長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

広島出張の寄り道編

きのうの広島出張は7月唯一の県外でのお仕事でした。
半年ぶりぐらいに新幹線乗りましたが、やはりガラガラ。
これだけ感染が広がってるんで、当然ですよね。
でも長距離移動って、やっぱり気晴らしにはなります。

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で、黒い雨裁判の翌日なんで、中国新聞を買って、
ランチを食べながら読む。
全面勝訴。よい響きだ…。国は早く不当な線引きをやめて被爆者として認定せよ。


ランチ後は平和記念公園内に。
リニューアルされたレストハウスへ。
この日中国地方は梅雨明けで、晴れ。夏の広島でした。

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外観も内装も、全体的に小綺麗に。被爆遺構としては、やはりどうかなあ。

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この1階の売店はいらないと思いました。
平和公園内でお土産販売はちょっと違うと思います。

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地下1階の展示室。以前は被爆の爪痕や薄暗い感じが、
当時を想像させる雰囲気でしたが、ここも全体的に綺麗に。
パネル資料は、この地下室にいて、
中島地区で唯一生き残った方の証言など。

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3階も展示室になっていて、中島地区の歴史やジオラマなど。
映像もいろいろあり。

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そして、2階のカフェスペースで「明子のピアノ」と対面。
詳しくは同名の岩波ブックレットを。
なんかもう少し置き方に工夫があってもいいかなーとは思いました。

3年目となる広島民医連幹部養成基礎講座へ

きのう(30日)は広島へ。
14時から、
3年目となる広島民医連幹部養成基礎講座の1回目。
今年はコロナの影響で1回少なくなり、全6回のカリキュラムで、
そのうち私は5回参加します。

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まあ、内容は1年目・2年目とほぼ変わりません。

きのうの1回目は、偏愛マップ自己紹介交流から入り、
課題本『“生きる”を支える看護』の交流、
「ものの見方・考え方をみがく」講義とディスカッションという流れ。

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黒い雨裁判、ALS嘱託殺人事件なども語りながらの講義に。
今年も楽しくなりそうな雰囲気。
学びあいの場は、いつも新鮮な出会いがあります。

来週から始まります~

岡山県学習協では、8月7日(金)より隔週金曜日、
「社会権講座~コロナ禍のなかで、人権を守る」
を開催します(全3回)。 

縦バージョンのチラシをつくりました。
ぜひご参加を!

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≪全3回のカリキュラム≫
①8月 7日(金)「社会権とは何か~獲得されてきた『現代的な人権』」
②8月21日(金)「コロナ禍のもとで~人権の危機とその背景」
③9月 4日(金)「社会権再生への連帯~新しい社会の核心と展望」
*時間はすべて、18:30~20:30

ところ:岡山市勤労者福祉センター4階 大会議室(岡山市北区春日町5-6)
講 師:長久啓太(県学習協事務局長)
参加費:1回につき1000円(学生・障害者500円)
【主催&お問い合わせ先】岡山県労働者学習協会
≪新型コロナ感染対策のため、大きめの会場で開催いたします≫

蒜山高原へお出かけ

岡山では連日コロナ感染者が増え、
きのうは岡山市で県内初のクラスターと…
 うーん。たいへん。

そんななか昨日(19日)は
相方と毎年恒例の蒜山高原へお出かけ。
姪っ子さんとヘルパーさんと。

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観光客も日曜日なのに少なめ。
心配された天気も暑すぎず、ときより日差しもありちょうどよかった。
やはり遠出はよいですな。

「立場が意識をつくる」について考えた

昨夜、酔っぱらった頭でふと、
「立場が意識をつくる(規定する)」という、わが活動界隈で
時々使われる言説について考えてしまった。

この言説については、経験的にも理論的にも
納得していてその通りなのだけれど、
運動論的にはもう1歩踏みこんで考える必要があるなと。

まず、「立」と「場」を分けて考えてみよう。

場に「立」たなければ、議論する機会や実践の機会がなく、
成長や問題意識の広がりが生まれない。
労働組合などの役員になることも、そうだろう。
役員になれば、会議や集会への参加も増え、
そのぶん「意識をつくる」きっかけが増える。

