長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

憲法学習会をよびかけます ~不断の努力を草の根から~

 「まず国民大衆のすべての人が、この新憲法を読む
ことである。理解することである。国民的教典として
親しむことである」
 これは、1946年11月3日、憲法公布のその日
に、内閣によって発行された「新憲法の解説」の序文
の一節です。書いたのは当時の吉田茂内閣総理大臣。
新しい日本は平和国家として歩む使命をもち、そして
文化国家として世界とともに歩んでいく。そのために
は、国民一人ひとりがこの日本国憲法を読み、親しみ、
民主主義の体現者として成長していかねばならない、
その決意が語られています。
 憲法公布から今年で70年。日本社会はいま大きな
岐路に立たされています。参議院選挙の結果、改憲発
議に必要な議席を改憲勢力が占めました。いっぽう、
安保関連法の廃止、立憲主義回復を一致点にした野党
共闘、それを生み出した市民運動のうねりは、まさに
日本国憲法が期待する主権者らしい主権者が、いま大
きな形となってこの国に立ち現れていることも示して
います。正念場であると同時に、憲法を私たちの手で
ふたたび選びなおし、憲法に立脚した国づくりをすす
める政治に転換するチャンスです。
 戦争に向かう国家は、国民の人権や生活をかえりみ
ません。置き去りにされます。安保関連法でまっさき
に当事者になるのは自衛隊員ですが、私たちの人権や
生活が息苦しくなっている現在、私たちもすでに、こ
うした国づくりの当事者になっているということです。
 いま大切なことは、改憲をめぐる情勢をつかむこと
と同時に、一人ひとりが憲法の理念、哲学、めざす社
会像、そして豊かな人権規定を自分のものとし、自分
の身近な場所で語り実践することです。そのためには、
憲法それ自身を学び、議論する場や時間、教材も必要
です。
 岡山県学習協では、県内の憲法学習運動を推進する
立場で、憲法学習会をよびかけます。

■憲法学習会の講師を派遣します。短時間での学習会
から、じっくり学ぶ内容まで、対応できます。

■九月末まで募集活動が延期された勤労者通信大学の
「憲法コース」(受講料1万円)の受講をよびかけま
す。

■岡山県学習協が主催する憲法学習会、講座なども今
後、地域で積極的に開催していきます。「うちの地域
でも」という要望をぜひお寄せください。開催を検討
します。


 憲法学習会は、労働組合の基礎力も高めます。人権
感覚、民主主義的感性を磨くためにも、憲法を身につ
けることが大切な方法のひとつになります。
 憲法12条では、憲法で保障されている自由や権利
は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければ
ならないと書かれています。まさに日常生活、日常の
活動のなかで、憲法を自分ごとにし、憲法を立ち位置
にして行動する人を増やすことは、不断の努力の中身
のひとつです。
 憲法は空気のような存在と言われます。ではその空
気をたっぷり吸い込み、エネルギーに変換しましょう。
いまこそ憲法学習会を。

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