長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

性差、Z世代化、ニッチ、フェミニズム、事務、本音で、ケアの倫理

最近読み終えた本。

■『新書版 性差の日本史』(国立歴史民俗博物館監修、
「性差の日本史」展示プロジェクト編、インターナショナル新書、2021年)
2020年秋に開催された企画展示のダイジェスト版。
当時かなり話題になったが遠くて行けなかったので、新書化はありがたい。
ジェンダー視角で捉え直す日本史。

 ■『Z世代化する社会 お客様になっていく若者たち』
(舟津昌平、東洋経済新報社、2024年4月)
ふだん「世代論」「若者論」的なものは読まない(好きじゃない)のだけど、
著者の新聞記事を読み、即買いした。
「Z世代は、われわれの社会の構造を写し取った存在である」は、重要な視点。
非常に参考になった。この本を題材にして、10月にオンライン講座します。

■『ニッチを探して』(島田雅彦、新潮文庫、2016年)
まあまあだったかなー。男性サラリーマン向けの小説ですな(と感じた)。

■『フェミニズム』(竹村和子、岩波現代文庫、2024年6月)
2000年に出版されたものの再版。岡野八代さんの解説文あり。
フェミニズムの学習は、とっつきにくさがいつまでも消えない。
これは、私が男性というよりは、
フェミニズムの苦闘・格闘の歴史と重みなんだと最近感じるようになった。

■『生きのびるための事務』
(坂口恭平原作・道草晴子漫画、マガジンハウス、2024年5月)
自分の仕事に役立ちそうなことはあまりなかったけど、
読みものとしては面白かった。恭平とジムの距離感がよい。

■『本音で向き合う。自分を疑って進む』(佐伯夕利子、竹書房、2024年4月)
前著『教えないスキル』(小学館新書)もヒジョーに良かったし、
本書も素晴らしい。スペインで長くサッカー指導者として
歩んできた著者の哲学とスキルがつまっている。
組織の指導的立場にある人は必読です。ほんと読んでほしい。

■『ケアの倫理とエンパワメント』(小川公代、講談社、2021年)
文学のなかで描かれる「ケアの倫理」を探求。
平野啓一郎『本心』以外は読んだことのない作品ばかりだったので
ややとっつきにくかったが…。引き続き、ケアの倫理を深めていきたい。