『死に逝くひとへの化粧―エンゼルメイク誕生物語』
(小林照子、太郎次郎エディタス、2013年2月)
を読み終える。
死化粧のケア的意味を深く考えた。
また、5章
「メイクはひとを生き返らせる―病者・高齢者にも化粧を」の
内容に、はげしく共感した。
ぜひ多くの人に読んでもらいたい良書。
≪著者紹介≫
1935年、東京都生まれ。メイクアップアーティストの
草分けであり、第一人者。25歳で初めて死化粧(エンゼルメイク)を
施し、現在に至るまで友人・知人50数人に最期の化粧を行っている。
2001年にエンゼルメイク研究会を設立し、病院をはじめ一般への
普及活動を行っている。 2012年11月末現在、エンゼルメイク
セットを導入している病院は340に達する。著書多数。
≪もくじ≫
【生と死をつなぐもの──はじめに】
【1章 メイクは「生」とも「死」ともかかわる】
肉親の死で感じたこと/幼少期の経験/おばあさんが教えてくれた
温冷ケア/生者と同じ化粧/死化粧のリハーサル?/演劇のメイク
をやりたくて/死者の群れ/「触れる」ことの意味/触れると癒される
【2章 「死に逝くひと」との長い交わり】
親しいひとへの死化粧/感嘆の声/死者から教わる/賑やかな見送
りの場/死は厳粛、かつ幸福をもたらすもの
【3章 看護師さんたちが待ち望んでいたエンゼルメイク】
エンゼルメイク研究会前史/熱意のひと、来たる/多くの看護師が
抱く違和感/エンゼルメイクセットの開発/救いの神、現る/エン
ゼルメイクがもたらす効果/看取りの時間をどう充実させるか/現代
的課題とエンゼルメイク
【4章 遺族の思い、そして看護師の思い──榛原総合病院とのコラボ】
これほどはないベストな出合い/患者と向き合う病院/看護師同士の
絆が深まった/そのひとらしさの復元/家族の“その時”の意外な選
択/死後処置への違和感/看取りとしてのエンゼルメイク
【5章 メイクはひとを生き返らせる──病者、高齢者にも化粧を】
ひとは誰でもきれいに死にたいと思っている/ベッドでできる美容術/
化粧のセラピー効果/化粧で社会性を取り戻す/サポートするひと自身
がメイクを