長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

人はなぜ、ベルリン、子規と漱石、マチネの

最近読み終えた本。
2017年も系統性のない乱読になっていくのでありましょうか。


『人はなぜ学ばなければならないのか』
         (齋藤孝、じっぴコンパクト新書、2016年11月)

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腰を落ち着けて学ぶことの大切さ、
自己形成・自己更新のための学びなど、
学ぶことの一般的意味を広く浅く。
「社会変革のための学び」という視点がないのが
物足りなさを感じる要因だろうなあ。


『ベルリン物語ー都市の記憶をたどる』
         (川口マーン恵美、平凡社新書、2010年)

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来月、ベルリンに行くのでその予習。
20世紀の世界を語るうえで、ドイツ、
そしてベルリンは外せない軸点。
ふたつの世界大戦、そして都市そのものが
東西冷戦の象徴となったベルリン。うう、楽しみだ。


『子規と漱石ー友情が育んだ写実の近代』(小森陽一、集英社新書、2016年)

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昨年末、以前NHKで放映した『坂の上の雲』を見て、
子規と漱石の友情を知る。からの読書。
文学的素養がないので難しく感じたが、
書くことで他者の眼を引受け、
生の質へ転化するという子規の切迫感がすごい。


『マチネの終わりに』(平野啓一郎、毎日新聞出版社、2016年)

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小説。平野啓一郎さんの世界だなあ、という感じ。
知的かつ感性的で、人生というものへの繊細な目配りと哲学。
社会性も随所に。
40代のおとなの「愛」の形っていろいろありますよね。
はー、とにかく良かった。オススメです。