ただ問題は、そうした場に立つ人を、どう増やすかである。
「役員の担い手がいない!」という、
担い手不足問題は、どこに行ってもよく聞かれる。

ここで考えないといけないのは、「場」の量と質の問題である。

場が少なければ、当然「意識をつくる」機会も少なくなる。
たとえば役員になるのは「場」のひとつだけれども、
もっと多様な「場」が事前に準備され、各種取りそろっている
ことが大事なのである。

「場への道筋」と言ってもいい。
場に導かれるような道筋をつくれているか。

「多様な餌」という例えもしてみよう。
人は1人ひとり違うので、どの餌にひっかかるのかは予想不能。
多様な餌を準備しておけば、食いつく確率も高くなる。
「食いついてくる要求」「やる気になるスイッチ」は様々なので、
「場」も多様に準備しておく必要がある。

さらに、各種経験値や問題意識、立場に相応した
「場」を制度的につくっておいて、
人が法則的に育つ組織づくり、というものを構築する必要がある。

もう1点は、「場の質」である。
さきほどの例でいえば、労働組合の役員になったからといって、
全員が期待どおりの成長するわけではない。
役員への登用の仕方にもかかわるけれど、
いずれにせよ、その場が民主主義的で、表現ができ、
多様な意見が出されて合意形成がなされるような、
そんな面白く、考えの発展がうながされる場に、
1つひとつの場をしていく必要がある。

民主主義という「場」に迎え入れるのである。
逆に、民主主義がない場では、「意識」はつくれない。

自分の考えが表出でき、議論がなされ、学ぶことができ、
その場にくることでエンパワーメントされる。
そうした質の場を準備するのである。

場に立つ人をどうつくるかの戦術、
そして場づくりの多様性と制度化、さらに民主主義度。
こうしたことを、もっと考えていかなければ、
「立場が意識をつくる」という言説も、生きたものにならないのではないか。

以上、思いつきでした。

感想文を深めるだけでいい授業ができそう

先週火曜日(7日)の
ソワニエ看護専門学校の授業(今年度6回目)では、
「生活と働くこと」というテーマで、
日本の労働者の現状ふくめいろいろ話をしたのですが、
各自の体験や認識ふくめ、さまざまな感想文がでてきます。

明日(14日)の授業は、看護の労働運動の歴史を話して、
さらに学生さんに考えてほしいと思っています。
以下、先週の感想文の一部です。


■私はまだアルバイトしたしたことがなく、少し社会に
出るのが怖くなった。もう少し本来の社会の在り方を
政府は見つめ直すべきなのではないかと思った。働きや
すい社会にするべきである。

■働くことで生活が成り立っている以上、働かないとい
けない。もちろん人によって仕事が生活へのモチベーシ
ョンとなるかもしれません。でもあまり生活(時間)を
切り取ると人間らしい心の豊かさを失ってしまうような
気がします。しかし、最近は労働条件を選んでいられな
い人が多いのも実情なのかとも思います。

■私も何度も社会人として職場を変えてきたが、1回も
労働組合をみたこともないし、時にはタイムカードなど
労働時間の偽造的なこともされた。今度こそ普通の職場
につとめたいと思うが、条件をみてもよく分からない
ことがある。ぜひともチェックポイントを教えて頂きたいです。

■今、学生で、賃金や労働時間について考えることが
ガクンと減ったが、今回の授業で、そういえば社会人だっ
た私はよくもまああんな安い賃金で長々とまじめに働い
ていたなあという怒りが再発した。安い賃金で働いている
と自分の価値がだんだん下がってくるように感じてくる
ようになり、本当によくないので、ガッツリ金をもらって
いきたい。

■女性は、家事・育児・介護も背負っているうえに、仕事
(収入)の面でも、弱い立場にあって、知ってはいましたが、
この問題に向き合うたびに、腹が立ってくるので、あまり
考えないようにしています。こういう風に、現在のこの
状況を変えることを諦めている人は多いと思います。
それは、男性でももちろんあると思いますが…(労働環境等)。
どうにかならぬかー。

