長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「声をあげてもいいんだと思った」

今日(6日)は、午前・午後と2部制で、
生協労組おかやまパート部会の新入労組員研修。
いつもの「労働組合そもそも話」。

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感想交流では、
「わかりやすく学べた」「声をあげていいんだと思った」
「日本の状況が当たり前でないことを知った」
「言われた条件で働くのが当たり前だと思っていたけど、
そうでないとわかった」など。


午後の部終了後、
今日は長野へ移動です。
今年5回目の長野民医連での講師仕事。
風引かないようがんばります。

行っとこうツアー2017 第7弾inしまなみ(下)

「行けるときに行っとこうツアー2017 第7弾inしまなみ」
の後半。

4日(2日目)は、ゆっくり始動。
愛媛の今治市なので、やはりタオルを買ったり。
そして今回の旅のメインであるしまなみ海道へ。

まずはバラ公園で。

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その後も、本格的にしまなみ海道の島々を満喫。
世界でもここにしかない風景が広がります。

この日のお宿は弓削島。

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満月の光が海面を照射し幻想的な夜。まんぞくまんぞくの1日でした。

 

3日目(5日)も天気よし! ラッキーな旅でした。

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泊まったお宿から朝日をながめる。

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ロケーションよかったです。
相方はゆかいな仲間の助けで景色のよいお宿で朝風呂にも。
ほんとに感謝。

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そして島々をめぐりながらの食べ歩き。
みかん!レモン!
しまなみ海道にはサイクリングを楽しむ人びと多数。

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とてもとても楽しい旅でした。
夕方、無事に帰宅しました。

行っとこうツアー2017 第7弾inしまなみ(上)

3連休は、
「行けるときに行っとこうツアー2017 第7弾inしまなみ」でした。

前日の2日(木)から、
京都や青森から規格外の仲間がふたたび集結。
お昼からデミカツ丼を食べ、
夕方は美観地区を案内しました。倉敷民芸館に入りました。

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でも時間がちょっと足りなかったですね・・・。 
秋の風情が美観地区にはちょうどよいです。

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夜は自宅で前夜祭を開催。
相変わらずのおもしろトーク。ゆかいな仲間たちです。

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手づくり料理でおもてなし。

 

さて、ツアー初日(3日)。

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レンタカーのウェルキャブ車を今回も借りてのドライブ。
ハイエースで、車いす2台がそのまま乗り降り可能な
スペースがあり、荷物もたくさんつめて、とっても楽でした。

10時頃自宅を出発し、
香川の坂出でさらにひとり仲間が加わり総勢6名に。

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まずは丸亀の骨付き鶏にかぶりつき。うまうまでした。
今回の旅行も「食べること」中心になることを予感させるスタート。
相方は幸いなことに、食べることとしゃべることは
まったく進行しておらず、ありがたいなと思います。

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そのあと愛媛・今治のタオル美術館に寄りました。
ぼくは2回目でした。
イベントもやっていて、無料でぜんざいもいただきました。

夜は湯ノ浦温泉のお宿に。
とっても広いお部屋と、温泉に大満足な初日となりました。

 

東京出張の1日。テキストづくり大詰め。

きのう(31日)は、
勤労者通信大学入門コースの教科委員会で東京出張。

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名古屋を上から眺めるの図。

テキストづくりは大詰めです。
まあ、初めて開設するコースなので、
完璧とはいえませんが、
なんとか形になるまでこぎつけました。

募集を成功させたいです。

こちらでも無期転換ルール学習会

アップを忘れていましたが、
金曜日(27日)の夜も、「無期転換ルール」学習会で講師。
岡山医療生協労組にて

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そもそも有期雇用自体が例外であるべき。
ヨーロッパでは合理的理由なしに有期雇用は認められない。
労働者は賃金で生活が成り立っているが、
生活は1年単位ではない。生活は有期じゃない。
有期での雇用がまかりとおっている日本の異常。

終了後、感想交流や、
質問もあれこれ。
他労組からの参加もあり、活発な学習会でした。

無期転換ルール学習会3回目。

今日(30日)のお昼は、
倉敷医療生協労組の「無期転換ルール」学習会。
本日はコープリハビリ病院にて。

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しつこいですが、労働契約法の改正により、
同一使用者との有期雇用契約が通算5年たつと
労働者の申し込みで無期(期間の定めがない)契約に
転換できるようになる制度です(2018年4月から)。

労働組合の運動しだいで、
このルールは良くも悪くも転びます。
しっかり学習する場を
つくる必要があると感じます。

生協労組おかやまで「人権感覚をみがこう」

今日(28日)はさきほどまで、
生協労組おかやまの中央執行委員会で学習会講師仕事。
「働き方と人権―人権感覚をみがこう」という
テーマで1時間ほどあれやこれや。

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人権とは、私が私でいられるためのことがら。
すべての国民が生まれながらにしてもっている自由や権利。
では人権を具体的にあげていくと?

