『遅刻の誕生ー近代日本における時間意識の形成』
(橋本毅彦+栗山茂久編著、三元社、2001年) を読み終える。
明治後、近代社会となった日本はいつ頃から「時間を
まもる人」を意識的につくりだしてきたのか。鉄道、
工場労働、学校教育、時計普及など関連分野を精査し
検討。日本人の時間認識の変遷。
現代社会に生きている私たちは意識してもしなくても、
「刻まれる時間」のなかで生活している。でも、こう
した時刻にあわせて生活するようになったのは、ここ
100年ほどの出来事。そもそも時計がなかった時代が
長く、腕時計など1人ひとりが時間をつねに意識でき
るようになったのも最近のこと。
なにかと時間に追われる生活をしている現代人だが、
時間とのつきあい方についての「あたりまえ」を歴史
の学ぶなかで相対化することは、とても大事なこと。