■労働時間について疑問に思うことがあります。1日8時
間を上限として労働基準法で決められています。8時間
というのは上限です。これ以上働くなら、サブロク協定を
出し、割増賃金の支払いが必要です。上限なんです。8時
間は。それなのに8時間を所定労働時間としている雇用主
のなんて多いことでしょうか。これ以上働かせてはいけ
ないラインが上限なのに、就業瀬規則で決めています。
どうにかならないでしょうか。しんどいです。6時間労働
くらいで生活できるようにしてほしいです。それで企業が
つぶれるなら、そんな企業はつぶれろと思います。良心的
な経営が出来ないなら、労働基準法のほうを変えてほしい
です。

おもに住まい本が多かった

最近読み終えた本。


『「高学歴ワーキングプア」からの脱出』(水月昭道、光文社新書、2020年5月)

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この問題に興味があったというより、
『子どもの道くさ』の著者の本、ということで手に取った。
軽妙なタッチで書かれてはいるが、
いやはや、たいへんな世界である。
巻末にはバッタ研究者の前野氏との対談。


『韓国市民運動に学ぶー政権を交代させた強力な市民運動』
            (宇都宮健児、花伝社、2020年2月)

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韓国市民運動の発展は目覚ましい。羨ましい。
その入門書になっていると同時に、
こんな交流と実践をしてきた宇都宮さんこそ、
東京のリーダーにふさわしいと心底思う。選挙は残念だったが。


『ナニワ・モンスター』(海堂尊、新潮文庫、2014年)

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小説。前半はパンデミックの予見として感嘆しながら読んだけど、
後半はイマイチ。


『居住福祉の世界~早川和男対談集』
        (居住福祉ブックレット16、東信堂、2009年)

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再読。1回目読んだのは10年前。
住まいは人権であることを定着させようとした
早川さんの功績は大きい。しかし現実はいまだ変わらず。


『世界の借家人運動~あなたは住まいのセーフティネットを信じられますか?』
                      (高島一夫、東信堂、2007年)

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居住福祉ブックレット13。
世界の人民はより良く住むために、組織をつくり、たたかっている。
「借家人を持家の下のように見る『居住差別』の
風潮が社会に蔓延している」はまさに。


『コロナの時代の僕ら』
  (パオロ・ジョルダーノ、飯田亮介訳、早川書房、2020年4月)

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感染爆発のイタリアで作家は何を見、考えたのか。
珠玉のエッセイ。
「もしも、僕たちがあえて今から、元に戻ってほしくない
ことについて考えない限りは、そうなってしまうはずだ」
忘れずに考えたい。


『すまいの思想』(西川夘三、創元新書、1974年)

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ぼくの生まれたトシの出版…ということで、
内容は、もうかなり古い。大部分斜め読みだった。
ただ古いながらも、人間にふさわしい居住というものを
考える立場性はやはり新鮮。ここでも資本との対決が必要。
住まいは人権。


『住宅問題と労働運動』(早川和男・角橋徹也編著、都市文化社、1985年)

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35年前だから、古くなっている認識や政策はある。
しかし、「労働組合は賃上げばかり熱心で住宅問題にはほとんど無関心」
の指摘は今も痛い。いろいろ考えるところ盛りだくさんな1冊であった。
やはり、住まいは人権である。


『住まいと家具の文化』(中村圭介・日方一城、寺子屋新書、2004年)

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書庫で別の本を探していたら発見。16年前に買っていた自分エライ。
中身も読みやすく、「住まいは人権」での締め方もよし。
しかしこのテーマ、ほんとうに様々な角度から深められますね。
本書は家具論が光る。


『住まい方の思想~私の場をいかにつくるか』
            (渡辺武信、中公新書、1983年)

