長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「心が震え、涙が出ます」

きのう(9日)の憲法講座第1講義。
ある方の感想が素晴らしいので、紹介します。
読んでいて、ちょっとウルウルきました。

■これまでの学習会とは異なり、今回はいつもよりも
襟を正して講座にのぞみました。学生時代に憲法に
ついてはざっくりと学んだ思い出はありましたが、
今回改めて制定にいたるまでの時代背景とそれに
関わった人たちの思いを知って、深く感銘を受けました。

確か、NHKでもこのあたりのドラマが白洲次郎を
主人公にしてあったと思います。明治憲法を手直し
したものが、GHQによってけんもほろろに却下
されたことも覚えています。日本国憲法はアメリカ
から押し付けられたものだと批判する人もいますが、
今回の学習でその成立に3人の経歴もちがった人たちの
尽力があったことは、これは歴史的な奇跡というほか
ないでしょう。

中でも当時22歳だったベアテさんの草案に目を通して、
心が震えました。誰よりも人間の根幹のありかた、
つまり男女同権や男女平等、女性や児童、弱者に
対しての眼差しは、おそらく当時の日本人にはなかった
ものだと思います。

話は少し飛びますが、ウクライナ侵攻やイスラエルに
よるガザ地区への攻撃を見ていると、世のなかで人の
いのちがまったく大切にされていないことに怒りが
こみ上げてきます。人類の社会システムの構築にあたって、
その基本となるのは、「健丈な肉体と権力を持った
年齢の高い男性」が作ったものがベースになっていて、
そこには女性や弱者の意見は反映されていません。

もし、日本国憲法の制定に男性だけが関わって作られて
いたなら、今の私たちの生活はひょっとするといまだに
戦前の「家父長制」のままだったかもしれません。
与党の中には「日本会議」のような時代錯誤の考え方を
ベースに活動をしている国会議員が多いのは、
そのような明治の幽霊、明治の戦争賛美、明治の
男性優位の社会へのノスタルジーがあるからでしょう・・・

それがどれだけ日本の国際社会における人権意識の
低下を引き起こしているか、彼らは想像すらしないでしょう。

この美しい97条と9条を読むとき、心が動かされ、
強い感動がせまってきます。憲法を学ぶことは、
難しいことではなかったのだ、これが私たちが日本という
国で生きていくための原点だったのだという思いを持ちました。

こういう授業を高校時代に受けていたら、ひょっとしたら
私の進む道も違ったかもしれません。次回も楽しみです。

世界の中にはいまだに宗教的な制約のなかで自由に学ぶ
ことも経済的に自立することもできない女性が多くいます。
子どもを産むことだけが使命とされ、心も体も傷ついて
いる女性がなんと多いことか・・・。ベアテさんの深く
高い人間の理想を知るとき、男性社会の中に彼女が残した
小さな、しかし偉大な足跡に勇気をもらい、心が震え、
涙が出ます。この学びをどう生かしていくかが、
今後の私の課題です。

ありがとうございました。