労使関係は立場の強弱がはっきりしていて
人権侵害が起きやすい領域。労働組合の意味。
「人間らしさ」のものさしで議論するトレーニングを、など。

無期転換ルール学習会2回目。

今日(27日)はさきほどまで、
倉敷医療生協労組パート部の「無期転換ルール」お昼休み学習会。
本日は水島協同病院にて。

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メリットがぴんとこないという感想が複数。
医療生協の場合は雇い止めの不安もまあないですし、
労働組合に入ることをためらうこともないし、
たしかに「今までと何が変わるのか」という点では
打ち出し点がピンとこないのかなと思いました。
もう1回あるので、語り方考えよう。


以下、講義の概要です。

1。無期転換って?
 ◇有期契約通算5年で無期<期間の定めがない>へ
  転換可能に(労働者の申込み必要)
  *「同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を
   超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みによ
   り、無期労働契約に転換します。このルールは、有期労
   働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を
   図ることを目的としています」(厚生労働省HP)

2。労働契約のそもそもを考える

 ◇使用者と労働者とは、法的には対等な契約関係。だが。
  *そもそも使用者のほうが立場が強い。企業にとっては、
   「いつでも雇い止めできる労働者」を一定かかえてい
   るほうが、経営上都合がよい。必要でなくなればやめ
   てもらう。

 ◇有期雇用とは
  *企業の都合が雇用の安定より優先。調整弁。正規は無期。
   パートや契約社員、派遣労働者など、非正規雇用のほと
   んどは有期雇用。立場が弱いところに集中。より立場が弱く。
  *ヨーロッパでは無期が原則
   (有期雇用は合理的理由がなければ認められない)
  *労働者にとっての不利益点(一般的な特徴)
   ・雇い止めの不安。収入たたれる。新しい雇用先を見つけ
    なければならない労力。
   ・雇い止めの不安から、①使用者と労働条件を交渉しにくい、
    ②職場で意見が言いにくい、③有給休暇など当然の権利
    行使がしにくい、④労働組合に入ることをためらう。
   ・契約期間中はやむを得ない理由がない限り辞職できない
    (無期は2週間の予告期間をおけば自由に辞められる)。
    じつは有期雇用のほうが辞めにくい。

3。無期転換がなぜ大事なのか
 
◇有期雇用の不利益点の改善
  *雇い止め(契約不更新)の不安の解消。労働条件や職場
   改善についての意見が言いやすくなる。正当な権利行使
   もしやすくなる。労働組合に気がねなく入れる。
  *雇用の継続による職場の質の確保。知識・技術・人間関係の蓄積。
 ◇無期転換を勝ち取った事例
  *生協(coop)では、パートやアルバイトなどの多くが有期
   雇用で働いていたが、労働組合のねばり強い交渉と取り組
   みにより、約35,000人の無期雇用転換が実現している。お
   かやまコープは3年から無期転換できるようになっている
   (労組の要求で法律以上のルール)。
 ◇なにより、人権の観点から。
  *労働者はモノではない。生活は有期ではない。労働契約も
   人間らしいものに。

4。職場の仲間に伝えていこう
 
◇自動的に無期転換にはならない。労働者本人の申込みが必要。
  *「通算5年」は2013年4月以降の期間がカウントされるので、
   2018年4月に申込権が発生する。現在、有期雇用者の約3割
   が5年以上同じ職場に勤めている(全国平均)。無期雇用転
   換の集団申請を運動として組織しよう。
 ◇口頭での申込みも可能だが、申込み書式もあるので活用を。
  理事会に周知徹底努力させよう。
 ◇不当なことを許さない
  *医療生協ではあまりないと思いますが、無期転換ルールを
   口実にした雇い止めなど違法・脱法行為が起きる可能性の
   ある職場もある。そういう人がいたら、迷わず「労働組合
   へ相談を」と伝えよう。
 ◇メリットをわかりやすく伝える
  *労働組合の役割・価値とセットで。労働条件にこだわり、
   議論するトレーニングを積もう。その人の状況や考え方に
   あわせた働きかけを。デメリットはない。自信をもって。
 ◇引き続き、正規と非正規の格差や差別の解消をともに求めていく
  *非正規労働者が「集まる」「語りあえる」「聴きあえる」場
   をたくさんつくろう。
  *処遇改善には、当事者自身が声をあげる必要がある。パート
   労働者の要求可視化。そして数が多いほど交渉力が高まる。
   仲間を増やすることが底上げに。
  *じっくり、ていねいに、労働組合の役割を伝えたい。納得と
   共感が必要。声をあげる勇気、たたかう覚悟は、仲間がいる
   から湧いてくる。仲間を増やそう。

たくさんの人に動いていただいて

相方がALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されて、
だいたい1年がたちました。
今年3月に体調を崩して以降は、ほぼ安定し、
好きな旅行にも次々と行くことができ、
彼女らしい生活が一定できていると思います。
もちろん進行は確実にすすんでいるわけですが。

きのう(25日)午前はその相方と、
相方が仕事で関わっていた医学生さんとのお茶会でした。
彼女を慕ってくる人、たくさんいます。
きのうは、来年からは現場で研修医の3人でした。
無事に国試をパスしてもらいたいと強く思いました。