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たいへん面白かった。
まず、玄関とはそもそも何か、で目からウロコが落ち、
居間、食堂、厨房、寝室…と続いていく。
一軒家の話だし、ジェンダー部分もあるけど、
それ差し引いても、名著である。建築は思想だ。


『いのちの停車場』(南杏子、幻冬舎、2020年5月)

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大学病院の救命救急センターを辞め、父のいる金沢で
在宅医療に悪戦苦闘するドクターの物語。
著者もドクターで、既存作品『サイレント・ブレス』
『ディア・ペイシェント』もお薦め。
この小説も著者の医療・死生観が出ていてジンとくる。


『死体は語る』(上野正彦、文春文庫、2001年)

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文庫になる前のハードカバーが85刷・累計60万部という大ベストセラー。
うなずける。異常死体の話だけれど、これがすこぶる面白い。
1話1話がショートショートの物語のよう。人間ドラマ。
「死者の人権を守る」という著者の気概も素晴らしい。

“住む”を考える学習会報告

7月2日(木)の学習会報告です。
ほんとうに久しぶりのリアル学習会で、
参加者も主催者も、集まれることを喜びあえたような、
やわらかい雰囲気。25人の参加でした。

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講義レジュメは10ページにもなり、
大づかみ的な話になってしまいました。
例えば「個室」登場の意味とか、
ジェンダー視点で住居の変遷をみるとか、
欧米の住宅運動の詳細とか、面白い話がいっぱいあるのですが、
ほぼ話せませんでした。

おまかな内容は、以下です。

一。“住む”をそもそもから考える
 1。“すむ”とは
  ◇住まいの多様性と、本質的機能
  ◇気候・建築材料・構造
  ◇住居は大きく、形が目につきやすいため、住み手の生活を
   表現する手段にもなる。
 2。住宅の「型」をとらえる5つの視点
  ①住宅の種類、②所有関係、③住居形式、④地域、⑤階層。

 【長久の住宅個人史】

 3。「居住」を重層的にとらえる
  ◇「部屋(居室)」「住宅」「居住環境」「コミュニティ」
 4。住まいの意味論

二。資本主義社会と住宅問題】
 1。居住格差、居住の貧困
  ◇「買う」ものとしての住まい―買う力の格差が住まいの格差に
  ◇狭小・過密住宅
  ◇家計を破壊する住居費
  ◇職住分離
  ◇会社所有の住宅
  ◇戦後日本の住宅政策のポイント
 2。住まいを失う人々
  ◇ホームレス
 3。コロナ禍のなかで

三。居住福祉社会をつくるために】
 1。住まいは人権
  ◇『居住の権利』の発見
   (『居住福祉学と人間』から、熊野勝之弁護士の記述)
  ◇人権とは、「人である」というだけで無条件に保障される
   自由や権利のこと。
 2。欧米では、「人間らしい住まい」を闘いとってきている歴史がある。
 3。人権を守り実現するのは、1人ひとりの当事者
  ◇今の状況を「あたりまえ」と思わない。相対化する。問いをもつ。
   学ぶこと。

さいごに:「住む主体」としての成長と民主主義。

【資料:東京都知事選挙の、宇都宮けんじ候補の政策から】

 

以上。

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講義後、4グループに分かれての感想交流。
それぞれの経験や問題意識が出されて、
どこも話がつきないようでありました。

参加者の感想文の半分ほどを紹介します。

■今まで住まいとは何かを考えたことがなかったので、
とても刺激になりました。前職では寝に帰るだけの
生活で人間らしい生活を送れていなかったなと感じ、
今後の生活をあらためてよく考えていきたいなと思いました。

■豊かに生きるために住まいはとても大切だとあら
ためて考えていたタイミングで、集まってみなさんと
話ができて楽しかったです。住まいは権利なので、
政治に求めていくことが必要だということも認識できました。

■「住む」を改めて考えてみると日本人は住まいに
関してあまり深く考えていないことが、よくわかりました。
欧米のような住まいに対する考え方がいいなあ…。
住まい、住まうということにも、豊かさを求めて、
権利ということも、もっと意識したいと思います。

