しながらの交流がとれるのも労働組合としては
アドバンテージになりますね。団結つよくなる。

みなさんは午後から執行委員会の続きで、
春闘の団体交渉の打ち合わせメインだったそうです。

ぼくは天気もよいので千光寺公園に。
もっと時間があれば、尾道散策したいのですが。

久しぶりの眺望。
ときどき、こうやって「俯瞰」するって大事だなあ。
気持ちが軽くなる。

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