午後は上肢補助具(MOMOといいます)の
購入補助申請の医師判定に、きらめきプラザまで。

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これ、腕の動きがかなりスムーズに。
動かせる範囲も広がります。

でも、このMOMO、
まだ岡山で申請OKになった例はない、
つまり前例がないので、
自治体交渉ふくめ、いろいろたいへんでした。
使える制度や公的補助は活用と思ってやっていますが、
苦労がありますね。

相方を担当していただいているリハビリの方や、
保健師の方、ケアマネさん、メーカーの方ふくめ、
ほんとうにたくさんの人が動いてくれて、
ようやく判定までこぎつけました。感謝です。

でも日本って、ほんと、患者自身が動かないと、
行政とかからの情報って、ほとんどこないんですよね。
困ったものです。

無期転換ルール学習会。声をあげる足場をつくる取り組み。

今日(24日)はさきほどまで、
倉敷医療生協労組パート部の「無期転換ルール」お昼休み学習会。
玉島協同病院にて。

同一使用者との有期雇用契約が通算5年たつと
労働者の申し込みで無期(期間の定めがない)契約に
転換できるように(2018年4月から)。

労働者にデメリットなし。
メリットしかない制度です…!
周知徹底必要。
非正規労働者が声をあげる足場をつくる取り組みです。
(今度レジュメ全体アップします)

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その島の、銀翼の、花咲舞が、助け合いたい

最近読み終えた本。
少々疲れているため、難しい本は読んでいません。


『その島のひとたちは、ひとの話をきかない
      ~精神科医、「自殺希少地域」を行く』
           (森川すいめい、青土社、2016年)

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日本で自殺率がとても低い地域(自殺希少地域と
いうらしい)に、精神科医の著者がフィールドワークに出て、
その要因を探る、という内容。その特徴は、

①困っている人がいたら、今、即、助ける
②人間関係は疎で多
③意思決定は現場で
④見て見ぬふりができない
⑤解決するまで関わる
⑥不確かさに耐える/寛容
⑦対話主義。


『銀翼のイカロス』(池井戸潤、文春文庫、2017年9月)

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半沢直樹シリーズ第4弾。航空会社(モデルはJAL)を
めぐる銀行の債権放棄の話。
うーん、半沢直樹シリーズではイマイチか。
航空労働者のことがまったく描かれない。銀行中心のストーリー。


『花咲舞が黙ってない』(池井戸潤、中公文庫、2017年9月)

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テレビドラマにもなった、あの花咲舞の続編。
相変わらず相馬との軽妙なやりとりがおもしろく、
トントン読める。
半沢直樹も登場するとは、なかなかやりますな。


『助け合いたい』(さいきまこ、秋田書店、2017年10月)

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漫画。雇用環境の劣化、貧困な社会保障が
凝縮した内容で、読んでいてしんどかった・・・。
でもよく取材されていて、ポイント押さえてるなあーという感じ。

家族による助け合いの限界、
生活保護に対するスティグマ(恥だと思う)なども。
人権感覚をもった医療ソーシャルワーカーが神に見えた。

おすすめ。必読です。

歴史を学ぶことを大事にしてほしい。

いま『学習の友』に連載している「労働組合のむこうに」。
2回目となる11月号には、
女性労働者たちのたたかいの歴史をふりかえりながら、
いまある現実をつくってきた力について書きました。

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「よかった」という感想がいろいろなところから
届いています。こんなに早く感想が届くのも初めてかも。

どんなに現実が強固で変わらないように見えても、
仲間と手をつなぎ声をあげてきた人びとの努力により、
変化はつくられてきました。
歴史を学ぶことで、それが見えてきます。

歴史を学ぶことを、あらゆる運動のなかで、
もっともっと大事にしてほしいと思います。
歴史を学べば強くなれます。
いろいろなことが見えてきます。

総選挙明けの本日、
気持ちをあらたに次の努力を開始していきます。

2回目の原稿の最後の部分を引用します。

*   *   *   *   *   *

 今年はじめ、イギリスの女性参政権獲得のため
の壮絶な闘いを描いた『未来を花束にして』とい
う映画をみました。「あきらめない」ことは、
「あきらめる」ことよりずっとたいへんなことだ
と痛感しました。「ここまでしないと、女性たち
の声は届かなかったのか・・・」と。まさに苦闘で
した(ぜひ映画をみてください)。
 じっさい、声をあげても現実はすぐに変わらな
いことも多いと思います。ときにはあきらめ、絶
望することもあるかもしれません。声をあげ続け
る勇気、たたかい続ける覚悟は、1人では支えき
れません。でも仲間がいれば、あきらめない力が
わいてきます。
 頑張れないときも、仲間がいればちょっとお休
みもできます。ジグザグありながらも、たくさん
のあきらめなかった人びと闘いが、新しい現実を
つくり出してきました。それが歴史の教訓です。
人間らしさにこだわり、仲間の力を最大限むすび
つけ、仲間とともに現実を変えるために行動する
労働組合の役割は、今もこれからも、とても大き
いのです。

*   *   *   *   *   *