■住宅が福祉政策として位置づけられていたら、もっと
豊かな人生が送れる人がずいぶん大勢いるだろう。
若者だけでなく、配偶者と別れたくても住宅問題で
別れられない人も第2の人生が歩めるようになる。
「住宅は人権」。認知症の人も病院の大部屋のような
施設ではなく、一戸建ての家で老後が過ごせることを
保障する。老後の不安もなくなるだろう。あぁ素敵。
そのためにもたたかおう、政治を変えよう、元気を
出そうと思えた。

■社会観としての住居というものを考えることができた。
政治としての住居という考え方を知ることができた。
グループ交流も難しい話ではなく身近なことから話せ
たので、ゆったりできた感がある。深く考えたり話し
あったり、なかなか人には言えないことだったりを
聞いたり話したりできて、良い機会となりました。
ありがとうございました。

■劣悪な住宅は健康を害するということは、そうだなぁ
と感じました。今日の講義を聞いて、映画「マイケル
ムーアの世界侵略のススメ」を思い出しました。その
映画の中では犯罪を犯した受刑者にも一軒家が与えら
れる国(ヨーロッパの国だったと思います)があり、
それを考えると根本的な部分から住宅や住む・暮らす
ということについての考え方がちがうんだなぁと思いました。

■資本主義の中では、家も「商品」になっている、もう
かるかどうかになっているところにハッとしました。
ハウジング・ファースト、カタカナ語はあまりいい
イメージがなかったけれど、これはいいと思った。
何ごとも、まず人権から考えることの大切さを改めて
感じる講義でした。ありがとうございました。

■人権連の運動の発端は地域の住宅建設闘争です。劣悪
な住環境を強いられてきた住民が、「住居は私たちの権利」
だと声をあげ、県営・市営などの公的住宅はかち取って
きました。それが約60年前。今でも行政懇談(交渉)で
要望する主な重点項目に、住まいや地域環境に関するもの
が多くあります。今回の学習会でも、日本の住宅政策の
考え方がほんとにズサンであることを改めて感じました。
「人間が人間にふさわしい生活をするために、人間にふさ
わしい空間が保障されなければならない」。この言葉の
意味をもっと多くの方に知ってほしいです。

■長久さんの住宅個人史から話を聞きました。「住宅個人史」
って面白いなって個人的に思いました。災害で元々住んで
いた家を突然失った人が仮設住宅に住むというのは非常に
ストレスだと思うんですが、阪神大震災で大勢の被災者が
孤独死や自殺をしたというのを聞いて、とてもいたたまれ
ない気持ちになりました。でも、いま自分も元住んでいた
家に住めなくて、動物を飼えなかったり周りに知り合いが
いなくなる寂しさや、環境の違いに大変ストレスを感じて
いるので、わかるなあと思いました。西欧の暮らしが面白い
というか、ちょっとうらやましく思いました。

■22歳の時、東京で2畳ほどの部屋に住んでいたので、
居住に関する快適さには想いが強いです。いろいろな人
との感想交流で学べることがあり、素敵な経験ができました。
「衣食住」この言葉の順番には意味があるのか? との意見
が心に残ってます。

■仕事上、色々な方のお宅へ訪問していますが、家の中を
見てどのような生活をしているのか、どのような方なのか
が見えてきます。生命の安全が保障されている住居に
住まれている方は、どれほどいるのだろうと考えさせられました。

■今の若者の中で起きていることに、驚いたことが1つあった。
生計費調査を、職員に依頼したところ、「うちのむすこは、
家賃を安くするために、友人とシェアしているのよー。
友人が寝ている時は家に帰らず、ネットカフェで過ごして
いるみたい(笑汗)」みたいに話されていて、“豚小屋”という
キーワードから、改めて現在も近いような現実があるのだと
感じました。こういう学習会で、改めて“住む”ということ、
“暮らす”“生きる”ということを考えるきっかけとなり、
大変良かったです。

