長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

木も森もみる。

3日の夜は、もみの木保育園の職員学習会5回目。
「ものの見方・考え方ー木も森もみる」
というテーマで45分しゃべり、その後1時間!感想交流。

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ここの職員さんは、自分の意見を伝えあう、
キャッチボールすることに慣れてます。若い人も。
政治的な話も大丈夫。
やっぱりトレーニング機会があるかないかが重要なんですね。

いつも楽しい学習会になっています。
あと4回やります。

以下、講義のおおまかな概要です。


一。対象を「つながりの(連関)」のなかで把握する
 
1。弁証法というものの見方の大事な心得のひとつ
        ―バラバラに考えない、つながりをみる
  ◇どんなものも、つながりのなかで存在する、ということ
  ◇たとえば、生物多様性。(『Newton』2010年6月号より)
  ◇『いっぽんの鉛筆のむこうに』(谷川俊太郎文ほか、福音館書店)
  ◇「わたし」(谷川俊太郎ぶん、長新太え)

 2。個々の姿、部分だけをみてしまう傾向―人間の認識過程でつねに陥る危険
  ◇私たちの目の前に見えるのは、「現象」「結果」「瞬間」としての姿
  ◇専門化、細分化してきた学問・技術
  ◇科学や技術も、幅広い・歴史的視野が必要
  ◇「結果を出すこと」(利益をあげること)のみが追求される傾向など
  ◇ゆとり・余裕がないと、そういう見方に陥りやすい

 3。弁証法的でない見方は、支配階級の利益と結びついている
  ◇消費税率、日本は低い??
  ◇政治は政治、経済は経済、文化は文化。うちの職場はうちの職場。
   密接に関わっているが、バラバラに考えてしまう傾向。
  ◇時間を奪うこと=「ゆとり」を奪うこと。
   考える、集まることを困難にする。
  ◇「変革の立場にたつ」ことが、私たちのものの見方を磨くうえでは
   欠かせない。

二。全体(森)をみるうえで大切なポイント
 
1。そういう癖をつける
  ◇「この背景にあるのは・・・」「なにが原因か・・・」「つながりを意識する」
  ◇大切なものは目に見えにくい・・・という自覚
  ◇視野を広げる。世界を広げる。広い、という自覚。

 2。成り立ち、歴史、背景をみる―本質に近づくステップ。
  ◇成り立ちや過去を知ることは、現在をもっとよく理解するため

 3。集団で認識する―認識を深める努力のもっとも大事な方法
  ◇ひとりの認識には限界がある
  ◇みんなで協力しあいながら「木も森もみる」
   ―議論や話しあい。情報共有。