■「住宅は人権」という言葉がしみた。生保の人は持ち家が
あったら申請できないというのは、人権という考えでは
ないからだと思った。「持ち家はぜいたく」という思想
なのだとあらためて認識した。若いころ、住宅ローンを
払っているから、簡単に仕事はやめられないでしょ? と
言われたことを思い出したり。今の住宅は、30年位で
ボロボロになる資本主義の使い捨て商品だなと…。宇都宮
けんじさんに都知事になってもらいたいなと心から思いました。

おつかれさまー、の瞬間に自宅にいる不思議。

きのう(6日)午後は、
学習運動の東京での会議にはじめてzoomで参加。
自宅にてスマホで。

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音声がやや不調だったり、家庭事情のガヤガヤがあったり、
猫のかまって攻撃にあったり。やはりテレワークは厳しいなと(笑)。

でも東京行く労力がないので、かなりラク。
会議終わって「おつかれさまー」の瞬間、自宅という不思議。
リアル東京だったら、そのあと4時間は自宅までかかりますからね。

東京の感染はしばらく続きそうだから、
今年いっぱいは、オンライン会議でしょうね。
交通費かからないし、いいんではないでしょうか。

上半期ふりかえりメモ

今日から7月。上半期のプチふりかえり記録用メモ。

年明けは本当にワクワクしていて、目標を立てるのが楽しかった。

1月~2月の「核ZERO講座」の成功は、
目標達成技術の蓄積面からも自信になった。
この勢いで94期岡山労働学校も飛躍を!と意気込んで
募集活動に入り始めた時期に、コロナの感染拡大。

仕事の目標を喪失し、3月以降は講師仕事も激減、
気晴らしもできない生活。最悪を更新し続ける政治のもとで暮らす日々。
精神的にはなかなかしんどかったが、支えになったのは文学。
物語の力だった。

読んだ本は78冊で、
こんなに小説を集中的に読んだのは人生で始めてかも。
天童荒太が良かった。

学習会講師は33回だが、例年の半分にもいかないぐらい。
とくに3月以降の学習会の多くが中止や延期。
集まって学びあう価値を考えることにも。

映画は4本観賞。「男はつらいよ お帰り寅さん」
「パラサイト 半地下の家族」「1917 命をかけた伝令」
「工作 黒金星と呼ばれた男」。

相方の体調は比較的安定。お出かけ5回(旅行はコロナで行けず)。
重度訪問介護の時間を少しずつ増やしていき、
現在は夜勤も週5日に(1月時点は週3日だった)。
支援体制は安定してきている。
6月17日、東大生のゼミでのzoom学習会も無事に終了。

自身の体調もまずまずで、風邪でダウンが1度あったぐらいか。
ただ蓄積疲労はなかなか取れず。レスパイトも必要。
3月10日からのダイエットは7キロ減(75キロ→68キロ)で
毎度のように成功。今のところリバウンドなしでキープ。

下半期もコロナで以前の仕事量には戻らないけど、
次の目標みすえてがんばります。

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4か月ぶりの県外。

きのう(30日)は午前中、香川民医連の1年目職員研修でした。
マリンライナーにのって高松まで。4か月ぶりの県外でした。

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「ものの見方・考え方~考え続けるために」を
テーマに10時~12時半まで。

最初はやはりコロナ。「忘れたくない物事リスト」を交流。
さらに慣れない力、人権感覚を磨く、社会認識を豊かに、という流れ。

しかし、今年の新入職員さんは、
コロナで本当にたいへんな緊張の3か月であったことでしょう。
これからも続きますが。がんばってほしい。

帰って15時からソワニエ授業でした。
久しぶりの学習会連チャンで疲れた~。

準備をぼちぼちと始める

7月2日(木)の
「“住む”を考える~コロナ禍のなかで」学習会の準備をぼちぼちと始める。
ネタ本を並べてみた。まずは形から入るのである。
眺めてみると、やはり早川和男先生の偉大さを感じる。

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この機に新たに読んだ本も何冊か。
おもしろく、深く、考えるきっかけになる学びの場にしたい。

ぜひご参加を!